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4月の終わりに

もうすぐ季節が一周してくれるおかげか辛い思い出もしっかりと上書きされてくれたような気がする。季節の香りは私を殺し続けたけれど、ようやくそれも終わり。
辛さを辛さで塗り替え続けた代償は大きかった。恋ならまだしも絆を壊し続けて得たものは、一時逃れの安らぎ。本当の意味での安堵を知らない私はそれが正解だと言い聞かせていた。
この1年間、安堵しかなかった私は、もう、思い出す事もなくなるのだろう。「この季節は」とか「この景色は」とかいう類の言葉は、全てポジティブな意味となる。
季節が一周する、とは、そういう事なのだ。

猫の餌代を恵んで下さると幸いです