黄昏時の床屋と私ひとり (12.1 REQU公開版)

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それでは、本編をどうぞ!🙋‍♂️






季節はもう冬、12月。
近頃は夜は冷え込み、昼は寒くなってきて、コートやマフラーが必要になってきた。

福原 萌音。
米田大学の教育学部、20歳、大学2年生。
実家から離れて、群馬でこじんまりしたアパートで1人暮らしをしてる。
女子の多い教育学部。
気軽に喋れるお友達とかそれなりに作って、楽しいキャンパスライフを送ってる。

4限が無いから早めのランチ。
私のお昼タイムはいつもまったり。
早めのランチで空いてる大学食堂の安い学食でゆっくりしている。
今日(金曜日)は2,3限と午後一の5限が終わったら、あとは19時のバイトだけ。
そんないつものゆる〜い1日に、ちょっとした刺激が走った。

地元の中高一緒で仲良かった友達から久しぶりにLINEが来てる。
開くと『後ろ振り向いてよ』って書いてて・・・

ーー「もねー」

私「えっ?」

澪「久しぶり!」

私「えっ、どうしたの?」

澪「会いたくなっちゃって来ちゃった」

私「えっ、ええ?」

橋本 澪。地元の中高が一緒の親友。
澪は東京の大学に進んで法学部。私の通う大学より偏差値が高い有名大学に進学した。
東京なら栃木から新幹線で通って今も実家暮らしみたい。
この子はとっても明るい。
私もそれなりに地元では陽キャだったけど、それとは比べものになんないくらい。
澪は群馬に遊びに来てて、たまたまうちの大学の駅の路線に乗ってた所、米田大学前駅って発見したから降りてきたらしい。
それでしかもたまたま、私を見つけたみたい。
すごい偶然。
澪は私の隣の椅子に座った。

「萌音、元気してた?」
「元気だよ〜」
「もう1年半経つっけ。2年ぶり?」
「高校卒業してから会ってなかったもんね〜。もう1年と半年以上」
「萌音は全然地元帰ってこないよね」
「うん、去年の年末しか帰らなかったからねー」
「だから会いに来たよ〜、なんて。さっき言った通りたまたま寄っただけなんだけど」
「澪も元気そうでよかった〜」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
1時間くらいお喋りした。
すっかり定食も食べ終えて、気づいたら5限の時間近くになった。

「あ、ごめん。私5限あるからそろそろ行かないと」
「そうなんだ」
「時間取らせてごめんね。そしたら私もそろそろ行こっかな」
「澪はこの後も暇?。5限終わったらあとバイトの時間まで何もないよ」「もしバイトも代わってもらえたら、一緒に遊ばない?」
「あっ、ううん」「実は友達2人と一緒に来てて、先に行ってもらってるんだ。だから合流しないとなんだよね」
「そっか」
「あれ、萌音ももうお酒いけるよね?」
「うん」
「そしたら夜早い時間とか。どこかでどう?」
「全然いいよ!。お酒飲みたいの?」
「どこで食べるとか何も決まってないんだけど、なんか小洒落た店に行きたいなーみたいな話してるんだよね〜」
「小洒落た店?」
「萌音、いい店知らない?、決めといてよ!」
「えっ、うん?、自由に選んじゃっていいの?」
「うん、全然特にこんな感じって決めてもなかったから」
「分かった。それで何時にする?」
「19時位がいいかな。3時間くらいお喋りしながらまったり、よくない?」
「いいね、そしたら19時ね」
「お店は決まったら連絡ちょうだい!」
「りょーかいー」

澪と私はそれから少しして一旦別れた。
(小洒落た店か〜…)
そんなに高くないところ。だけど落ち着いてお喋りもできる店。
(あそこがいいかな…)
少し前に先輩に連れて行ってもらった店を思い出した。
バーのようなカフェのような…ちょっとした小洒落た店。
落ち着いた雰囲気が好きで、その後も何回か1人で行った場所。

私 「こんばんはー」
店員「いらっしゃいませ〜」
私 「予約した福原です」
店員「奥のテーブルの予約席にどうぞー」

19時の30分前。
予約は18時半からにしておいたけど、ちょっと早く来すぎた気もする。

そして20分くらい経って、

「こんばんは〜」
「こんばんは〜」
店員「予約の福原様ですね。奥のテーブル席にどうぞ」

〜〜

澪「お待たせー」

私「ぜんぜんー」

友達「萌音さんですよね、初めまして」

私「こちらこそ初めまして」


「私からお互いに紹介した方がいいよね」
「まず萌音ね。萌音とは中高一緒でとても長い付き合い。今はこっちの大学通ってて、教育学部だよね」

私「うん」
「いつも澪からは萌音って呼び捨てにされてるけど、呼び捨てでも萌音ちゃんでも大丈夫です」

澪「こっち2人は同じ学部の友達ね。こっちの子から。同じ学部の華ちゃん。東京出身の子でかなりのハイスペックだよ」

華「いつもそれ言うけど、そんな事ないって〜。よろしくね」

澪「こっちは菜月ちゃん。北海道出身の子。すごいよね。たまに訛ってくれるの嬉しいんだけど」

菜月「菜月でも、菜月ちゃんでも。どっちもokですー。よろしくお願いします」

澪「え〜と、私は…」

私「澪のは要らないから大丈夫」

澪「そう?笑」

私「それじゃ華ちゃんと菜月ちゃんって呼ばせてもらってもいいですか?

華「はい。私も萌音ちゃんって呼んでもいいですか?」

菜月「私も」

私「大丈夫です!」

澪「はい、てな感じで。とりあえず何か頼もうよ!」

私「あ、そうだね」

その後はずっと4人でお喋りだった。

初対面の私と、華ちゃんや菜月ちゃん。

菜月ちゃんは別地域からの大学進学だから、北海道と東京の違いとか。
華ちゃんとも一緒で栃木と東京の違いを痛感しつつ、沢山いい情報を得られたりした。

それに澪の友達になる子だからすごく明るいし、話がとっても盛り上がる。

出身とか色々な違いの話から、キャンバスライフがどんな感じか〜とか。
それにお洒落、ファッションの話にもなった。

私「澪ってやっぱり上京してから一気に垢抜けたよねー」

澪「それは自覚してるなぁ」


「今日久しぶりに会ってびっくりしたもん」
「服装とか、持ち物とか、すっかり東京の女性って感じ」


「上京して、周りの子がみんな可愛かったり大人びてたからびびった。たまに東京遊びに行く時の視線とは全然違う感じ。
 それから華と友達になって、東京の最先端のファッションとか色々教えてもらったんだ〜。
 最初は本当怖かったよ」

私「そうなんだ〜」

澪「でも今はある程度分かるようになって、自分でもちょっと垢抜けて大人びたって思ってる!」

私「澪さぁ、ちょっと気になってるんだけど、耳のとこって…もしかしてピアス?」


「あ、うん、そうだよ。隠れてるのによく気づいたね」
「今はこんなのつけてる〜」

私「え〜すご。澪ピアスの穴開けたんだ」

澪「開けたのちょうど1年前くらいかな」

私「えっ、しかも。すごい肌白いっていうか綺麗。昔の澪とは思えない」


「うん、メイクも上達したよ。
昔はメイク苦手でよく萌音に愚痴こぼしてたもんね。覚えてる〜。
 萌音は高校の時もナチュラルメイク上手かったもんね」

私「その澪がちゃんとメイクこなしてる、しかも完璧に。肌まで綺麗に見せてるなんて、上京して革命が起きたね」

澪「革命って!。メイクも華から教えてもらったんだ。東京の子ってすごい進んでるから本当に感謝しかなくて」

私「そうなんだ〜」

菜月「私も華にすごく沢山教えてもらったんだ。北海道と東京じゃまるで違うもん」

澪「2人で一緒にね、華に先生やってもらって」

私「いいなー楽しそうー。菜月ちゃんもメイクすごく良いね。美人肌、美人顔〜」

華「菜月はもっと羨ましくて、元々肌がすごく白くて綺麗。寒いからなのかな?。雪国の子ってすごく羨ましい」

私「えっ、私、華ちゃんも同じくらいすごく肌つやつやで綺麗に見えるけど」

華「んーんー、全然そんな事ないよ。化粧頑張ってるだけ〜」

澪「でもやっぱり私の肌とも違うよ。華は昔からシェービング通ってたんでしょ?。肌もちもちじゃん〜」

菜月「華の顔の肌はすごくもちもちだよね。雪見だいふくみたい。いいなー」

私「えっ、ちょっと触ってみてもいい…?」

華「うん、全然」

私「あっ、すごい。もちもち!」

澪「でしょ?。化粧してるから、すっぴんの時の肌はもっとすごいよ」

私「えーそうなんだー」

澪「私も6回くらい通ってようやくちょっと肌潤ってきた感じするからなぁ」

華「澪の肌もちょっと潤ってきた?、化粧のノリもよくなったもんね。その調子」

私「どこか通ってるんだ、すごいな〜」

澪「1年くらい前からシェービングに顔の肌が綺麗になるからお勧め!って華ちゃんから紹介してもらってから行ってるんよね」

私「へぇー。そのシェービングってのはいわゆるエステとかそういうの?」

澪「んー、エステに近い、そんなとこ」

私「すごいなー、澪がそんな所に通うなんて」

菜月「私も華に教えてもらって通ってるんだ、そこ」

私「えっ、菜月ちゃんも?」

菜月
「半年通ったっていうか、3回行っただけですぐ効果が持続するようになったし、雪国にいた時以上に肌の状態いいかな」

「萌音ちゃんも行ってみたら?。東京なんてそんな遠くないでしょ!」

私「えっ、うん〜〜」


「私からも勧める。今度行こうよ、どこか日付合わせて。
 間違いなく萌音は綺麗、それに可愛くなる」

菜月「すごいわかる。うちらより素質がいいもんね」

澪「本当に悔しいけどその通り」

華「萌音ちゃん、やっぱりナチュラルメイク上手いんだ〜ってさっきの会話聞いてたけど、もっと上達しそう。私も通ってる店、お勧めするよ」

私「どうしようかなぁ。でもみんな勧めてくれるなら行くしかないかな…」

澪「ほんと?」

菜月「あっ、来週末ちょうど行くんだけどどうかな?一緒に」

私「あ〜ごめん。来週末はバイトリーダー私しかいないからきついかも…」

華「私はこないだ行ったばかりだからなぁ」


「いやーちょうどよかったー。前回が1ヶ月半前だからそろそろ行こうと思ってたんだよね。最初だと不安だろうし、一緒に行かない?」

私「えっ、予定あったら行ってみたいかも」

澪「あっ、じゃあ後で行けそうな日連絡ちょうだい」

私「おっけー」

華「これは澪にもだけど、慣れてきたらカットもお勧めだよ。あそこのオーナーさん上手いから」
「こないだ菜月は切ってきたもんね」

菜月「うん、華の言う通り試してみてよかった」

澪「あっ、あの肩口のヘアアレンジしてきた時ってそう?」

菜月「うん」


「そうだったんだ」
「でもね、実は私もあそこで切ってもらったんだよね」

華「えっ、うっそ」

澪「ほら、私は行きつけの美容室とかなかったし、試しに〜と思ってみたらすごいよね、技術が」

華「そうそう、技術がすごいんだよね」


「萌音は?」
「そういえば萌音って高校の頃はずっと結べるくらいの長さだったのに結構伸びたよね。大学入ってから伸ばしてるの?」

私「あ、うん。伸ばしてた」

澪「ん、なんで過去形?」

私「最初はちょっとキャンバスライフっていう中のコテでアレンジするのに憧れて1年くらい伸ばしてから楽しんでたんだけど、
これ以上腰の長さに近づいていくとアレンジとかって話じゃなくなるからね〜」

澪「確かに」

菜月「でも萌音ちゃんは長いほうがなんとなく可愛い気がする〜、似合ってるっていうか」

澪「うん。でも昔の萌音も今とは全然違う感じだけど似合ってたよ、それはそれで」

華「なんか想像つくなぁ」

澪「髪切るかまでは萌音に任せるよ」

私「そろそろ美容室行かなきゃって思ってたんだよねー、長さ揃えるだけでも。丁度いいから切ってもらおっかな」

澪「うん」

菜月「ねーねー、萌音ちゃん東京に来るならその後遊びたくない?、どっか行きたいなぁ」

華「あっ、うん、いいかも!」

澪「私も行きたいー」

私「行きたいね」

澪「そしたらさ、さっきからずっと思ってたんだけど4人専用のグループチャット作らない?、そこで連絡しようよ」

私「うん、賛成」

菜月「私も」

華「同じく」

澪「そしたら私作っておくね」

菜月「2人が髪切った後だったら私達もお洒落してどこか行きたいよね」

華「うん、普段はお洒落しないと行かないような場所」

澪「いいね。そういう場所、萌音はあんまり行かないんじゃない?」

私「んー…。あまりパッと想像できないんだけど」

澪「だからこそ余計4人で行ってみたいよね!」

菜月「うん」

澪「そしたら決まりね。また楽しみがいっこ増えた!」

私「あとで空いてる日、グルチャに送っておくね」

澪「うん」

菜月「えーでもどこがいいかなー」

華「あっ、例えば◯◯スカイビルの展望レストランのディナーとかは?」

澪「まじ?位高くない??」

…………

その後も1時間くらい話が盛り上がって、それから澪達は東京に帰っていった。

後日予定調整したけど、やっぱり年末はバイトリーダーも掛け持ってたり、他の子も全然予定合わなくて、
結局年明けの3連休の次の日曜日になった。

澪は年末に行きたかったみたいだけど、エステの予定は一緒に合わせてくれた。

澪が予約してくれたんだけど、年明けになっちゃったし切ったのがもう半年前だからカットも入れたみたい。
私にも予約前にカットもする?って聞かれたけど、合わせてカットもお願いしておいた。

そしてドタバタの年末、落ち着いた年明け、そして冬休みに入って…。

1月14日、日曜日。
高崎を出るときは一面青空ですっきり晴れてる良い日。
こんな日に東京に遊びに行けるなんてツイてる。

澪の話では、澪が15時から。私が16時半からの予約みたいで1人ずつらしいから、お店にその時間来る?っても聞かれたけど、道に迷うと嫌だから一緒に行くことにした。

最寄りの大野駅に14時半に待ち合わせ。

私「お待たせ〜」

澪「萌音、こないだと同じ格好じゃん〜」


「今日この後お洒落してディナー行くって言ってたから一番良さげなコーデにしてきたんだけど、こないだも着てたっけ?」

澪「うんうん」

私「澪こそ、こないだとは見違えて大人しめな格好じゃん?」


「そう?」
「って言っても、今日は流石に若めの派手なコーデはできないしまとめてきた」

私「そうだよね。澪がそんな大人っぽい着こなししてるの初めて見た。それにちょっとかっこいいかも」

澪「萌音に褒めてもらえるなんて嬉しい〜」

私「それで北口と南口。どっちの方向行くの?」


「お店は南口の方なんだけど、一旦北口のスタバ寄って行ってもいい?」
「いつも行く前にコーヒー買って行くから」

私「あ、うん。そしたら澪についてく」

澪「うん」

そんな今日は、
落ち着いた色のくすんだピンクのワンピースに、中には白のレースのトップス。
ゆるめなニットの白のカーディガンを上に羽織って、隣の椅子にはくすんだピンクのワンピースよりちょっとベージュ系のコートをかけてる。

私達は北口のちょっと歩いたところにあるスタバに行って、それぞれ一杯ずつ持ち帰りで買っていった。
そして大野通りという駅の南北に伸びてる道を戻って、再び大野駅をくぐった。

地下鉄の終点、そして大きな路線が通ってるだけあって、
北口は大きなバスターミナルに区役所とかあって開けてたけど、南口は飲食店が栄えてる大通りになってた。

それを横目にさらに南へと澪は歩いていく。

私「澪ってその店は何回くらい行ったって言ってたっけ?」

澪「んー、華に紹介してもらって最初行ったのが去年の夏で、2ヶ月に1回くらいは通ってるから7,8回行ってそう」

私「へー、そしたら澪はもう常連さんじゃん」


「そうだね。華と菜月、そして私で3人して同じ大学繋がりですっかり常連〜」
「でも意外と他の常連さんも多くて予約取りづらいんだよね」

私「そうなんだ。意外と繁盛してるんだね」

澪「元々予約制だから時間空いてないといけないし、マスター1人でお店やってるっぽいからねー」

私「そのマスターって男の人なの?」

澪「そうだよ。でも奥さんいる人でたまにお店手伝ってるの見かけるし、もちろん悪い人じゃないから大丈夫」

私「うん」

澪「きっと常連が多いんじゃないかな。普通に1週間前とか土日は予約取れないし」


「えっ、そんなに賑わってる店なの?」
「そこって知られてるお店?」


「うんん、全然。多分私達みたいな常連の多い穴場なんじゃないかな」
「でも他のお客さん居るの見た事ないんだよねー」

私「そうなの」

澪「多分ね、予約時間ちゃんと余裕もって取ってるんじゃないかな。15分前とかに行っても全然すぐ案内されたし。きっと配慮とかいい店なんだと思うけど」

私「今とき珍しいね。なんか美容室って基本待たされるのに」

澪「そうそう、どんな良い美容室でも必ず待たされるもんね」

私「えっ、でも今日って5000円で本当に事足りるの?。結構良いとこの店なんじゃない?」

澪「というか今日は4000円で足りちゃうから大丈夫。いつもは2500円なんだけどね」

私「えーすごいねー」

澪「最初はお店の外にメニュー表とかなかったし焦ったよ」

私「外にメニュー表ないって中々だね。ちょっと良さげそうなレストラン行く時にちょっと焦るのに似てる」

澪「確かに!。そんな感じ」

私「でもそしたらやっぱり常連さんとか、紹介の人が多そうだよね。私がバイトしてるお店も言うてそんな感じだから」

澪「うん、そう。萌音もそういうとこでバイトしてるんだ」

私「まぁただ私がバイトしてる店は単純に駅から遠いから新しいお客さん来ないってのもあるけどね」

澪「あぁ〜。なんか近所の人とかがよく来るんでしょ?」

私「そうそう、そんな感じ」

澪「ちょっとイメージついた」

私「でもやっぱり常連さんだけでも混む事あるし、そのお店も予約取りづらいってなんか分かるかも」

澪「うん。あっ、そこの信号渡るからね、反対側だから」

私「うん」

澪「ほら、反対側のあそこがお店」

私「えっ。どこ?」

澪「あれ、あの白色のビル」

私「あー、あの白のマンションっぽいビルねー」

澪「あっ、信号青になっちゃったから走って渡ろっか」

私「うん」

‥‥…………………

大通りの信号をわたって、50mくらいだけ駅側に戻ったとこ。

澪「着いたー」

私「ここねー。何階まで上がるの?」

澪「もうそこだよ」

“チャリンチャリン”
目の前のドアが開いて、50代くらいのおじさんがドアを開けてる。
澪はそっちの方に歩いていった。

私「えっ、待って澪。もしかしてこの目の前のお店?」

澪「え、うん」

私「澪がいつも通ってる店ってここなの?」

澪「うん」

私「ま?」

澪「うん、萌音入ろ?」

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