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2020上半期ベストてきななんちゃら

気が付けば2020年も半年終わろうとしてますが、私はこの半年間いったい何してたんだ。
Covid-19により虚無な自粛において酒に逃げてばかりでもうだめだ、、アババみたいな感じでしたが、ありがたいことに音楽はライブが消えど音源リリースはあります。
サブスクとかで気軽に気になる音楽、知らん国のヒットチャートにある現地の音楽とかに触れられるのは良いことですね。
順不同でいくつか好きなの上げてきます。

Caribou/Suddenly

Swim以降フォークトロニカから、よりフロア寄りな歌ものエレクトロニックサウンドを押し進めてきた中でも最高到達点ではないだろうか。
アルバム全体がDan Snaith自身のボーカル。
パーソナルな感じに包まれてるけども、急にラップ入ったりする曲の展開や雰囲気の拡がりが眩しくポップで愉快。
先行ででたHomeがとにもかくにも好き。

Ray/Pink

水色の水面と並べるとなんか良い。Rideのあれでも良いけども。
90年代オルタナフレーバー詰め込んで、シューゲイザーもIDMもドリームポップやらその手のものが好きな人のツボに刺さる楽曲群。
前作のシングルのBLUE収録曲やドッツのカバーも詰め込んで、トータル一時間越えで散漫になりそうだけど、曲順の流れがちゃんとしっくりきて通して聴けるのが好感持てる。
自粛期間のGW(ガッデムウィーク)中に散歩しながらひたすら聴いてた。

U.S. Girls/Heavy Light

懐古的なディスコやガールグループのキャッチーで甘い感覚と、どこかしらに痛みの感覚があるMeghan Remyの歌声がひたすら染み入る。
20人のミュージシャンが参加してるそうで、各曲の独立性とカラーが飛び抜けてる。
一曲目イントロの引き込みが最高に好き。
ポップソングの枠をはみ出さず拡張してるアート感のバランスが凄いなぁと思うのであった。

DJ Python/Mas Amable

ディープレゲトンを自称してる人の二作目。
各トラックがシームレスに繋がってるので、アルバム全体でひとつの長い曲のようにも聴こえる。KLFのChill Out的なアレだ。
一定するリズムに乗せられるフィールドレコーディングやシンセのフレーズがたゆたうトリップ感を誘うけど、ドラッギーな感じでなくあくまで自然派である。
アルバム終盤のLA Warmanをフューチャーしたボーカルトラックが異質さと白昼夢感をブーストさせてくる。
上半期出たエレクトロニック音楽の中でもかなり好みなテイストだった。

Pink Siifu/Negro

タイトルやジャケットからして不穏だが、アルバム冒頭からノイズが響きローファイなまま、どかどかとラディカルラップへとなだれ込む、不穏だ。
ノイズラップというよりハードコアやジャンクといったワードが思い浮かんでくる。
全体的に不穏で物騒な怒りに満ちてるのは、昨今のBlacklivesmatterへと繋がるムードな気もする。知らんけど。

Against All Logic/2017-2019

Nicolas Jaar別名義。
本体の方でも上半期リリースしてたけど、テクノ路線強めにエモいこちらの方がやはり好みである。
前作よりボーカルカットやソウルネタ使いが減って、フロア向けなトラックが多くなってる印象。
サンプルやループの使い方や低音のざらつき方がハードな感触でいいんじゃないでしょうか。

Jay Daniel/SSD

全然知らんかったデトロイトのトラックメイカーのEP。
Theo Parrish のレーベルからデビューしたとか(そうなんや)。
いかにもデトロイト~~な黒さのあるフューチャージャズやスペーシーなシンセの音使い、レイドバックブレイクビーツが気持ちいい。
ジャケット通りに夜中に野外でぼんやり聴いていたい。

India Jordan/For You

イングランドのDJプロデューサーのEP。
上半期ベストダンストラックであるタイトル曲のFor Youが多幸感とノスタルジアに溢れて最高。
フレンチハウスっぽい声ネタの使い方や健全なレイヴ感が親しみやすい。
自身をノンバイナリーとカミングアウトしてたり、トラックに内省的なセンスもってくるのが今時な気もする。

Boldy James/The Price Of Tea In China

デトロイトのラッパーがAlchemistとタッグで作ったアンダーグラウンドストリートヒップホップ。
タイトルはそれ話になんの関係あるの?みたいな意味のイディオムだとかなんとか。
全編通してドープだけど、アングラのドロドロした雰囲気より耳馴染みの良いフロー感がひたすら流れてくのがいかす。
わりとキャッチーさと癖のなさ備えてるんで広く聴かれていいアルバムだと思う。

Yaeji/What We Drew

タイトルにWeとあるように色んな人とのコラボレートにより作り上げたアルバムだそう。
中心的にあるのはYaejiの耳に優しい声だったり、リズムパターンの幅広さ。
IDMだったり、ベースだったり感触は多彩だけど、声ネタの使い方がキャッチーで独自のポップ感がある。
個人的にはEllen AllienのBerlinette思い出す、インテリジェンスなエレクトロニック音楽って印象で大変に好みな一枚だった。

Jay Electronica/A Written Testimony

Eno&Frippをネタ使いしてることから顕著だけどアンビエント感とかレイドバックしたトラックにのるラップが心地よい。
イスラム文化が下地にあって、半ユダヤ的な意見もあったらしいけど、Kobe死去後に作られたトラックなど上半期のヒップホップアルバムの中でも存在感がずば抜けてる一枚であることは疑いようない。


R.A.P. Ferreira/Purple Moonlight Pages

タイトル通りに黄昏時から夜中に聴くとしっくりくる、ジャジーテイスト。
リリックの刻みかたにしろ、トラックの作りにしろ肩肘張ってないリラクシングムードとフローの具合が耳馴染みよくて好き。

Space Ghost/Free 2 B

Ghostlyの人のDJネームと被ってるけどこっちはオークランドの人で関係ない、、はず。
ミニマルファンクやシカゴハウス系っぽい感じも乗せてるメロウ系なアルバム。
女性ボーカル歌ものとかも入ってて、甘めの感覚が取っつきやすくて、気持ちいい。
Toro Y MoiとかNeon Indianみたいなチルウェイブっぽいの好きな人にもお薦め。

Soakie/Soakie

ジャケットのピエロが不気味キモくて良いね。
ニューヨークやメルボルンの人らで構成されてるパンクバンドのデビューEP。
ひたすらハイトーンで突き進むボーカルとテンション落ちない焦燥感は、なんとなくかまってちゃんにも聴こえたり、聴こえなかったり。
ジャケのピエロよろしくファニーさとパンキッシュな切れ味がささっと短い時間に詰まってる、ハードコアパンクが短いのは良いことだ。

サニーデイ・サービス/いいね!

体制変わって打ち出してきた13作目。
結構な年数レコードを出してる中でも、フレッシュさが眩しい。基本はギター、ベース、ドラムのシンプルな構成に曽我部さんの歌声が乗っかってくる音場の親しみやすさが凄い好き。
今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかなって歌い出しに顕著なように、どこかしら後ろ向きなフレーバーが出てくるけど、ドロドロした感じでなく乾いたポップさと9曲35分というコンパクトさは軽快ですらあって最高。

代代代/∅

大阪のグループ。新体制になってからは初作。
自分は出雲新規なのでリアルタイムでリリース迎えたのが初めてっていうのでまず嬉しいんだけど、それまでのコア系、インダストリアル的なアプローチから音のテイストより広げてきた印象。
13分声のボロノイズのインパクトが目を引くけど、既存曲の新録やら、今までで一番多彩で間口が広い気がする。

力尽きたので以下羅列
kZm/Distortion
buscabulla/Regresa
Denite/Green Cat
Perfume Genius/Set My Heart On Fire
Fiona Apple/Fetch The Bolt Cutters
Desire Marea/Desire
Run The Jewels/RTJ4

下半期も頑張って生きたい