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【最新作云々⑫】黒人音楽という”禁断の果実”を白人へと広めたスーパースターは金色夜叉によるマネジメントで世を席巻し、生の実感を希薄にしていった... 傑物の孤独と経済ヤクザの権謀が渦巻く一大ミュージカル映画『エルヴィス』の煌めき
結論から言おう!!・・・・・・・こんにちは。( ´ ▽ ` )
この時期、学生は期末試験のシーズンですが、高校時代の今ぐらいの時分に深夜のローカル局で放送されていたアニメ映画『幻魔大戦』を初めて観たのを思い出した、O次郎です。
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強烈に80年代を感じさせるシンセ基調の劇伴もマッチしてるのかミスマッチなのか微妙だが良い。
ベガを演じた江守徹さんが特に印象的だった。
そっから気になって原作小説買い漁ったんだけど、
途中から学生たちの宗教的熱狂を描く真逆の展開に入ってったのはビックリしたなぁ。
今回は最新公開映画『エルヴィス』です。数週前にTBSラジオ「たまむすび」のコーナーで町山智弘さんも紹介されてた大作ミュージカル映画です。
全くエルヴィス世代ではなく、遡ってハマった経験も無いので予備知識ほぼ無し。3時間近い尺なので生い立ちから丁寧に足跡を描いてくれるのかと思いきやそこはハッタリの得意なバズ=ラーマン監督、大胆に"起"はカットしてエルヴィスのアキレス腱だったパーカー大佐との出会いから始まり、自由に愛のままに羽ばたこうとするエルヴィスとそれを制御しようとするパーカーとの腐れ縁、栄枯盛衰を華々しく描いていて、その過剰で繊細な半生を追体験させてくれる。
上述のようにエルヴィスの触れずに来たおじさんとしての鑑賞なので、その向きの感想として読んでいっていただければ之幸いでございます。
それでは・・・・・・・・・・・・フロイ!!
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預言者のビジュアルも不気味ながら声が美輪明宏さんの中世的なそれだったので
のっけから浮世離れした不穏な画だった。
Ⅰ. 作品概要
まずもってこの物語の恐ろしいところは、エルヴィスのマネージャーにして稀代の詐欺師であるトム=パーカー大佐が一面的な絶対悪として描かれていない点です。
一般的な取り分の10~15%を大きく超えた50%も搾り取り、己のギャンブル依存での借金を埋めるためにエルヴィスをラスベガスに縛り付けて海外公演を打たせず、過去の楽曲の権利を勝手に売却し、長年の彼からの搾取に憤懣の溜まったエルヴィスから解雇を突きつけられるとすぐさまこれまで自分が立て替えたと主張する法外な金額を請求して立場を逆転させる…。
一方で母親の死に打ちひしがれるエルヴィスに寄り添って立ち直らせ、黒人音楽とそのパフォーマンスに忌避間を示す白人層を納得させるためにエルヴィスを抑えようと四苦八苦し、アンチ層までをも取り込む飽くなき商品化でエルヴィスに巨万の富をもたらす…。
エルヴィスをスターに仕立てながら同時に金満による孤独を加速させ、外殻こそ絢爛豪華ながら海外に飛び立てず画一的なステージにファンからの愛もファンへの愛も満足に感じられない不感症状態に追いやってしまった経緯は、まさに良い点悪い点が同居して容易に切り離せず、現状がマズいことは自覚しつつも逃れられないという悪魔、もっと下世話に言えばヤクザとの付き合いのようです。
現実の悪い人というのはまさにこういう形で搾取対象を煙に巻き、相手の批判を転じて自己の正当化に持っていきますが、その手法が史上最も売れたアーティストであるエルヴィスに対しても行われており、パーカーという人物が非常にリアルな悪漢として感じられて一方ではなんとも気持ちの悪い思いでした。
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それに対するエルヴィスですが、家族・ファン・バンドメンバー(ここに関しては描写がオミットされて薄かったけど…)、そしてパーカーに対してすらも愛の深い人物であったことが感得させられます。
その貧しい出自から南部の黒人地域で育ち、黒人音楽をソウルとした彼ですが、その自身の音楽が爆発的に支持されていく中で初々しい戸惑いを見せることはありますが、本質的には金のために音楽をやっていた訳ではなくあくまで愛を込めて歌を届けたい人物であり、その純粋さゆえに金にも愛にも禁忌を持ち得なかったのではないでしょうか。
彼はソロアーティストでしたが、仮にマネジメント方面にパーカーのような悪魔が居なかった或いは彼を放逐したとしても、彼が巨万の富を生むドル箱である以上、ビジネスの"2:6:2の法則"のごとく、バンドメンバーやビジネスパートナーの中に金やプライドを巡って新たな不和を生む人物が生まれていたであろうことは容易に想像できます。
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フレディ・マーキュリーの自身のソロ活動やその強烈な個性と奔放さが
バンドメンバーとの不和の象徴として描かれていた
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リードヴォーカルのフランキー=ヴァリばかりフィーチャーしようとする
マネジメント側とそれを受け容れるメンバー側で溝が生まれ、
四人が純粋に音楽を生み出せないジレンマに。
エルヴィスにとっては成功と破滅の両方の原因であるアキレス腱がパーカーであったというだけで、世のあらゆるスター、それも急速に売れた傑物は必ず身内に火種を抱え、やがて腐敗していくものかと考えるとなんとも暗澹たる思いです。
彼の音楽方面に疎いのもありますが、ミュージカル映画だけあって要所で様々な力強いナンバーが流されているにもかかわらずこの”身内に潜む悪魔”の蠱惑的な恐怖を強烈に印象付けられるのはやはり、監督のバズ=ラーマンの手法ゆえかと思います。
Ⅱ. 監督とキャストについて
監督 - バズ=ラーマン
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たぶん個人的に最初に観た同監督作はコレだったはず。
主演二人のアイドル映画然としているが、そのあまりの華美さで
日本でいう”百円札を燃やして靴を探させる”成金ぶりを端的に揶揄しているのはさすが。
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19世紀末の物語の中でビートルズやマドンナが聴けるスゴさ。
トム=クルーズと離婚してサイエントロジーから解放されたニコール=キッドマン珠玉の微笑み。
主演のエルヴィス役のオースティン=バトラーは喋り方・佇まいも含めて堂々たるものだったんだけど、過去のフィルモグラフィーが未だ代表的なものが無かったのが以外……どうやらこれまではTVがメインだったのね。
パーカー大佐役のトム=ハンクスは自分の世代だと『フォレスト・ガンプ/一期一会』と『プライベート・ライアン』のイメージが特に強いです。今回は珍しく悪役ということで、歳を重ねたその好々爺感がなおのこと飽くなき金色夜叉ぶりとのギャップを強調して絶妙な厭さでした。
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「松本ガンプ」ってパロディーが有ったような・・・。
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テレビ放映で家族で観てたら冒頭の上陸作戦のシーンで
母親が悲鳴上げて撤退していった記憶…。
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冷戦下でソ連軍の捕虜となった米空軍軍人解放のために奮闘する弁護士の物語。
近年作品では個人的にぶっちぎりで本作が良かった。泣いちゃった。(。・ω・)
Ⅲ. まとめ
幼少期のエルヴィスが黒人音楽の薫陶を受けたのはテネシー州メンフィスとのことですが、当地はブードゥー教が身近だそうです。
それからすれば、エルヴィスをスーパースター歌手に伸し上げる契約の代償として生涯の隷属を約束させた悪魔パーカー、ということでしょうか。
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というわけで今回は『エルヴィス』について書いてみました。
上述のように、エルヴィスとパーカーの愛憎劇にばかり意識が向いてしまったので、二回目に観ることがあればきちんと音楽造詣にも思いを馳せたいところです。
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ブルース、ゴスペルのオールディーズがわんさか。
バズ=ラーマン監督作はもとより、ミュージカル映画にどうにも疎いので、新旧のおススメ作品ございましたらコメントいただければ之幸いでございます。
今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・どうぞよしなに。
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誘っても~ くれない~♪"
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