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ZENONZARD懐古録”DIVINE”

あの頃の環境を振り返るZENONZARD懐古録。

今回はだんだんと高速化と複雑化を感じるPACKCODE:02Re”DIVINE”を振り返っていきます。

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第一章~そして輝くウルトラソウル~


実はこの弾、約100枚ものカードが追加されていながらランキングは1度しか開催されていません。

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そんな小規模(?)なDIVINEの追加によってどのような変化が環境に訪れたのか振り返っていきます。


1.変形ミニオンの登場

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加護を付与するとその加護を消費して新たなミニオンへと変形する7マナのミニオンサイクルがDIVINEの目玉ミニオンとして登場しました。

このサイクルは変形後に襲撃を持っており、8マナがあればどの色からも襲撃ミニオンが突然飛び出しゲームを終わらせることができました。

突然の襲撃によるリーサルを避けるため、フォースにはフェニックスを採用することが従来よりも更に重要になりそれを中心にメタも変化していくことになりました。


2.マッピーラット

CONTRACT環境ではサーチのし辛さから緑以外のデッキでは活躍が期待できなかった加護でしたが、

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”荒野の旅人”の加護バージョンであるマッピーラットが登場しました。

これにより旅人との両採用により序盤の色の発生が劇的に向上しました。

また、どのデッキにも加護を無理なく採用できるようになり、スカーレットがどのデッキにも採用できる1ドローミニオンとして運用できるようになりました。

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マッピー+スカーレット+加護によるエンジンはこの環境の初動を支えデッキの安定性に大きく貢献しました。


3.赤白アグロ

環境デッキではないので紹介しませんがこの環境のメタゲームでは大きな要素となるのが赤白アグロの存在です。

7マナ以降のゲームが変形による襲撃を用いた複雑な展開になることが多くなったため、複雑な展開を嫌うプレイヤーに選択されていきました。

環境で活躍したデッキと比較するとその出力が乏しく、フォースにミノタウロスを採用することで対策できるという弱点があるのですが、
デッキに採用するカードのパワーの増加により、ミノタウロスを採用すると他のデッキの出力に対応できないという事態が発生しフォース以外でメタを採用することが重要視されました。



勇気のデジメンタル


DIVINE環境で最初に環境デッキとして名を挙げたのはCONTRACT環境で最も調整されたデッキであるペガフェニ赤です。

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CONTRACT環境での赤は器用なデッキという評価でしたが至らぬ部分も多々ありました。

まずは大型ミニオンを処理することにエラードネジェルに頼っていたという点。

大型のミニオンを処理することはメインのタイミングでしかできず、なおかつ5マナを使用しなければならないため他のアクションと同時に実行しづらいという欠点を抱えていました。

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そこでDIVINEにて獲得したのが”ファイアーボール”。

メインで使用すれば様々なBPマイナス効果のに合わせてわずか2マナで大型ミニオンを除去でき、相手のターンにも2枚のマジックを組み合わせることで処理できるようになりました。

また、小型ミニオンは攻撃時効果などで処理しやすいが逆に中型のミニオンになると小回りの利くカードに欠けるという点、トークンを並べることでボードアドバンテージを取ることはできるが手札補充が難しいという点がありました。

それを一挙に解決したのが目玉の変形ミニオン。

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変形前は召喚時にBP-500で中型ミニオンを処理し、変形後は召喚時を含めてBP800まで除去範囲を増やすこともでき、アタック時に1枚ドローで手札補充まですることができます。

変形時効果は全体マイナスなので前述の”ファイアボール”とも非常にくっつきが良く10マナあれば両方使用可能です。

マッピーの採用で序盤もスカーレットでドローを進めることができるようになり、CONTRACT期に抱えていたデッキへの不満を全て解決することができました。

トークンを並べ小型ミニオンをBPマイナスで処理しやすいというデッキの特性上アグロデッキにコンセプト段階から強くメタゲームの一角として環境初期から頭角を現しました。


誠実のデジメンタル


CONTRACT環境で赤の他にもう一つ評価の高かったデッキがあります。

それが青です。

ジューリオにやけくそバフをもらい一躍注目のデッキとなった青でしたが青という色には、
・マジックによるコントロール。
・移動権とベースを利用したコンボ。
・潜入によるビードダウン。
という3つもの特徴を与えられいたため、それぞれに属しているカードの数が分散しデッキとしてまとまりづらいという欠点を抱えていました。

しかしDIVINEにおいてそれを力尽くで一つにしてしまうめちゃくちゃなパワーカード群が登場しました。

「珊瑚精」コラリーノ”、”マジックウェポン”、”「波鯱」オルカ/「荒波鯱王」オルカ”の3枚です。

まずは”「珊瑚精」コラリーノ”

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ベースミニオンは手札から置く直接置くためアドバンテージを損失するという弱点が存在し、様々な効果を付けることで状況によってその損失を緩和しようとしてきました。

しかしこのカードは4マナ、つまり3ターン目以降であれば1枚ドローとなり色を発生させながら手札の損失を無くし、デッキを37枚で組むことを可能としました。

しかもDPまで増加させ、条件もコスト2以上と緩くベースに置いた後も打点として活躍する機会があります。

マッピーでサーチできる加護以外にも加護を無理なくデッキに採用できるためスカーレットの効果も変形ミニオンの効果も発動しやすくなる入れ得カードでした。


次に”マジックウェポン”

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今まで青に与えられたマジックはフラッシュタイミングでのベース送りしかできませんでしたが、このカードはメインのタイミングでも使用できます。

しかもおまけで無色ミニオンの破壊まででき、アグロデッキの切札であるウォレスやダスカースを何かのついでに処理してしまいます。

さらに「ドラゴン」がいればそれぞれの効果が2倍。最大で計4体ものミニオンを盤面から退けることが可能という凄まじいスペックとなります。

ベース送りは移動権を使われて盤面に戻されるため相手のマナを増やすだけになりがちでしたが、複数体を1枚で押し流すことができると話は別。

圧倒的なテンポカードとしてアグロからコントロールまでありとあらゆるデッキをけん制しました。


最後に”「波鯱」オルカ/「荒波鯱王」オルカ”

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目玉の変形ミニオンであるオルカですがそのスペックは他の追随を許しません。

まず変形前のオルカは召喚時にデッキ上3枚から1枚を手札に加えられます。

4枚から2枚のミニオンを加えられたアオバに枚数こそ劣りますがマジックも加えることができ状況を選びません。

そして変形後はターン中に青のミニオン全てに「潜入」を付与しフィニッシャーとしての性能は申し分ありません。

更に攻撃が通れば青マナをアクティブにすることができ、さらなる展開につなげることも、フェニックスが破壊されてしまった後のケアをすることも可能。

かてて加えて効果が優秀な分他の色よりサイズ面に劣る特徴のあった青にも関わらずDP3。

難しいことを考えなくても襲撃でブロックされないDP3はとんでもなく強力です。

変形後はドラゴンでもあるため前述の”マジックウェポン”の効果を2倍にすることができ、変形の種である加護にもコラリーノがありこの3種のカードはその圧倒的なスペックで今までバラバラだった青のデッキを力で一つにまとめ上げました。

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マジックを中心としてコントロール寄りの構築もあれば

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移動とベースを利用したミッドレンジ寄りの構築もあれば

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馬と手を組んで潜入で攻めるアグロ寄りの構築も存在しました。

そのどれもがコラリーノの安定性、マジックウェポンの防御力、オルカの持続力とフィニッシュ能力によって支えられていました。



友情のデジメンタル


気づきましたか?ここまで紹介した2色2体の変形ミニオンは紹介パッケージの表紙となっている3体の内の2体です。

なので3体目も紹介します。

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このデッキの強化点は変形ミニオンではなくこいつ。

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”空鯨竜スカイエール”です。

”召喚時に相手のコスト3以下のミニオンを全て手札に戻す。”というこのテキストがあまりにも強力でした。

変形ミニオンが環境のフィニッシャーとなり、マッピー+スカーレットのエンジンで序盤を回していたため、序盤の盤面は小型ミニオンを複数並べアドバンテージを稼いでいく展開になりがちでした。

そこにこのスカイエールを召喚すると相手の盤面が空になり相手の移動権を含めたマナカーブをテンポを取りながら歪めることができます。

しかもブロッカーがいなくなるのでこのミニオンは実質ブロックされないと同義、ドラゴンであるためセリカでサーチも可能な実質馬として盤面をフォースをライフを荒らし尽くしました。

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これにより単体バウンスカードの対象を相手の大型ミニオンだけに絞ることが可能となったため攻撃性能も対応力も大きく向上し、環境の一角へ食い込みました。



運命のデジメンタル


そしてRANKING~SEASON:03~の覇者となったのは、

青ラケ

襲撃飛び交う環境を制した青ラケシスでした。

様々なデッキが様々な方法でリーサルを狙ってくる環境だったため、大量のドローソースを採用しデッキの再現性を高めたデッキが長期間を戦うランキングで選ばれました。

小型ミニオンの採用が多く、アグロデッキに対しての耐性が低いためボムウォールやフロンネルが採用され、相手のデッキに対して細かくプレイングを変える立ち回りが要求されました。

このデッキこそDIVINEで追加された青の三種の神器の恩恵によって成り立ったと言って過言ではありませんでした。



おまけ~弱点を知る~


DIVINE環境はランキングか1回のみということで振り返る内容が少ないため、なぜメタゲームに食い込めなかったのかという話もしていきたいと思います。

DIVINE環境の一つ前、CONTRACT環境では各色のデッキが環境に存在していましたが、DIVINE環境では強力な変形ミニオンを獲得したにも関わらず緑、紫、白は環境で活躍することができませんでした。

例えば赤単はCONTRACT環境で抱えていた欠点を克服することができたため環境ににて活躍できました。

デッキの欠点を理解すればいったいどういったカードが登場すれば環境で活躍できるのかを理解する助けになり、カードゲームで活躍するデッキを見つける嗅覚を育むことができます。

御託はいいのでどんな欠点があったのか振り返っていきます。


緑が抱えた欠点は、シルヴィーとガウェインの相性の悪さです。

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マッピーの登場により、CONTRACTにて抱えていた色発生源の少なさという問題点は解決されたものの、変形時に加護を消費する変形ミニオンと場とベースに加護があればあるほど強力になるシルヴィーの相性がすこぶる悪かったのです。

変形後の攻撃時レスト効果もシルヴィーと被っており、加護をすると襲撃を得るミニオンも他に存在するため加護を消費する分足を引っ張ります。

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無色ミニオンを全て除外する効果もありますが、サイズに優れる緑はそもそも無色主体のデッキに強く、無色メタであれば序盤を挫くことのできる”スロース・キーパー”の方が優秀でした。

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また加護に移動権を使用したい緑としてはベース送りを主体とする青の隆盛が重くのしかかり、ヤクーツオークを複数並べてもマジックウェポン1枚で簡単に場をひっくり返されてしまいました。

DIVINE環境での緑は他のデッキの出力の上昇に追いつくことができませんでした。


紫には力で全てを解決した青とは逆のことが起こりました。

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アンフェールは召喚時にフォースに2ダメージを与え、アタック時にコスト3以下のミニオンを蘇生するというAWAKEN期に存在した赤紫アグロにマッチしたデザインをしていました。

しかしBEYOND、CONTRACTと活躍した紫はコントロール構築で他にも7マナに強力なミニオンが多数存在する紫にはマッチせず、環境で活躍できませんでした。


白は未だにホリィに頼っておりデッキの出力こそ上昇したものの下の振れ幅が一切改善されていませんでした。

手札補充カードは追加されていましたが、フォースが破壊されやすい環境が続いていたためほとんど評価されませんでした。

白が環境で暴れることになるのはもう少し後のことになります。

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