4月。

4月。人事異動の季節だ。

私は就職してから、ずっと同じ部署で仕事をしている。もう6年になる。内示の日は、そろそろ私の名前が挙がるのではと、緊張しながら迎えるのだが、肩透かしをくらうというのが、ここ最近のパターンだ。

この4月の内示が出る日もそうだった。異動が決まった時のために挨拶なんかも軽く考えていたくらいだが、私の名前は挙がらなかった。私が今の部署で仕事をしつづけている間に、何人もの人を見送ってきたし、何人もの人を迎えてきた。そして、この4月に迎える上司は、私の人生最初の上司である。一度見送った上司を、またお迎えするのである。

今まで色んな上司と仕事をしてきたが、私が新人だった頃の上司、つまりは4月から2度目の直属の上司となるその人は、一番厳しい人であった。そのお蔭で成長できたこともたくさんあったと思うし、感謝もしているのだが、今の私は、ただ怯えている。そして反省している。

・・・私、その上司を見送ってから、成長してこれただろうか。

毎日それなりに、必死に、真面目に働いてきたつもりでいた。上から評価されるために必死になっている人もいたりして、そのために、ちょっと踏み台にされるようなこともあったような気もして、ちょっと精神的に厳しいなと思うこともあったように思う。それでも、なんとか目の前のやるべきことをこなしていた。こなしていた。ただ、こなしていただけだった。

本当はもっと、自分にできることを考えて、行動しなくてはならなかった。環境に甘えていた。

もう今からジタバタしても仕方ないな。
例の上司には見透かされてしまう。腹を括って4月から頑張ろうと思う。


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