ドラゴンボールカードゲームフュージョンワールドの感想

お久しぶりです。

今回は先日DCGベータの配信があった”ドラゴンボールカードゲームフュージョンワールド”に対する個人的な感想を述べます。

長年カードゲームを遊んでいる一カードゲーマーとして他のカードゲームの例を挙げつつどのような展開になるか予想していきます。


素晴らしいシステムデザイン

”ドラゴンボールカードゲームフュージョンワールド”の基本システムは、毎ターン手札を1枚エナジーへ置き8枚のライフを削りきる。

”デュエルマスターズ”に代表される質実剛健なもので、カウンターやメモ帳などといったデッキ以外に用意するものが無く、カジュアルにも遊びやすいです。

そこに独自性を加えているのが戦闘中に手札を捨てることでパワーを上昇させるコンボシステム

このコンボシステムは実に素晴らしく、必然的にとどめの攻防はお互いに手札の全てを投げ捨てることになるため、かめはめ波とギャリック砲がぶつかり合い、後先考えない「海王拳4倍だぁ!!」で押し切るという実にドラゴンボールらしい展開をシステム面で見事に再現しています。


物足りないカードデザイン

コンボシステムは非常に素晴らしいのですが、同時にこのゲームが抱える大きな問題点でもあります。

コンボシステムはお互いにパワーを上昇させることができるためお互いに捨てあうと彼我のパワー差に変動がありません。

コンボでは攻撃側がまず手札を捨てるため、防御側は相手が捨てたことを確認してから手札を捨てることができます。

つまり防御側は必ず損失を最小化することが可能であり、とどめの場面以外で攻撃に使用する意味がない、ばかりか最後の攻防の出力を減らすだけなのです。

満身創痍になる前から10人20人程度の元気を集めた元気玉を撃ってるような悟空なんて見たくありません。

システム面で存在しているギミックを使用すると不利になるというのは初心者に非常に優しくありません。


またカードゲームの醍醐味ともいえる逆転要素の希薄さも感じてしまいます。

比較的新しいバンダイ産のカードゲームである”ワンピースカードゲーム”は、似たようなシステムながら攻撃側がドンという毎ターン繰り返し使えるリソースを得ることで、攻撃側が有利となり攻撃の仕方で差が分かれるようにできています。

しかし先ほども述べたように、ドラゴンボールカードゲームに採用されているゲームシステムは質実剛健。システム上の逆転要素は皆無です。

ライフから手札に加わった際に発動するトリガーすら排除したこのシステムでは1枚でゲームの流れを変えるパワーカードの存在が必要で、デッキに採用されるカードが全て強力でなければなりません。

”デュエルマスターズ”では1枚通ってしまえばゲームが終わってしまうほどのカードパワーのカードを使用する攻防で駆け引きを作っています。

しかしドラゴンボールカードゲームにはそういったパワーカードの収録枚数が圧倒的に少なく、一度有利になった側がそのまま相手を圧倒してしまう展開になってしまいがちです。

パワーカードの数が少ないゲームでは「強いカードをたくさん引いたから勝った。」という展開になってしまい、ゲーム体験も良いものとは言えません。

コンボによってカードを損だけすることが容易であるため、逆転要素の少ないカードデザインはあまりにも初心者に優しくなく、上級者同士の戦いでも駆け引きの少ない淡泊な試合になりやすいと感じます。


感じたことを踏まえて

素晴らしいシステムデザイン。
物足りないカードデザイン。

おそらくドラゴンボールカードゲームのカードパワーは原作同様すさまじいインフレをするのではないかと考えます。

使用すれば、場に残れば相手を圧倒するカードお互いに使用することで目まぐるしく優勢が変化するドッカンバトルになることを予想します。

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