マガジンのカバー画像

読書感想文

44
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

読書レビュー「渚にて」 ネヴィル・シュート

初刊        1957年 新訳版       2002年 創元SF文庫初版  2009年 あらすじ 第三次世界大戦が勃発し、世界各地で4700個以上の核爆弾が炸裂した。戦争は短期間に終結したが、北半球は濃密な放射能に覆われ、汚染された諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国の原潜〈スコーピオン〉は汚染帯を避けてメルボルンに退避してくる。オーストラリアはまだ無事だった。だが放射性物質は徐々に南下し、人類最後の日は刻々と近づいていた。そんななか、一縷の希望が

読書レビュー「赤い靴が悲しい」片岡義男 

初版 平成元年10月 祥伝社文庫 高校生の頃、みんなが赤川次郎をまわし読みしたりしてた時、 僕は一人で片岡義男を読んでいた。 まあ、どちらも今思えばラノベ的で、(いい意味で)軽薄で、 おおよそ文学賞とは無縁な、心の闇とかドロドロした人の業 などほとんど描かれない。 あの時代、80年代バブルのちょっと浮かれていて、湿り気の無い、カラッと爽やかな世情が色濃く表現されていたり。 たいした中身は無いんだけど・・・。 大人になってからも5年周期ぐらいで、無性に読みたくなるのですよ。