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壮大な世界観に浸る~「在宅勤務/チャンピオン」考察~

<注意事項>

1.昭和歌謡アカペラグループ「リストラーズ」について、個人的見解を述べている記事です。

2.主に動画などを見て感じた個人感想文という位置付けですが、想像や憶測で書いている内容が含まれます。

 ご了承いただける方、ご興味のある方はこの先へお進みください。

 
 自分は、リストラーズさんのレパートリーで、リードボーカルが変わる曲が好きだ。リストラーズさんの「全員リードボーカルができる」という長所が生かされており、また、リードが変われば自ずとその他のパートも変わるので、一つの動画でメンバーの様々な声を聴くことができる。目まぐるしく変わる歌声がとても楽しく、誰がどのパートを歌っても変わらないクオリティは、リストラーズさんの歌唱力の高さを実感させてくれる。

今回の考察は、「在宅勤務/チャンピオン」。
目まぐるしく代わるリードとコーラス、歌い方や感情の変化に注目して、是非、じっくりと聴いていただきたい一曲。

<前奏>
 上村さんのボイパと大西さんのベースがリズミカルに響く。交互に鳴るリズムは、まるでメトロノームのように正確にテンポを刻み、終始他のパートを支え続ける。
 人間離れしたリズムが響く中、野村さんと加藤さん、草野さんと澤田さんが交互に歌うコーラス。これから始まる物語への期待が高まっていく。 
 リード歌い出し直前の「パパパ~パン」でコーラス4声が重なった瞬間、6声の一体感で一気に物語の世界観に引き込まれる。

<1番>
 加藤さんリード。歌い出し「つかみかけた~」の「つかみ」という部分で、全てのバックコーラスが消え加藤さんの声だけが響く。ずっと聴いていたい美しい響きに包まれた後は、歌詞に合った哀愁を帯びた歌声で、これから始まる物語の序章を、身振り手振りを加えながら切なく歌い上げる。

 リードが澤田さんへ交代。がなり声をアクセントに織り交ぜた歌声からは、哀愁の中にも力強さが聴き取れる。全員で同時にグッと拳を見せる動画演出が、更に力強さを強調し、その後の「寂しそうに笑った」とのメリハリを利かせている。
 草野さんのお家芸「ダバダバ~」部分は、本来お笑いポイントなのだろう。自分にとっては、完成度が高すぎて笑うどころか、むしろ余韻の残る美しい高音の響きに感動するポイントだ。

<1番サビ>
 ファン待望の、背中合わせの演出が堪らないサビは、野村さんの高音のハモリがとても美しい。リードと同じ音量で響かせるこの部分、これはもう、ツインリードという位置づけで良いのではないだろうか。
 「You're king of kings」から、加藤さんにリードチェンジ。先程の歌い出しとは異なり、いよいよ始まる戦いに向けて、力強さと希望を感じさせる歌声に変わっている。

<2番>
 物語が進んでいくと共に、歌声も変化していく。戦いはクライマックスに差し掛かっている。リングの上の臨場感を、澤田さんが語りかけるような歌い方で見事に表現され、歌を聴いているはずなのに、まるで物語の映像を見せられているかのように錯覚する。

 いよいよ決着の時。リードは加藤さんへバトンタッチ。挑戦者の最後の一撃を力強く歌い上げた後、「倒れて落ちた」場面は、加藤さんの危機を感じさせる表情と、他の全員が画面から消える演出と相まって、思わずはっと息を飲む。加藤さんの「疲れて眠るように~」の優しい歌声が、戦いの終わりを告げる。

 再び、草野さんのお家芸。今まで戦いの物語が進んでいたが、この後、誰かの感情に切り替わる。草野さんの「ダバダバ~」には場面が切り替わる意味合いもあったのだと、ここでやっと気づく。

<2番サビ>
 ここは、加藤さんと野村さんのツインリードなのだが、1番と違い感情は抑えめで比較的淡々と、しかしシンクロ率は高めのお二人のハーモニー。見ている誰か(誰か=トレーナーだろうか?)の一線を退こうとしている元チャンピオンに対する感情を、客観的に表現しているように感じる。

 「You're king of kings」から、澤田さんにリード交代。神への祈りを声に乗せ、感情的に歌われているのが印象的。
 草野さんの「ダバダバ~」が登場し、また場面が切り替わる。誰かの感情から、再び物語の進行へ移る。

<大サビ>
 この物語で、一番の盛り上がり部分だ。
 リードは引き続き澤田さんが担当。2番のサビで淡々と歌い上げた野村さんが、ここでは澤田さんと波長を合わせた非常に感情的なツインリードで、この曲一番の盛り上がりを演出する。お二人のカメラ目線での「切れた唇」のジェスチャーは、一体どれだけの数の屍を築き上げたのだろうか。当然ながら自分も、いち屍と化している。

 「You're king of kings」から、再び加藤さんリードへ。「帰れるんだ~」以降は、元チャンピオンを労うかのような優しい歌声で、物語をエンディングへと導いていく。

<後奏>
 ライラライ部分。
 ライラライは、草野さん、加藤さん、澤田さんの3人。一際目立つ高音のコーラスを野村さんが一人で歌われていると思うのだが、まるでお二人で歌われているかのような存在感だ。本当に美しく素晴らしい。(自分はこの野村さんの声質がとても好みである…)

<おまけ(まとめ)>
 加藤さんと澤田さんの、素早いリード⇔コーラスの入れ替わりや、その際の表情の変化もこの動画の見所だ。
 この曲は、語るように歌うリードやサビのツインリードを強調するために、他のコーラスやリズムは控え目で伴奏に徹していると感じる。曲の世界観に合わせ、物語を聴かせるような編曲(若しくは音源調整)をされているのではないだろうか。その効果か、約3分という短い曲が、長い映画もしくは長編の物語を読んでいるかのように聞き手に感じさせる。人によってはオーケストラを聞いたような壮大さを感じるかもしれない。
 この動画の音源は、コンパクトディスク(CD)に収録する目的で作成されたものを使っているとのこと。(Facebookリストラーズ公式より)
なるほど、こだわって作成されたと推察される。いつか、新しいコンパクトディスクを発売される際には、是非、この壮大な物語を収録していただけることを願っている。


 短く、サクサクっと纏めるつもりが、思いのほか長くなってしまった。語りたいこと伝えたいことが多すぎる魅力満載のグループ、それが「リストラーズ」なのだろう。

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