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リスナーとしてのVR音楽イベントの楽しみ方

この記事はVR音楽ユニットmemexが企画されたVR音楽活動のススメ Advent Calendar 2020に参加した記事となります。良ければ他の方の記事もあわせてお読みください。

はじめましての方ははじめまして。VRChatでモデリングをしたりワールドを作ったり、音楽イベントを楽しむリスナーをしていたりするnusa(ゆーくん)と申します。VR音楽活動のススメとなっていますが、私は特にこれといった音楽活動をしてはいません。ただ、リスナーとしてあらゆる音楽イベントに行っては楽しんでるだけのリスナーです。そしていろんなイベントに行って思ったことが、プレイヤーは多いのにリスナーが少ない!ということでした。ただ皆いきなり音楽イベントに来ようぜ!と言われても何が何だかわかってない人も多いと思うので、まずはイベントの参加者側が気を付けたいこと、注意したいこと等について書いていこうと思います。
とりあえずまず、VR音楽イベントにはどのようなイベントがあるのか、VRChatのクラブイベントだけでもこれくらい…

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これがすべてではなく、例えばこの記事のヘッダーに使用している画像は御丹宮くるみさん主催のVocaRCというクラブイベントの集合写真だったり、あるいは最近の情報で言うとNOIREさんが主催されているZENITHというクラブイベントもあります。イベントのオーガナイザーが単発で企画するイベント(VR蕎麦屋タナベ氏企画田植えDJや餃子Forceしつじい氏企画の記念イベントなど)もあります。
これらのクラブイベントに加えて頻度が高いもので言うと、

毎週土曜日23時~27時/日曜日15時~23時生演奏イベント
Open Mic Bar -Spot Light Talks-(店長AONEKO/青猫氏)

毎週月曜日・水曜日朝9時~ 名曲喫茶「華麗堂」(店主Mosco氏)

毎週木曜日 C3定期サイファーイベント(主宰Seathree氏)

不定期開催
VRC魔族Bar Abyss(オーナーしえる氏)
BAR MOONWALK(店長aika氏)
CLUB Refrain(オーナーOz氏)
V-kitazawa AWAKE(店長Coquelicots氏、オーナーYAMADA氏)
ヒノシズムMoonlit3号店ライブハウス(神主 月ノ宮みこお氏)

などの生演奏・ライブイベントもあります。
アルテマ音楽祭、くらげビート(cluster/VRChat)、memeと森と蚕(cluster/VRChat)のような総合演出も含めたものや、VRならではの楽しみ方をするならパーティクルライブイベントも音楽イベントのうちの一つですね。
VIRTUALIZE REALIZEでも使用されますが、VRChatのバーチャルエンタスのワールドでは現実のエンタスでのイベントを中継して現実と繋がる音楽イベントもあります。VRChatで人の多いワールドに行くと野良で弾き語りやDJをしているストリートミュージシャンみたいな方々もいます。
これらは多くがVRChatの日本人コミュニティのイベントですが、海外コミュニティにも多くのイベントがあります。
さらに言うとVR音楽イベントはVRChat/cluster/現実だけではなく、バーチャルキャストで開催されていた初音ミクコラボイベントやVRライブアプリVARKでのライブイベント(有料)などもあります。
ここまで読んでお分かりの方も多いと思いますが、もちろん一人ではすべてのイベントには行けません。
VRChatだけでも3つくらい同時にイベントが開催されていたりするくらいで、なんかもう凄いんですよね…(語彙力)

この記事では特にコミュニティの規模が大きいVRChatの音楽イベントの楽しみ方について書いていこうと思いますが、VRChatの音楽イベントが他のVRプラットフォームと大きく違うのは、ステージ上の演者と同じワールドでリアルタイムに双方向でコミュニケーションが取れることがまず挙げられると思います。このことはライブやクラブにおける臨場感をより現実のそれに近づける効果がある反面、ワールドやアバターによるPCへの負荷が大きくなります。するとフレームレートが下がってVR酔いしやすくなったりVRChatがクラッシュしたり、ひどいときにはPCが壊れることもあります。

1⃣アバター

リスナーとしてイベントに参加するときに気を付けたいのは、まず自身のアバターについてです。音楽イベントでステージに立つ人は客席の全員のアバターを視界に入れることとなりPCに相当な負荷がかかるため、イベントによってはアバターの使用制限があることがあります。

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①アバターランクについて
VRChatでは各ユーザーがアバターを身にまとって参加していますが、アバターには容量負荷の観点からアバターランクというものが設定されています。詳しい内容はVRChat公式から見ていただくとして、ここではVery Poor、Poor、Medium、Good、Excellentの5つのアバターランクがあるということに触れておきます。ダンス系のイベント(Ghost ClubやSilent Club、VRChat Mingle Space等)では揺れもの(スカートや紐など)の再現のためにDynamic Bone(Unityの有料コンポーネント)やCloth(Unityのコンポーネント)の使用によりVery Poorアバターが多いです。招待制イベントやReq Invite制イベントではMedium以下、できればGood判定以下のアバターを用いる場合が多い傾向にあると思います。周囲のユーザーの負荷が高くフレームレートが落ちたりゲームがクラッシュする場合はVRChatのメニューからSafetyを開いてアバターの見え方について調整することにより負荷を軽くすることができます。具体的にはDynamic Boneの非表示やフレンド以外のアバターを見えなくするなどです。

自分のアバターランクのチェックはVRChatのメニューを開いて"Avatars"から左下のAvatar statusで確認することができます。

また、特定のユーザの負荷が高い場合にはメニューを開いた状態でそのユーザーを選択し、Avatar Statusを確認したりHide Avatarをすることができます。

②アバターギミック

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Avatar Statsを見ると"Audio Sources"の項目があります。これは声を発していなくてもアバターから音声を発するギミックがついてるアバターがあることを示します。音楽イベントでよく見るアバターであれば虹色に踊り光るカカポ「Party Parrot」などですが、音声ギミックのついているParty Parrotや音声ギミックのついていないParty Parrot、2DのParty Parrotと3DのParty Parrotなど複数が存在するので、Party Parrotに限らずとも音楽イベントに参加する場合のアバターは少なくとも音声ギミックのついていないアバターで参加することを推奨します。

③イベント指定アバター

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イベントによっては完全にアバターが指定されているイベントもあります。これは主にYouTubeやTwittch配信のあるイベントや、他人の視界を邪魔しないように配慮する必要のあるイベントで指定されることが多いです。特に生演奏・ライブイベントの場合は会場に指定アバターのペデスタルがある場合が多く、Spot Light Talksの特別イベントやV-kitazawa AWAKEのライブではアバターに会場ロゴが追加されたイベント用アバターがあります。今年の夏に開催された盛夏音祭'20のDay1とDay3ではサテライト会場で指定アバターに着替えてからの参加となっていました。これらのアバターは軽く感情表現ができる程度に表情もあり、かつ容量が軽く、さらに共通アバターを使用することでPCへの負荷を軽くすることを目的としています。
また、主にパーティクルライブイベントで見られるアバターとして透明アバターがあります。透明アバターはパーティクルライブを見る時に背後の人の視界を遮らないように用意されたアバターで、適度な感情表現を行うために両手のサイリウムのみ表示されているサイリウム付き透明アバターなどもあります。透明アバターはパーティクルライブ用ワールド「PERFORMANCE SPACE」などで手に入ります。

2⃣参加方法

現実世界でも同じですが、VRChatで行われる各音楽イベントにはワールドの都合により参加定員が設定されています。このワールドの定員を超えると別の部屋(これを以降インスタンスと呼びます)に飛ばされて一人ぼっちになったり、そもそも音が鳴っていないなんてこともあります。アバターを着替えていざJoin…!の前に、イベントに予約が必要か不要かなどを確認して参加する必要があります。

この時に必要な知識として
VRChatのインスタンスは公開範囲の設定ができ、
Public:誰でも入れる
Friend+:主催のFriendや主催のFriendのFriend、主催のFriendのFriendのF(ry…が入れる(つまりほぼ誰でも入れる)
Friend Only:主催のFriendのみが入れる
Invite+:インスタンスにいる誰かにRequest Inviteを送って承認されれば入れる。
Invite Only:インスタンスのオーナーにRequest Inviteを送って承認されれば入れる。
の5つがあるということを覚えておきましょう

VRChatの音楽イベントの見つけ方は大きく2つほどあります。1つはTwitterでやDiscordで見つける方法、もう一つはVRChat内のイベントカレンダーなどで確認する方法です。音楽イベントに参加したい場合はだいふくさんの作成したVRChat Music Event Calenderを見ると把握しやすいです。これらの告知には必ずと言っていいほど「インスタンスは◇◇で開きます!〇〇にJoin or Reqest Invite!」のような文言が記載されています。
この◇◇にはインスタンスの公開範囲設定、〇〇には主催や演者のVRChatIDが入ります。

Friend+のイベントではそのイベントに参加しているFriendにJoinすれば誰でも入れます。イベント参加者の誰ともFriendではない場合は主催や演者にFriend申請を送るとJoinしやすくなります。
Friend Onlyのイベントではイベントの主催にJoinすれば入れます。つまり、あらかじめ主催とFriendになっておく必要があります。
Invite+/Invite Onlyのイベントは予約不要の場合は多くが主催にReq Inviteを送って参加する形になりますが、予約制のイベントでは主催側からInviteが送られた人だけが参加できるイベントとなります。Invite+とInvite Onlyの違いは、インスタンスのオーナーがインスタンスから出てしまったときにRequest Inviteで入れるかどうかです。

これからも通い続けたいor何回も通ってるイベントならば主催や演者をFavorite Userしておくとイベントに参加しやすいです。イベントに参加するためにFriendを送った場合はTwitterのリプライ等でフレンド申請した旨の連絡をするとなおよいです。これはbotによるフレンド申請からアバターが無断でコピーされたりイベントに荒らしが来たりすることを防ぐためです。

3⃣Joinした後の色々

Joinした後、イベントによっては気持ちを抑えてやることが何個かあります。
まず、ワールドによっては説明書きがある場合があります。そのイベントへの参加が初めての場合はこの説明書きをちゃんと読みましょう。知らずに入って楽しめなかったり、迷惑をかけて追い出されたりしても説明を読まなかった自身の責任です。

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多くの場合はアバターや負荷軽減の方法等のVRCのことについて、イベントの趣旨や主催からのコメント、イベントDiscordの案内やTwitch配信等をしている場合はそのURL/QRコードなどが掲示されていたりします。ダンスイベントに限らず、VRをかぶっている場合は動きに制約が出たりするので現実世界に支障となるものが無いかどうかの確認や、飲酒をする場合は各自自己責任等の注意が書いてあることもあります。特に最近の音楽イベントで多い記述はよしたかさんが製作されたTopazchat Playerの扱い方です。
パーティクルライブを除く音楽イベントに欠かせないアセットとなりつつあるTopazchatですが、これは演者がTopazchat StreamerやOBSから音声・映像を配信しワールドに置かれたTopazchat Playerから高音質低遅延で再生できる素晴らしいアセットです。多くのワールドではイベント中にJoinすると自動で再生されるのですが、アバターの読み込み中や何かバグが発生した際に再生が止まったり音声がプツプツしたりことがあります。その際にはワールドに設置されているResyncボタンを押すと再生が再開/改善することが多いですが、もしそれでも再生されない場合はVRChatのキャッシュの削除等を行うか、配信がある場合はそれをバックで聞きながらイベントを楽しみましょう。

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また、招待制イベントの場合はVRChatのメニューのSocialにあるEdit Statusの指定があることが多いです。Statusには青、緑、橙、赤の4段階がありますが、招待制イベントでは基本的に青以外のStatusに指定されます。というのも、Statusが青だとRequest Inviteが自動承認となり、招待制イベントに参加している青Statusの人にInviteを送れば実質誰でもイベントに参加できてしまうからです。よってそれ以外のStatusに指定されます。
パーティクルライブイベントの場合は説明書き等はあまりありませんが、演出中に途中からjoinするとパーティクルライブが正しく同期されないことがあるためSocialのStatusについて開始時に主催から案内があることが多いです。
Friend+で開かれたパーティクルライブイベントで演者とFriendではない場合はパーティクルライブの演出の都合で見えない演出が発生する場合があるので必ず演者とFriendになっておきましょう。Avatarの読み込みが完全に終了したらパーティクルライバーを必ず視界に入れておきましょう。これはVRChatの仕様上、パーティクルライブの再生開始時に視界に入っていない場合はパーティクルライブが再生されない可能性があるからです。

ここまで出来たらステージの前で皆で音を楽しみましょう。イベントで制約がある場合もありますが、隅っこでおとなしく聞くのもよし、音楽をBGMに他の参加者と喋るのもよし、酒を飲むのは自己責任でよし、ステージ前で床になるのもよし、VRChatのメニューから絵文字を送るのもいいし、踊るのもまた音楽への愛の表現方法です。私はたまに音楽が気持ち良すぎて寝ることがあります。参加者が楽しんでるのを見ると演者もうれしいと思います(憶測ですが)。あ、それと多くのイベントでは写真撮影は許可されていても動画撮影・配信は許可されていない場合が多いので楽しむ場合は個人利用の範囲で、それだけは注意してください。

4⃣イベントの最後に

何らかの都合でイベントの途中で抜けたりすることは多いと思いますが、主催者が気にするかな…とかの心配はあまりしなくてもいいと思います。あくまでVRChatはアーリーアクセスのVRゲームです。そもそも音楽系イベントだけでこんなに多いのだから他のイベントももっと数多くありますし自分自身が行きたいところへ行くというのが一番良いと思います。

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ただ、最後までイベントにいるとVRChatでは恒例の集合写真があることも多いです。VRモードならぜひカメラをワールドに固定して列に並びに行きましょう。デスクトップユーザーはカメラが出せないので列に並びながら集合写真のカウントダウンを待ちましょう。誰かがカウントダウンをしていい感じの写真が撮れたらTwitterとかでハッシュタグをつけてツイートしてみましょう。きっと主催や演者さんが喜びます。今回のイベントよかったな~と思ったらDiscordサーバーに入ったりしておくとイベントを追いやすいですし、自身もイベントに出演したいなって思った際にも活用できます。TwitterをフォローしたりYouTubeのチャンネル登録をしたりBoothで楽曲を買ったりAmazonの干し芋のリストからプレゼントを贈ったり、演者さんの活動継続の支援をするとすごく喜ばれますが必ずしも必須ではないです。

5⃣これだけは絶対…!

人に迷惑をかけないこと

自身に何かあっても原則自己責任

そして最後に…


イベントを最大限楽しみましょう!


色々書きましたが、結局はVRChatの音楽イベントに来るリスナーが増えてほしい!というそれだけのことです。あなたがイベント主催者や演奏者じゃなくていい、EDMerやDJじゃなくてもいい、歌い手でもダンサーでもなんでもなくてもいい。ただVRで音楽を聴きたい、その気持ちがあれば誰でもイベントに来て楽しめると思います。

初めての人には

Welcome to the Virtual Reality World!

そして

Let's Enjoy Music!


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