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メンデルスゾーン・チクルス〜メンデルスゾーンへの旅〜@ザ・シンフォニーホール

2023年8月25日午後7時開演
指揮:尾高忠明
ピアノ:務川慧悟
コンサートマスター:須山暢大
大阪フィルハーモニー交響楽団

はじめに

夕方、大阪駅に到着した私は前回通った道を歩いて行こうと人をヒョイヒョイ避けながら進んでいました。
その日は、自宅の最寄り駅駐車場に着いた時点から目の前にある列車ホームのただならぬ気配を感じてはいましたが、改札から入るとやはり遅延で9分遅れるというアナウンスが…間に合うかなぁ?
大阪駅には15分遅れで到着し、晩ごはんをゆっくり食べるのは終演後にしようと決めてホールに向かったのでした。


うめきた開発の様子
一応セブンでおにぎりを購入♪

ホール前でおにぎりと持参の最近ハマっているアイスティーでちょっと休憩してから入場しました。

務川慧悟さんが出演するこのコンサートは、全部メンデルスゾーンの曲が演奏されるということで、予習してからワクワクして来ました。

どの曲も、じっくり聴くのは初めてなので楽しみ〜♪

まだ演奏が始まる前からオケの方々は音出しをされていました。
オーボエやファゴットの人は特に入念で、多分休憩時間も出演時間もずっと吹いていたので、すごいなぁと休憩時間の音出しにも聴き入ってしまいました。

交響曲第5番「宗教改革」

さあ!始まりました〜!
なぜかこの日は、演奏前のオーケストラのチューニングの時に「チューニングの音が出ている時がとても好きだ。」と話していた母方の祖父の言葉が思い浮かびました。
趣味で学生時代からチェロを弾いていて、市民オケでも演奏していた祖父。
もう随分前に会えなくなったけれど、座っている私の横に来て一緒に聴いていたの?嬉しいな。

交響曲第5番「宗教改革」は、曲名から連想されるような厳かな部分もありつつ、第2楽章は明るい軽やかな音が楽しい曲でした。
最終楽章はコラール「堅き砦」(ルター作曲)のメロディーが所々に現れ、壮大な音で締めくくられました。

ピアノ協奏曲第1番

次は、ピアノ協奏曲第1番、務川さんの登場です!
今回の座席はローチケで予約したので、座席の指定ができなくて、ピアノの近くかどうか確認できないままチケットを購入してしまったのですが、意外と舞台から近く、演奏しているお顔を見ることができたので良い席でした。
務川さんのインスタでリハーサルの模様をお知らせしてくれた時に、この曲はとても速くて…。」とは書いてありましたが、本当に休む間もなく演奏されていて、めっちゃ速い!「むかわさん〜〜、待ってぇ〜!!」と思いながら聴いていました。
全部で3楽章あるのですが、

全楽章をつなげて、「ひと続きのドラマ」にまとめる構想です。

公演パンフレットの曲解説より

このような特徴のある曲だったので、本当にあっという間に終わってしまったかのように思えてしまいました。
楽しい時間だから早く過ぎてしまったのかも…。
務川さんのピアノは、速くても正確で、歌が込められていて、小さな音にも豊かな響きがありました。
ソロで弾く所の音の美しさが、たまりませんねぇ…。すごく歌っている(ピアノで)のをひしひしと感じました。
メンデルスゾーンのこの曲も忘れられなくなりそう。

指揮者の尾高さんの指揮が、大フィルサウンドと務川さんのピアノを糸を紡ぐようにつなげて下さって、なんとも美しい音が広がっていました。

あんなに忙しい曲を演奏した後なのに、務川さんはアンコールに応えて一曲演奏してくれました。
バッハのイタリア協奏曲より第2楽章を。
ベースの音が曲全体を包み込むような、曲でした。

務川さんらしい言葉だと思いました。
アンコールを演奏中のバッハの音だけ聴こえる空間は、私を優しく癒してくれました。
一週間色々がんばって金曜日を迎えられて本当に良かった〜、と心から思えたんです。
務川さん、ありがとう。

交響曲第4番「イタリア」

最後の曲交響曲第4番「イタリア」は、今回の曲の中で一番聴いた事があって、親しみやすいと感じました。

イタリアでメンデルスゾーンは、まばゆい陽光と民族舞踊に感動します。
ローマ帝国やカトリックの伝統、ルネサンス・バロック美術である以上に、民衆の生活とそれを支える南国の風土・風景こそがメンデルスゾーンにとっての「イタリア」でした。

公演パンフレットの曲解説より

メンデルスゾーンの音のスケッチなんだなぁと感じました。
演奏後に尾高さんが、メンデルスゾーンは絵も描いていて、そのスケッチはとても美しいから一度見て、と勧めてくれていました。
絵でも音でも美しいものを描く事ができるなんてステキだ!と感激しました。
本当にメンデルスゾーンの絵を見てみようと思います。

コンサートの初めから終わりまで思ったのは、生の音楽ってやっぱり最高なんだ、という事です。
先ほど少しふれた私の母方の祖父は、防音室でいつもレコードを聴いていて自身の作ったスピーカー(真空管の…とか)などから発せられる大音響を楽しんで過ごしていました。
もちろんそこでチェロの練習もして、私や妹と3重奏を演奏したこともありましたね。
そこで聴いた大音響のオーケストラの音は、なんの曲だったかは忘れてしまっていても、ブォン♪と鳴り響く感覚は覚えていて、こうやってコンサートに行って音を聴くと私は音楽が大好きだと再認識するのでした。

おわりに

尾高さんは、大阪フィル音楽監督でもあり指揮者としてのキャリアもすごい方ですが、あの渋沢栄一さんが曾祖父という、(富岡製糸場の初代場長を務めた尾高敦忠さんも曾祖父です!)歴史的に有名な方の子孫でもあります。
演奏中はもちろんお話はされないのでどんな方なのかな?と思っていたら、全て演奏した後に何回か拍手と共に出てきてくれて、その後今日のコンサートについてのお話をしてくださいました。
先ほどのメンデルスゾーンの絵がキレイという話や、「メンデルスゾーンってすげえな!」と大フィルメンバーと気さくに話をした事など。
短いトークでしたが、かつてホールのそばにあったプラザホテルのご馳走が美味しかった、なんていう昔話まで飛び出してきて、面白かったです♪

そして、何よりも嬉しかったのは、尾高さんが「務川くんと今度はなんの曲をしようかと」お話をして下さったという事です。
ご自身も、あまり共演者と次の演奏の話をしないんだけど、と話していたので、このようなお話を聴くとファンとしてはとても嬉しいな、と思いました。
帰りに歩いていた時も、他のお客さんが「次も共演してくれるなら、ベートーベンがいいなぁ。」と話しているのが聞こえて来ました。
どうですか、務川さん?

帰り道もとても気分がよくって、大阪駅まで夜散歩して帰って来ました。


コンサート中は警報が出ていて結構雨降りだったようですが、歩いた時間は雨が上がっていました
都会だ〜


帰りは大阪駅で氷見うどんをいただきました😋
ぶっかけとり天♪

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