2020年、私の身の回り。

2020年。

昨今のコロナ禍で苦しいのはもちろん音楽業界ではないということを大前提に、 

今日は私のいる環境の現実と個人的に思っていることを伝えさせていただこうと思う。


皆さんがご存知の通り昨年の春、
アーティスト活動にとって大きな柱であるライブやフェスが続々と中止となり、各所で地獄を見た。

PerfumeやEXILEなどのドーム級のアーティストが開演間近に中止を決めたが、その損害額も計り知れない。もちろんその他のアーティストもだ。

そして、ライブを生業としていたミュージシャンや演出に関わるスタッフの仕事が一気に無くなり、
ライブハウスが続々と閉店していく模様も皆さんもTwitterで心が痛いほど目にしただろう。

一方そんな状況のなかで、配信ライブは一見それに代わるものと思われた。

元々予定されていたイベントを急遽無観客オンライン開催へと切り替えたり、普段大きなステージでしか観られないアーティストがSNSなどの無料プラットフォームで自宅からライブをしていたり、
こんな時でしか聴けない貴重な音楽に心救われた人もたくさんいるだろう。

特に後者の場合、ビジネス的な策略は一切なくアーティストの純粋な"こんなご時世だからこそ音楽を届けたい"という気持ちから発信されていたと思う。

しかし悪い言い方をするならば、農家の人が自分の畑で栽培した野菜を無料で全国民に配っているのと同じだ。

では果たして、配信ライブが本物のライブの代わりになっているのかというとどうだろう。

私的な答えは"ノー"だ。

その理由は色々あるが中でも、大きく3つの問題点があると考える。

①環境的問題
当たり前の話だが、本来ライブは空間にお客様がいることで成り立つものであり、お客様の反応無しでは、一方通行の発信でしかない。
ノーレスポンスで最大のパフォーマンスをすることはできないだろう。

②音質的問題
ライブに行ったことある人であればわかるだろうが、アーティストのライブは音が身体中に鳴り響くくらい、厚く大音量で行われる。
各ライブハウスやドームには高性能で大きなスピーカーがあるからだ。
技術が発達しているからといっても、その音たちを線何本かで接続した配信で再現することはできない。

③収益的問題
配信ライブをするためには、プラットフォームに繋げる機材やスタッフの手配が必要である。
ライブハウスで行う場合、その費用は通常のプラスオンだ。
しかし、それとは裏腹に我々はYouTubeなどライブ映像を"無料"で観ることに慣れている。
そうすると何が起きるかというと、配信ライブを有料のチケットで販売したとしても驚くほど売れないのだ。

とはいえ、やり方は色々あるし配信ライブ全てがそうだとは一概に言えない。

しかし極論個人的な意見としては"配信"と"ライブ"は別物だと考える。

では、ライブ以外にアーティストはどんな活動があるの?というと
代表的なのは作品のリリースだ。

しかしCDを聴かない時代となり、ほとんどの人がApple musicやSpotifyなどのストリーミングを利用しているだろう。

元々アメリカなどで主流だったストリーミングは日本に2014年に上陸した。
私も、当時このローンチが本当にうれしかった記憶がある。

ところで、これってアーティストにどう収益が分配されるの?

そんな疑問をお持ちの方にこれを見ていただきたい。

音楽サブスク時代、アーティストへの還元率が低いと言われて久しい。

一体サブスク系音楽は1再生でいくら払われるのか? 

Apple Music 1.2円
LINE MUSIC 1円
Google Play Music 0.7円
AWA 0.7円
Spotify 0.4円
Amazon PrimeMusic 0.2円

上記は記事の中の1例ではあるが、1再生あたり0.2~1.2円の売上ということで還元は非常に小さく感じる。ただ、海外では音楽サブスクが業界を著しく回復させており、そのビジネスが産業を活性化させていることもまた事実だ。

音楽業界が16.5%の二桁成長したアメリカは、いかに「音楽ストリーミングの国」として成功したか、では一方で日本のデジタル市場はどうなっているか?

この続きの見解に関してはまた次回投稿します。

まとめようとおもって半年間下書きにしたためていたけど、偏った見解や異なった事実を伝える勇気がなくなかなかまとまらなかった。
一音楽業界スタッフの独り言として受け止めていただけたら。


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