ルックバック / 藤本タツキ
2度目の読了。
ジャンプ+で読んでからどれくらい経ったかのかな。
単行本を買って読み直した。
初めて読んだ時はめちゃくちゃ感動したのを覚えていたけど結構経つからかラストとかあまり覚えてなかった。
言語化してないことは忘れてしまうんだろうなと反省。
以下は物語のラストをまとめたもの。
その後に感想的なものを連ねる。
めちゃくちゃいい漫画だしジャンプ+で1度目は無料で読めるので是非とも読んでみて欲しい。
以下ネタバレあり。
最終的に京本が通り魔に殺害されてしまって藤野がショックで漫画が描けなくなってしまうのだけれど、亡き京本の家を訪ねた藤本が2人が出会うきっかけとなった4コマ漫画を破り捨ててしまう。
すると、不思議なことにその破り捨てた4コマ漫画の紙片が別の世界線の小学生の京本の部屋に届いてしまう。
それをきっかけに紙片が届いたその世界では藤野と京本が出会わないストーリーへと変わっていく。
この2人が小学生時代に出会わないことで事件の日に通り魔に襲われていた京本を偶然にも居合わせた藤野が助けることになるのだが、それをきっかけに藤野と京本は時を越えてお互いがかつての同級生であったことを知る。
生存した京本は藤野に通り魔から助けられたことを4コマ漫画として描くのだが、また偶然にも風に飛ばされて部屋の扉をすり抜け、元の世界線の藤野の元に届く。
4コマ漫画を不思議に思った藤野が部屋に入ると本棚には藤野が1人で描いた藤野キョウ名義の漫画と4コマ漫画の用紙、そして小学生時代に京本へ書いた藤野のサインが入った上着を見つける。
そして回想シーン。
京本が藤野に対して「面倒臭いと思っているのになぜ漫画を描くのか?」と尋ねる。
その後は台詞などテキストは無くイラストだけが描かれており、そこには小学生時代から高校卒業までの藤野と彼女が書いたネームを読む京本の姿。どれも京本が藤野のネームに感動したり笑い転げていたりする。
最後は京本の部屋で自分の描いた漫画の最新刊を泣きながら読む藤野の姿。
最新刊の最後のページには「このつづきは12巻で!」と書かれている。
そして京本の部屋から立ち去り自分の部屋へ戻ると机に向かって漫画の続きを描く藤野の後ろ姿で終わっている。
これより下は考察・感想。
つまるところ、小学生時代に2人が実際に出会ってようといなくとも4コマ漫画を通じて京本が藤野を憧れとして見ていたこと、藤野の「背中」を見ていた・追っていた事実は変わらなかった。
京本生存ルートの世界線では藤野は京本にまた漫画を描き始めたと語っているしアシスタントになってくれと言っている。作中には描かれていないが藤野が事件現場に居合わせたのは京本の作品を見て作者を尋ねに来た…と想像するとこの後も2人で漫画を描くのかもしれない。
2人とも出逢うのは運命付けられていたのかもね。
また、藤野は自分が漫画を描く理由は自分よりも実力のある京本の存在があったからだと気がついているようだ。
藤野の「京本よりも上手くなりたい」という憧れ、というよりは対抗心のようなものが彼女を京本の「背中」を追わせた。そして虚勢ながら自分に憧れを寄せる京本に背中を見せてきたこと。
それらが藤野の漫画を描く原動力になっていた。
最終的に藤野が漫画を描き続けようと決意したのはきっと亡き京本に漫画を描き続ける背中を見せ続けたいと思ったからじゃないかな。
そしてお互いにお互いの憧れであったという関係性。
めちゃくちゃグッとくる。おわり。
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