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果たして自分の愛した物はどういう末路を辿るのか

自分は古本屋が好きだ。

古本屋というより、リユースショップといったほうがいいだろうか。

ブックオフ、ハードオフ、オフハウス、セカンドストリート……小説から漫画、CD、服から家具まで何でもここで揃えている。

ある日、いつも通り古本屋巡りをしていた折りに店内の片隅で乱雑に並べられたCDの棚が目に入った。

ALL¥100、なんてPOPが添えられて。

こういう棚の中に案外掘り出し物がある。
ほぼ無意識的に吸い寄せられるようにして、その棚に目を移すと、ある事にすぐに気が付いた。

全部、同人系CDだった。
それも90年代末期から2000年代初頭にかけての作品。

Leaf.Key.型月作品のアレンジ……あの頃の作品がそこにあった。

こういった同人物にも目がないので物色してると、次第に察してしまった。

おそらくこれは一人の人間が集めていた物であることに。
コミケか、それとも通販か。自分と同じように古本屋か。或いはそうでもないどこかで恋焦がれて買った物だろうと。

何れにしてもこのCDの持ち主が何かしらの事情で売り払ったのだろう。

要らなくなったから。邪魔になったから。お金にしたかったから。それとも……。

色々な事を考えながら手に取ったCDの一つ一つに重みが感じられた。

自分もアニメのBlu-rayやサントラ、設定資料集を集めている。

たまに思う。もし自分になにかあったとき、買い集めたコレクションはどういう末路を辿るのだろうか。

家族にすれば無用の長物に等しいので、ブックオフで二束三文で売られるのだろうか。それとも捨てられるか。誰かに譲ってしまうのか。

あの古本屋で並べられた中古品はその一つの可能性だろう。

それが、ALL¥100で誰かの手に売り払われている。

そう思うと、なんだか切ない気分になった。



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