【連載】ほぼ週間《活動日誌その2》 〜スクール編 チームに所属しない子どもたち〜
《いわゆる、フニーニョ的な何かがもたらすもの。》
今年度、U14の監督とともに、スクールのコーチも同じくお仕事をいただいています。
今のところ、育成年代で、法人化して活動をしている組織・団体は、
「スクール事業」 「チーム・クラブ運営事業」 「両方行っている」
の3つに分類されるかと思います。
ビジネスモデル的には、やはり一人当たりの売り上げの面で、
「スクール事業」
が抜きん出ています。
ただし、サッカースクールも乱立している一方で少子化傾向ということもあり、
スクール事業の中には、厳しい状況に陥っているところも、じわじわとでてきていると言えるでしょう
個人的に、ようやく、1年かけて、子供達が、
「サッカーするようになってきたなぁ」
と思っているので、
その取り組みの内容の振り返り用の日誌です
【与えられている環境】
週1回
幼児→50分
小学3、4年生→70分
5,6年生→80分
となっています。
使用できるピッチはフットサルコート1面
幼児は、現在2名
3、4年生は10名
5,6年生も10名
人数、スペース共に、比較的、指導しやすい環境で、仕事をいただいております。
【スクールの果たす役割・存在意義ってなんだろう?】
「スクール」
というものが果たす役割について、昨年度から、スクールのお仕事をいただくにあたって、考える機会が増えました。
昨年度から仕事をいただいている、スクールのクラスは
「一般クラス」
というもので、
「普及」
がメインのコンセプトとなっています。
参加している子供たちの多くは、
「チームに所属していない」子どもたち
で、このスクールの場が、
「サッカーをする場」
となっています。
その子たちにとっての、「スクール」という場は、果たして、どのように子供たちからは受け取られているのか。
「対外試合がない」「チームではない」
《サッカー》
とは、なんなのか、と。いろいろ考えました。
【取り組んでいる内容】
仕事をいただいているスクールからは、具体的な指導内容等の指示はいただいていませんので、
自分なりに、コンセプトを整理し現場に立っています。
その中で、自分の中で、スクールコンセプトとして掲げているところでは
①「サッカーをすること」
②「ゲーム性を常に持つこと」
③「チーム形式で競う時間をたくさん作ること」
です。
①「サッカーをする」
という点でいうと、
まずは、TR時間内に、「試合」の時間を多くとる、ということ。
具体的にはTR時間の5割程度を毎回試合にしています。
ただし、「試合」は、
通常のフットサルコートの試合ばかりではなく、
4ゴールや、6ゴールで行い、
人数も、1チーム 2人〜5人と、バリエーションは様々です。
フットサルコートなので、一般的に考えると、もしかすると
5−5でゲームすることが多いかもしれませんが、5−5形式の割合は、かなり少ないです。
いわゆる フニーニョ的なものです
6ゴールゲームなんかは、真ん中のゴールはボーナスゴールで3点!
とかよくやっています。
フットサルコートで試合を行う場合、多い人数で、4−4での試合が主になります。
2−2や、3−3の4ゴールゲーム等の後、4−4の縦長のゲームを行うことがほとんどです。
理由はいくつかありますが、サッカーという「スポーツ」「遊び」を伝えることを考えるときに、
「味方、相手がいて、ゴールにボールを入れあい、得点を競い合うこと」
を理解させてあげること、そして、その楽しさを学ぶこと
が彼らには、一番だと、考えているからです。
これは、チームに活動していないから、ということもありますが、そうではなくとも、
育成年代においては、非常に重要なコンセプトなのではないかと思っています。
テクニックや、戦術は、「試合」を楽しめるからこそ、
「試合に勝つため」
に存在しているので、彼らの中に「対外試合」が存在していない状況で、
「サッカーの楽しさ」をよく知らない状況の彼らに、
テクニックや戦術は果たして必要かというところです。
②「ゲーム性を常に持つこと」
では、
単純なドリル形式のトレーニングを基本的に行わず、何らかの形で、
勝ち負けが発生し、参加者が相互に関わり合い、ルールが存在する
形で、トレーニングメニューを構成するということです。
アナリティック、グローバル、インテグラル、システミコ・・・ポゼッション、オレアーダ。。。
色々ありますが、ひとまずおいておきます。
年代に合わせて、鬼ごっこ形式であったり、様々です。
③「チーム形式で競う時間をたくさん作ること」
というのは、トレーニングの内容を、②で書いたように常に「ゲーム性」を持たせ、
それを、
「チーム対抗形式」
にする、ということです。
これは、「サッカーがチームスポーツであること」から来るコンセプトです。
個人で競う形は、W-upの場合と、クアトロゲーム(少人数ゲーム、毎試合チーム入れ替え、個人で得点競う)
の際です。
矛盾しますが、クアトロゲームは、「スクール」だからこそ、定期的に月1程度で行っています。
そんな感じで継続して活動して、それぞれの選手が、
顔をあげて、相手の場所を確認し、どこから、ゴールに向かおうか?
と考えたり、
味方のポジションを見て、誰を使って、チームとして、ゴールを奪いに行こうか?
と考える、姿勢が見えてきています。
特に、高学年の選手たちは、「チームで行うもの」「ゴールを奪い合うもの」という概念から外れたプレーが、
正直、当初は多かったのですが、ようやく、その辺りの意識が変わってきたように思います。
ボールを運ぶ
というテクニックの習熟度に比べ、
ボールを止める
ボールを蹴る
というテクニックがあまりに低かった、ということも、「チームで」という意識の希薄さを表しているかな、と。
最後に・・・
誤解を恐れずに、正直にいうと、これまで担当してきたスクールコーチの指導により、もたらされた弊害だな、と感じました。
スクールだからといって、サッカーの本質である「チームスポーツ」であることは、常に外してはいけないと、個人的に思っています。
だからこそ、「一般スクール」のコーチは、特殊であると同時に、
「一般スクール」が 子供達にとって、「サッカー」を知らない状況で、「サッカー」を始める場 だとすれば、非常に難易度が高く、重要な役割をになっている
ということだと思いました。
スクール事業を営んでいるところの中では、「チーム」での指導経験のない、若手指導者が、「指導者のスタート」として、安易に「スクール」の現場を任されている状況を見聞きしますが、結構な愚策だな、と最近痛感しております。
一般スクールの「普及」コーチほど、サッカーを深く知り、子供達を楽しませ、いかにサッカーをわかりやすく時ほぐして、「遊び」の中で、子供達に提供していけるか、というスキルが必要だなと。
ただ、試合をやっていればいいわけでは当然ないわけで、その辺りのさじ加減というものは、一般スクールだからこその難しさが、あるな、と。
おまけ
ときに、「習い事」の「ボールを蹴って体を動かす」という事業に、振り切って、事業を展開しているところ、指導者もいますが、それを明確にせず、いろんな餌を巻いて、金儲けしている人とは、個人的に仲良くはなれないですね。
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