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2.認知心理学

1.記憶について

記憶の過程は、記銘、保持、検索の3段階に分けられる。経験したことが記憶として取り込まれることが記銘、記銘されたことが保たれるのが保持である。保持されていた記憶を、後に思い出すのが検索である。記憶には、様々な性質があり、保持時間の長さによって、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に区分できる。

2.Sperlingの部分報告法について

Sperling は縦横3×3で9個の文字列を用い、記憶の実験を行った。短い時間に文字列を提示し、呈示された文字が何だったか9個すべてを答えてもらう全体報告法では、ほとんどの参加者は4~5文字しか回答できなかった。そこで、文字列にピッチの異なる音を割り当て、ランダムに文字列を提示し、対応する音が鳴った列の文字だけ回答させる部分報告法を行った。すると、参加者のほとんどがどの行を指定されても高い正解率で3文字を正答できたため、全体報告法でも本来なら9文字正解できると推測される。また、文字列呈示から回答までに約1秒遅延させると、全体報告法と同程度の成績となった。このことより、人間には1秒程度しか持たない記憶があることがわかり、感覚記憶が発見された。

3.ワーキングメモリについて

Baddeleyが提唱した。ワーキングメモリは、音韻情報を担う音韻ループと、視空間情報を担う視空間的スケッチパッドと、この二つを制御する中央実行系から成る。2000年には、長期記憶とやりとりを行うエピソードバッファの存在が提唱された。

4.パターン認知のうちの、鋳型照合モデルと、特徴分析モデルについて

パターン認知とは、外界からの入力された刺激に対し、それが何であるかを認識することである。パターン認知には、トップダウン処理とボトムアップ処理があり、鋳型照合モデルと特徴分析モデルはボトムアップ処理である。前者は、長期記憶内に鋳型があり、外界から入力された刺激と比較照合し、適合したものを認知するモデルである。しかしこのモデルでは、視覚情報が同じでも大きさや字のフォントなどの違いに合わせて鋳型が異なるため、膨大な鋳型が必要となり現実的ではない。一方、後者の特徴分析モデルは、視覚情報をいくつかの特徴によって構成されたものとして認知されるモデルである。Selfridgeのパンデモニアムモデルが有名である。

5.注意のフィルターモデルと、それにもっとも対立するモデルについて

Broadbentは、感覚記憶と短期記憶の間に、情報を選択するフィルターの存在があるというフィルターモデルを提唱した。これは、入力情報に対して、物理的特徴の処理など低次の処理はされるが、意味的記憶など高次の処理は、フィルターを通過したのみに行われるというものである。しかし、このモデルでは、カクテルパーティー現象の説明ができないなどの批判から、Treismanにより減衰モデルが考えられた。このモデルでは、注意を向けられていない情報はフィルターによって排除されるのではなく、容量の限界のために弱められるだけだとされた。

6.Chomskyの言語理論について、その特徴と限界

アメリカの言語学者NoamChomskyは、人間がどのようにして言語の知識や能力を獲得するのかという問いに答えるため、生成文法理論を提唱した。ここでは、あらゆる言語の初期形態である『普遍文法』が生物学的な言語能力の基盤として仮定されている。チョムスキーによれば、人間がどんな母語であっても数年という比較的短期間でその言語体系を習得できるのは、後天的経験(学習経験)に依拠しない『普遍文法(UG)』が生得的に備わっているからである。一般に、言語の分析・研究は、その「表層構造」だけに限らず、「深層構造」にまで遡って行う必要があり,ふたつの構造をつなぐのが生成変形文法である。しかし、言語知識は思った以上に豊かな内容を縫合するため、正確に記述しようとすると規則はどんどん増え、複雑化してしまうという限界も指摘された。

※生成文法理論=generativegrammar theory

※普遍文法=universalgrammar:UG

※よく定義された問題:問題の構造が明確で,目標に至るための問題解決の手段,その適用に関する制限条件が明らかな問題

※手段ー目的分析:問題解決過程をいくつかの下位目標に分け、ある操作を適用した時に下位目標に到達できるかどうかを検討し、到達できなければ別の操作を適用してみるという過程を繰り返していく。そして、次第に最終解決状態に至る操作の連鎖を見つけ出していく

※ヒューリスティック:ある問題を解決する際に、必ずしも成功するとは限らないが、うまくいけば解決に要する時間や手間を減少することができるような手続や方法

7.問題解決と、一般問題解決器について

問題とは初期状態と目標状態の差のことで,問題解決とは問題空間(人間のもつ問題の心的表象)を操作子(行動レパートリー)によって状態遷移してギャップを消失させていく過程のことである。ニューウェルやサイモンによる一般問題解決器(GPS)は,よく定義された問題について,まず問題を明確化し,記号化した上で,手段―目的分析や,ヒューリスティック法を用いて,その問題を解決していく過程を,コンピュータで記述したものである。後ろ向きの推論により計算量の爆発を回避する。

8.知識表象を示すネットワークモデルとは。その構造とメカニズムについて

人間のもつ知識が,どのように内的に保持されているのかを示す知識表象のモデルにおいて,現時点で最も豊かな情報を柔軟に表現できるモデルとして広く用いられているのが「意味ネットワークモデル」である。その一つの変形として,人の活動や出来事に関する知識を表象するモデルが「階層構造モデル」である。こうした一つの「ノード」が一つの概念や対象を示すと考える局所表現モデルに対し,複数の「ノード」で複数の概念・対象を表象すると考えるモデルを「活性拡散仮説」モデルと呼ぶ

9.知識の階層構造モデルと、それに対する批判

コリンズとキリアンは、概念の階層的な記憶構造を仮定した上で、特定の概念を主語とし、その概念の特性を述語とする文(例:カナリヤは黄色い、カナリヤはくちばしがある)を用いて、被験者に文の意味の真偽判断課題を行った。その結果、階層的なネットワーク・モデルにおいて、真偽判断のために検索されるリンクの数が多いほど、被験者の反応時間が長いことが見いだされ、モデルが支持された。しかし、それに対してリップスらは、連想強度の高いカテゴリー事例に関する文の方が、連想強度が低い場合よりも真偽判断の反応時間が短いことを見出した。キリアンのモデルでは、こうした連想強度などの効果をうまく説明できない。この批判を受けて、コリンズとロフタスが活性化拡散モデルを提唱した。

10.人のエラーのミスとスリップについて

「ノーマンNorman」によると,人のエラーには種類として「ミステイク」と「スリップ」があり,そうしたエラーの分析のためのモデルとして「淵モデル」が提唱される。ミステイクとは、正しく実行はできたが,計画自体が誤っていたものをいい、たとえば段ボールを切ろうとして鋏を使ったが、切れなかったという場合である。スリップとは、計画自体は正しかったが実行の段階で失敗してしまったものをいい、たとえば、カッターを取りに2階に来たのに、鋏をとってしまうという場合である。また、実行の途中で計画自体を忘れてしまったものはラプスといい、これはカッターを取りに来たのに、何しに2階に来たのか忘れてしまうというような場合である。

11.アフォーダンス

ギブソンの造語。環境が動物に提供する「行為価値情報」環境の中に実在している,知覚者にとっての行為の可能性についての情報。

12.Tulvingの「人の2種類の長期記憶」とそのあと明らかになった第三の記憶について

Tulvingは、長期記憶を、貯蔵される情報の種類によって分類した。第一に,過去の個人的な体験や出来事に関する「エピソード記憶」である。第二に,過去の経験に基づいて形成された一般的な知識や概念などの「意味記憶」である。そして、第三に,自転車の乗り方など、動作や習慣が身についているという「手続き記憶」である。H.M.という健忘症患者が,エピソード記憶を保持できないのに、知覚運動学習ができることが報告されたことから,「手続き記憶」の存在が判明した。エピソード記憶と意味記憶は、どちらも言葉にできる宣言記憶であるのに対して、手続き記憶は言葉にできない非宣言記憶である。

13.記憶の移植実験

Loftusが、記憶の人工的移植の可能性を示した実験で、蓋然性の高い事象について,想起の反復をすることで,活き活きとした詳細情報が獲得されてしまうというものである。実験参加者に4つのエピソードについてのメモを渡し,その中には実際にはないエピソードがひとつ含まれていたが、全てについて思い出して書くことを頼んだ。参加者は毎日4つの出来事を思い出す試行を繰り返していくうちに,「よく思い出せない」はずだった記憶が,生き生きとした描写になっていった。最終的に、実際にはない嘘のエピソードだったことを説明しても,新しく自分の過去の出来事として作り上げてしまったのである。日常場面でも,フラッシュバルブ記憶を繰り返し語ることによって生じる可能性がある。これにより,意識上での記憶体験は実際の記憶情報(潜在記憶)と独立していると考えられる。

14.両耳分離聴の実験について

Cherryによって行われた焦点的注意に関する実験である。まず参加者の左右の耳に、異なったメッセ―ジを同時に与え、一方の耳に与えられたメッセージのみを声に出して追唱するように求めることで、参加者の注意を一方の耳からの情報に集中させる。この結果、追唱していなかった方のメッセージに対しては、ほとんど記憶していなかったが、ピーという音には気が付いていたことがわかった。つまり、注意が向けられていない情報に対しては、声の変化などといった物理的処理が行われているが、意味的処理は行われていないということが示唆された。しかし、集中していないメッセージにおいても、自分の名前など熟知した刺激が含まれていた場合は気づくといった結果も得られている。

15.注意のモデル

Cherryの両耳分離聴実験を踏まえ、感覚記憶と短期記憶をつなぐ様々なモデルが考えられた。Broadbentは注意のフィルターモデルを提唱した。このモデルでは、処理する情報を選択するフィルターが仮定され、物理的特徴の処理などの低次の情報処理がなされるが、意味的処理など高次な処理は、フィルターを通過したもののみに行われるとされた。しかし、カクテルパーティ現象の説明ができないため、Treismanは、注意が向けられていない情報はフィルターによって完全に排除されるのではなく、弱められているだけだという減衰モデルを提唱した。また、Deutsch&Deutschは、すべての入力情報が高次なレベルまで完全に処理され、選択フィルターは反応の生成の直前に存在し、重要度に従って反応が決定されるという最終選択モデルを提唱した。

16.処理水準説について

Claik & Lockhart によって提唱された記憶に関するモデルである。このモデルでは、記憶痕跡の強さは、水準の深さに依存すると考える。つまり、文字の形などの形態的処理、文字の発音などの音韻的処理、そして文字の意味などの意味的処理の順に水準が深くなり、深いほど記憶痕跡が強固である。記憶痕跡が強固であるほど、その情報は忘却しにくくなると考えられる。Craik & Tulvingは様々な方向付け課題を用いて、処理水準説を実証したが、記憶課題の種類によってはあてはまらないものの存在も報告されている。モーリスらの実験では、学習段階でどの水準の処理を行うかは、テスト段階においてどの水準の処理が要求されているかに依存することを証明している(→転移適切性処理)

17.干渉説について

干渉説は、記憶を条件付けの仕組みで説明し、条件付けで形成された連合が、拮抗する連合によって消去される過程、すなわち忘却を説明したものである。Jenkins & Dallenbachの実験では、二人の大学生に10個の無意味綴りを暗記させ、一定時間眠っていた場合と起きていた場合の忘却の程度を比較した。その結果、起きていた場合の方が眠っていた場合よりも忘却の程度が著しかった。これは、起きていた時の方が精神活動が活発であったため、より多くの干渉が生じたからだと考えられる。干渉には順向抑制と逆行抑制があり、前者は先に学習したことが後の学習を妨害すること、後者はその反対である。干渉の効果は、先行学習と後行学習の内容の類似性や学習量に依存する。

18.符号化特定性原理について

覚えるべき単語などの焦点的情報は、文脈とともに符号化されるため、符号化時と検索時の文脈が一致していれば、それを検索手がかりとして利用できるため、検索しやすいという理論で、タルヴィングが提唱した。そのうちの環境(的文脈)依存効果とは、符号化時と検索時で環境的文脈が一致している場合をいう。Godden & Baddeleyの実験では、スキューバダイビングクラブの学生に、水中または陸上で単語リストを記銘、再生させたところ、記銘時と再生時の環境が一致しているほうが再生成績がよかった。また、気分状態依存効果は、符号化時と再生時で感情状態が一致している場合をいう。

19.プライミング効果について

プライミング効果とは、先行刺激であるプライムの処理が、後続刺激であるターゲットの処理に影響する現象で、間接プライミングと直接プライミングに分類される。前者はプライムとターゲットが同一でないときをいい、短時間の間に追提示したときに、意味的関連や音韻的関連が存在する方が、無関連な時と比較して、ターゲットの認知が促進される。後者はプライムとターゲットが同一の場合をいい、長時間空けて追提示したときにターゲットの認知が促進される。プライミング効果は知覚同定課題や単語完成課題によって確認される。

20.階層的ネットワークモデルについて

コリンズとキリアンによって提唱された概念的表象についてのモデルである。各概念は一つのノードで表され、各ノードはカテゴリの抱合関係に基づいて階層的に体制化され、リンクで結合されてネットワークを形成していると考える。例えば、「鳥」というノードは「カナリヤ」「ダチョウ」といったノードとリンクで結合している。これは、文の真偽判定課題によって検証され、ノードとノードの水準の違いが大きいほど反応に時間がかかる。例えば、「カナリヤは鳥である」という文と「カナリヤは飛べる」という文は、後者の方が反応に時間がかかる。しかし「犬は哺乳類」という文より「犬は動物」という文の方が反応が短いという階層的構造を否定する結果や、典型的なものの方が認知が速いといった典型性効果が明らかとなった。その後コリンズとロフタスによる意味的ネットワークモデルにつながった。

21.偽りの記憶について(記憶の植え込み実験)

実際には起こっていない出来事を、あたかも実際に体験したように誤って想起してしまう記憶のことで、ロフタスによる実験が有名である。本当のエピソード3つに、ショッピングモールで迷子になったという虚偽のエピソードを加え、ある少年に繰り返し想起して書いてもらうように教示した。少年は当初虚偽のエピソードを否定していたが、5日間繰り返すうちに本当の話だと思い込むようになってしまった。実験終了後に虚偽のエピソードだったことを伝えてもそれは変わらなかった。このように、偽りの記憶は、エピソードの蓋然性が高いとき、何度も反復して想起することで形成されやすくなる。形成された記憶は鮮明で、詳細情報が獲得されるようになる。しかし、その後の実験で、真実の出来事と比較すると思い出されにくく、鮮明度も低い可能性が示唆されている。

22.心的回転(メンタル・ローテーション)について

心の中に描いたイメージを回転変換する認知機能。シェパードとメッツラーの実験が有名である。立方体ブロックを3次元に結合させて作成した物体のペアを見せて、同じ物体か判断させる。同じ場合は、ある角度まで回転させると一致するようになっており、回転角度を変化させて反応時間を計測した。すると、回転角度が大きいほど時間がかかることがわかった。心的回転は右大脳半球がつかさどり、男性の方が成績が良かった。イメージは命題なのか、絵画的なのかという「イメージ論争」に大きく貢献した。

23.特徴統合理論

トリーズマンが提唱した。視覚情報は色や運動方向など異なった特徴次元で処理され、別々に作り上げられた表象を、集中的注意を用いて統合する、という理論である。1つの特徴手がかりで対象を見つける特徴探索の課題では、対象がポップアウトするが、複数の特徴手がかりの組み合わせで対象を見つける結合探索の場合は、対象は逐次的に処理されることがこの理論を支持している。

24.TOT現象(tip of thetongue)

ブラウンとマクニールが提唱。ある単語について既知感があり、その単語の一部分や似た意味・音を持つ単語を思い出せても、その単語は再生できない現象。

25.転移適切性処理

学習段階で行った認知処理とテスト段階で行う認知処理の類似度が高いほど、記憶成績がよくなるという原理である。モーリス、ブランスフォードとフランクスの実験では、様々な方向付け課題を用いて、記憶課題を行い、学習段階では提示された単語の音韻に関する質問や、意味に関する質問が与えられ、参加者はYesかNoで答えた。その後、再認課題と韻の再認課題が行われたところ、前者は意味の条件の方が成績がよかったが、韻の再認課題では音韻条件の方が成績がよかった。つまり、どのような学習が有効であるかは、何のために学習するかを考慮に入れて評価すべきである。

26.チャンクとチャンキング

長期記憶内の情報を用いて、個々の刺激をより大きな単位に再符号化することをチャンキングといい、チャンキングによって得られた単位をチャンクという。バラバラの10文字を1チャンクとして覚えたのであれば、平均してあと6チャンクは覚えられる。ミラーはこのようなチャンクという谷で測定されるメモリスパン以外に、視知覚の範囲等でも共通して7±2という限界があることを見出し、これをマジカル7±2と呼んだ。最近はチャンク間の関係性も考慮に入れ、7±2より少ないことが主張され、マジカルナンバー4が提唱されている。

27.活性化拡散仮説

コリンズとロフタスによる、人が何かを考えたり、連想したりする際のプロセスを説明するモデルである。ある概念はノードで表され、ノード同士は関係があるとリンクが引かれる。リンクの線の長さは関連性の強さを表す。このモデルでは概念の活性化と拡散というプロセスがあることが仮定されている。ある概念が提示される、ある概念を考えるなどすると、対象となった概念が活性化する。続いて、ある概念の活性化はリンクに沿って別のノードへと拡散していく。たとえば、赤という単語を見たとき、消防車、火、リンゴなどといったように活性化が拡散していく。つまり、赤という単語を見たときは、それらの単語が思い浮かびやすくなると考えられる。

28.DRMパラダイム

虚記憶を生起させる方法として頻繁に用いられる方法で、Deeseの行った実験パラダイムをもとに、RoedigerとMcDermottが発展させたものである。おもに単語が呈示される学習段階と、学習した単語に対する記憶テストが行われる検索段階の2段階から成る。学習段階では、単語リストを呈示し、学習者に覚えてもらう。記憶テストでは、学習した単語を順序に関係なくできる限り思い出してもらう。その特徴は学習する単語リストの構成にある。呈示されるリスト語は、クリティカル・ルアーCLと呼ばれるある単語と非常に関連の深い単語であり、ある特定の、呈示されることのないCL語と意味的に関連の深い複数のリスト語が呈示されるという形式をとる。その結果、実際に学習したリスト語と、CL語は同程度の割合で誤って思い出された。

29.イメージ氾濫

実際に自分が行っていないはずの行為であっても、その行為を行っている姿をイメージさせることで、自分が行ったとして思い出すこと。ゴフとローディガーにより示された。

30.事後情報効果

ある出来事を経験した後、その出来事に関する情報(事後情報)を受け取ることにより、経験した出来事の記憶の正確さが低下したり、出来事の想起が、受け取った情報に沿った形になって誤ってしまうこと。目撃証言の領域で重要である。ロフタスらの実験で、事後情報で誤った情報が与えられた場合、目撃した出来事の記憶が損なわれ、事後情報に沿った方に報告をしてしまったことが示された。

31.検索誘導性忘却

本来想起したい項目と関連した項目を想起することで、結果的に想起したい項目が抑制され一時的に忘却されるという現象。