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SDVX譜面語り〜レッドホットスクリューズ〜

こんにちは。今回は「レッドホットスクリューズ」というエフェクターについての話をします。彼は最初期から現在に至るまで高頻度で譜面を作り続けている人物で、どんな曲でも適切なエフェクトをかけてくれるのが最大の長所です。配置の傾向はバランス寄りで(もちろん主観です)、強いて特徴を挙げるならつまみ出張を置かないことくらいですかね。高難易度を担当することも多く、エフェクターの中でも信頼されていることが伺えます。

彼の譜面で気に入らないものを探す方が難しいほど自分が信頼しているエフェクターですが、今回はその中でも特にお気に入りの3つの譜面を紹介します。

画像はsdvx譜面保管所様からお借りしました。

Fox4-Raize-[EXH] 18

疾走感、爽快感で言えばボルテの中でも3本の指に入る譜面ではないでしょうか。初見ではソフランとつまみの活かし方に脱帽しました。ボルテをやったことがない人に最も見せたい譜面でもあります。

最初のソフランです。つまみが広がる際に一瞬視点が近づくいてから戻るのが爽快。裏拍に合わせて動くつまみも、派手すぎず地味すぎないこのパートに合っています。

曲線と直角を組み合わせてワブルの捉えづらい音を表現しています。この音に当てはめる配置として最適解だと思います。曲線に合わせて視点が跳ねるのも素晴らしい。

低速からのサビ入りです。つまみを多めにすることで次の鍵盤ラッシュを際立たせています

このサビはボルテで一番脳汁出るパートです。前半でつまみもロングも置かずにひたすら押しやすい配置の鍵盤を叩かせてくれるのが最高。低速でたまったフラストレーションがフルに解放されます。後半も同じメロディが続きますが、ここはエフェクトをふんだんに盛り込んで差別化しています。「サビ前半は爽快感と演奏感重視、後半はエフェクト重視」という流れはDreadnought[MXM]にもありますね。

サビ後ではつまみが大暴れ。この譜面の中ではみだしつまみが登場するのはここが初めてなので、開放感が更に増しています。

全体的に視点変更が爽快感に拍車をかけている譜面だと思います。この仕様が追加されたばかりのIIIでは酔うくらいに視点変更がオーバーな譜面が多かったのですが、彼はすぐ使いこなしていますね。

ケロ⑨destiny[HVN] 17

歌詞合わせのつまみや面白いエフェクトを盛り込みながら歯応えも抜群の、バランスのいい譜面です。

ロングが音階通りなのは演奏感に繋がるので結構重要です。5小節からの16分BTはやや珍しめの配置で、運指を考えるのが楽しい。

Aメロです。9小節目「⑨」、15小節目「太らせて」、18小節目「頂点」、22小節目「石段ぴょこぴょこ」などの歌詞合わせがユニークだと思います。12小節のエフェクトによる音作りも地味ながら好きです。

Bメロは鍵盤地帯です。後半はエフェクトまみれで前半と差別化しています。30小節の8分→16分→24分と加速していくリトリガーがスピード感ありますね。

サビです。34,38小節のローパスが好き。後半では横に流れる直線つまみがありますが、これはEXHの流れを汲んだものかもしれません。

2サビでは「蛙が」の鍵盤にFXチップを追加することでよりリズミカルにしています。「雨にも負けず」でリズムを取るFXチップが、62小節からは両FXに、70小節からは4分になっているのがポイント。レッドホットは曲中何度も登場する同じフレーズの発展のさせ方が上手いと感じます。

炎夏の音[MXM] 17

和風なサウンドと駄々子さんの歌声に心地よいキックがマッチした静と動が印象的な曲で、その特徴を見事にとらえた譜面になっています。全難易度クオリティが高いのでぜひプレイしていただきたいです。

イントロからメロディの音階通りの配置で曲の雰囲気を損ないません。8小節からのキックは大胆にも直角のみですが、こもったエフェクトのおかげで、やかましくなりすぎないようになっています。

Aメロのはじめは落ち着いた曲調に合わせて、ゆっくり揺れ動くつまみを使っています。15小節終わりのテープストップがアクセントとして地味に優秀。20小節のつまみは「そっと追いかけて」という歌詞を意識したのかもしれません。23小節3拍目のリトリガーも違和感0で地味に好きです。

サビです。スネアに合わせて直角を入れ、疾走感をほどよく保っています。40小節ではエフェクトで音を作って歌詞の隙間を埋めています。41小節からの配置は、曲線つまみが行き来する流れの美しさにため息しか出ません。44小節の、サビ前にも出てきた4音のフレーズは12分リトリガーによってちょっとした難所になっています。サビ終わりの曲線がどんどん大きくなっているのも細かい。

ちなみにこちらはEXHのサビです。41小節からの配置は美しさもさることながら、「片方のつまみを動かしたら次に動かすのは反対側」というレベル14適正プレイヤーにありそうな(実際自分が抱えていた)固定観念を壊す意外性があります。サビ終わりのつまみは「流されて」という歌詞にピッタリの緩急の付け方が美しく、MXMよりも好きだったりします。

間奏に入りやや雰囲気が変わると同時に難易度も上がります。58小節のドラム合わせの鍵盤は打鍵音が大きいと爽快感激増。話はずれますが個人的にボルテの楽しさの3割くらいは打鍵音で、そのためだけに台やゲーセンを選んだりします。

BTロングが増えた、一サビの正統強化のラスサビです。73小節はこの譜面の中でも特に好きな箇所で、例の4音は左FXを16分リトリガーに、右FXをテープストップにすることで、さらに音を変化させています。フレーズをうまく改変させるこういったタイプのエフェクトは、相当曲を聴き込んで試行錯誤しないと思いつかないでしょう。

ただし68小節の配置はかなり取りづらく不親切で、この譜面で唯一好きではない箇所です。

ラスサビ後半という曲の一番の盛り上がりどころでは4分直角が入り、疾走感が倍増します。サビ後半から4分直角を入れるパターンはリズの内心革命[INF]や最終鬼畜フランドール・S[EXH]でもありましたね。


おわりに

あらためていくつもレッドホットスクリューズの譜面を見てみましたが、やはりPHQUASEと並んでエフェクトの完成度が飛び抜けてますね。特に「メロディの合間を埋めるエフェクト」を作るのがエフェクター中随一だと思います。音が少なくノーツを置きづらい箇所も埋められますし、ロキ[MXM]のサビ後の24分のように本来音が多くない部分を自然に難所にすることもできますね。

お読みいただきありがとうございました。次回は「譜面のリスペクト」をテーマにする予定です。

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