【筋肉童話】金のバーベル、銀のバーベル

昔々ある男が川のそばでバーベルスクワットをしていました。
ところが男は手を滑らせ、持っていたバーベルを川に落としてしまいました。
男は困ってしまいシクシク泣きました。
バーベルがないとバーベルスクワットが出来ないからです。

すると川の中から背中に鬼の顔を持つほどのマッチョが現れ、ぴかぴかに黒光りする身体でぴかぴかの金のバーベルを見せました。

「お前が落としたのはこのバーベルか?」
「違います、わたしが落としたのはそんなに立派なバーベルではありません」

すると黒光りマッチョは、次に銀のバーベルを出しました。

「では、このバーベルか?」
「いいえ、そんなに綺麗なバーベルではありません」

「では、このバーベルか?」
黒光りマッチョが三番目に見せたのは使い古した薄汚れたバーベルでした。

「そうです!拾ってくださってありがとうございます!」
「お前は正直な男だな」

黒光りマッチョは男の素直な心と未熟ながらしなやかさのある筋肉に感心して、金のバーベルも銀のバーベルも、お気に入りのチョコ味のプロテインも男にくれました。

喜んだ男がこのことを友達に話すと、友達はうらやましがって「俺も金のバーベルをもらってこよう」と、さっそく汚いバーベルを持って川へ出かけました。
そして、わざとバーベルを川に投げ込みシクシクと嘘泣きをはじめました。

そこへ黒光りマッチョが現れ、ぴかぴかの金のバーベルを見せました。

「お前が落としたのは、このバーベルか?」
「そうです!金のバーベルを川に落としてしまったんです!」

すると、とたんに黒光りマッチョは目をつりあげて「この嘘つきの欲張り者め!!」と怖い顔とオリバーポーズで怒鳴ると、川の中へ戻ってしまいました。

嘘つきで欲張りな友達は、自分のバーベルも返して貰えず、いつまでも川のそばでわんわん泣いていました。

これがゴールドジムの起源です。


※2017年11月30日深夜のツイートをひとまとめにしたものです。
※実在の人物や団体などとは関係ありません。


閲覧ありがとうございます。 いただいたサポートは交通費かチュールかうどんに使いたいと思います。