愛するということ/エーリッヒ・フロム レビュー

画像1

はじめに

いつもはその週に発売した新しいアルバムの感想を簡単に書いているが、たまには自分が読んだ本についても内容を忘れないため&記憶の定着のために感想や内容の要約などをしていきたいと思う。
他の投稿と同じようにはじめに目次を書いていく。
下記目次に沿って紹介していく。
・著者の概要
・「愛するということ」の要約
・「愛するということ」読破の感想

・著者の概要

エーリッヒ・フロム(1900〜1980)は、ドイツの社会心理学、精神分析、哲学の研究者である。代表作として『自由からの逃走』が挙げられる。

・要約

本書では、「愛する」ということについて下記4つの章に分けて論じている。
・愛は技術か
・愛の理論
・愛と現代西洋社会におけるその崩壊
・愛の修練

それぞれの章にて論じている内容についても紹介していく。

・愛は技術か
この章では本全体のテーマである「『愛する』ということは技術である」という前提のもと、なぜ「『技術』と言えるのか」を論理的に説明している。
そして、『技術』と言えるのであれば、それを習得にするには『技術ということを知る』ことに始まり、『理論を学習』し、『技術の修練をする』必要があると述べている。また、技術を習得するにあたり、最も重要なこととして、『自分にとって究極の関心事にする』を挙げている。

・愛の理論
この章では「愛は技術か」で記載した通り、『愛する』という技術を習得するにあたり、愛について学習する必要がある。
具体的には下記のようなことを説明している。
・なぜ「人」を「他人」を愛するのかを人間の本質部分から切り込んで説明している
・「未熟な愛」、「成熟した愛」とは何かを説明している
・人が生まれてから最初はどのような愛を受け、その後どのように愛していくかを説明している
・母親から受ける愛と父親から受ける愛にはどのような違いがあるのかを説明している
・「愛する」という行為は対象によって愛し方が異なるので、対象を「兄弟」、「自分の子供」、「異性」、「自分」、「神」に分けて説明している

・愛と現代西洋社会におけるその崩壊
愛する能力は社会が一般の人々に及ぼす影響に左右されるが、現代の西洋社会が愛の発達を促すものではないと冒頭で断言している。どれはどのような根拠に基づいて断言しているのかをこの章では説明している。

・愛の修練
この章では今まで説明してきた「愛する」ということがどうすれば実行に移せるかを記載している。
と言っても具体的に「こんなことをしよう」ということではなく「このような心構えを持って行動すれば愛することができるようになるでしょう」と言った、考え方やマインドについて説明している。

・「愛するということ」読破の感想

そもそも「愛」について考えたことはあるだろうか。私はない。この本を読む前に少し考えたが自分の過去の恋愛などを思い出して「当時好きだった人がいた時はこんな感情だったなー」というようなことしか浮かばなかった。
この本を読んで、「愛する」と「恋に落ちる」は全くの別物であることがこの本を読んで思い知らされた。読了前に思い出していた「当時好きだった人への感情」は、ただの「恋」で、決して愛していたわけではないのだなと思わされた。ただ単に好きな人と運よく付き合うことができたとして好きという気持ちだけでは長い付き合いをしていくのは難しい。月並みな表現だが「いかに相手を思いやることができるのか」が非常に重要である。そこまで自分は考えていなかった。
自分は思いやりのある方だと思っている方も多いと思うが、その思いやりは本質的な思いやりなのか。ただの自己満足ではないのか。そんなことを問いかけられているような気がした。
今は恋人に対する「愛」についてのみ言及したが、友人、家族、その他関わる全員に対して、「愛」を持って接しているのか。この本を読んで、それを今一度考え、是非とも周りの人に「愛」を持って接して欲しい。そうすれば、より良い関係を築き、人生が豊かになるとはずだと私は思えた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?