第一部 1-1 始まり

いつも私のnoteをご覧いただきありがとうございます。

少し予定よりも時間が空いてしまいましたが、
今回から私のフィクションのお話が始まります。

※本投稿までが無料で公開となる予定です。

ではでは前書き云々は省いて、早速本編に入ります。。。

【人物の一部紹介】
◯鹿島 拓哉(カシマ タクヤ)
本作の主要人物。画家を目指している。
※本作における「私」とはこの人物を指す。

◯菊井 麗美(キクイ レミ)
本作における主要人物。
彼女もまた、会社員として働きつつ絵を描いている。

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20X X年12月7日

神奈川県の美大に通っていた彼は、将来画家として活動することを目指していた。
課外でも絵を描くことが好きだった私は、実力試しとして、東京都江戸川区にて開かれたとある絵画の公募展会場に参加した。

その公募展には、多くの部門があり、絵画だけにとどまらず、彫刻・工芸・写真など様々だ。そう言うわけもあってか、毎年大勢の参加者が集うため、自分自身の画力がどの位置にあるかを確認するにはもってこいだった。

とは言ったものの、私はまだ絵を本格的に勉強し始めたばかりの若造だ。
長年画家として活動している人たちと競いあえる自信もなかったため、新人部門にエントリーした。

会場で新人部門のライバル達と私の絵を比較してみたが、おそらく金賞を獲ることは難しそうだと率直に思った。
渾身の出来の作品を持っていったつもりだったが、正直甘かったと言わざるを得ないだろう。(後に私の作品は銀賞となった。どうやら細かい描写がしっかりと表現されていたことが評価されたらしい。)

他の作品も今後の参考として見ておくか、と会場内を回った。
そのときに一枚の絵を見つけた。
一般的な既成概念や固定観念に囚われない、現代的であり独創的なその画風にまだまだ「一流」とは言えないが、底知れない才能を感じる絵を。

「他の作品とは一線を画す絵だけど…何だかみたことあるな。
 出展者は…菊井麗美…。」
そうだ、SNSで見かけたあの人だ。
私は、自分の描いた絵を定期的にSNSにアップロードしていた。
いわゆる自己満足というものだったが、ある程度フォロワーも増え、実際には会ったこともない絵描き仲間とコメントしあったりしていた。

そんな時に見つけたのが彼女の絵だった。
ある日、突然現れた彼女のポテンシャルの高さには多くの人々が注目していた。
学生時代は趣味程度に絵を描いていたが、友人に勧められたのをきっかけに本格的に画家を目指して活動し始めたそうだ。
人物画に長けた有名な画家に弟子入りし、みるみる実力をつけてきていたので、私自身も注目していたし、相互でフォローして何度かやり取りをしたこともある。

まさか、同じ公募展に出展していたとは思わなかった。

そう驚いている時に偶然、会場にいた彼女を見つけた。
私はすぐに声をかけた。

彼女も私のことを認知していたらしく、軽く話をした。
その日は、お互いの出展した絵や普段の練習について話し、これからもお互い頑張ろうということでその場を後にした。
(ちなみに彼女の出展した部門には、ベテランの画家がいたらしく惜しくも金賞は逃してしまったそうだ)

その後、私は美大を卒業し、関東地方のとある県で絵画教室に就職した。
小さい子供からご高齢まで、幅広い方々に絵を教えながら自分自身も絵を学び続けた。

〜約1年後〜

SNSで繋がっていたフォロワーと集まって、絵の合同練習をすることになった。共通の友人がいるようで、菊井さんも来るらしい。

あの日以来、彼女とはSNSで何度かやりとりはしたことがあったが、これといって会うこともなかった。
※その頃、彼女はとある作品をSNS上で大きな反響を呼び、その界隈ではある程度名が知れるようになっていた。

練習会当日、私はアトリエスペースに1番に到着した。
2番目に彼女が到着した。

注目度も上がりちょっとした有名人になってはいたが以前会った時とも変わらず、接してくれた。
しかし、会うのは2回目なのにもかかわらず、すごく友好的なのには少し驚いた…(が、それは言わないでおこう)

※少し話を飛ばします。(グダるので…)

練習会以降、二人は頻繁に会うようになった。
過去に同じスポーツをやっていたり、共通点も多く、意気投合するまでに時間は要さなかった。

程なくして、二人は交際を始めた。
一緒に絵を描いたりするだけでなく、週末はどこかに出かけたり、互いの住まいでくつろいだりと充実した日々を過ごしていた。

そうやって幸せな日々を送っていったのち、二人は同棲を始めた。
もちろん結婚を前提にしたものだった。

ちょうどその頃、菊井は、とある経営者にその資質を見出されたこともあり、画家一本で活動することを決めていた。
同棲を始めるタイミングとしては、最適だったのかもしれない。

二人は、春の終わりごろに同棲生活をスタートした。
私は掃除、菊井は洗濯など、たがいが得意なことを担当しつつ、順調に日々を過ごしていった。

「あかの他人同士が生活するわけだから、多少ぶつかり合うことはあるもののこれからは幸せな日々が続くんだろうな」と私は考えていた。

当然、この時の私には知る由もなかった。
これから二人の間にとどまらず広がっていく、様々な出来事を。
二人の結末がどうなっていくのかも。

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今回は以上です。
導入部分は、設定を理解してもらうために細かく書きましたが、
これからの展開は後半部分のように淡々と書き連ねていく予定です。

次回以降は有料とさせていただきますので、何卒ご容赦ください。

※本noteで得た収益につきましては、全て保護猫活動に充当していきます。

世の中にはケガ、病気、または環境に恵まれない猫達がたくさんいます。
そんな猫達を1匹でも多く保護し、適切な治療を施し、環境を整え、安心できる飼い主さんを見つけたい(もしくは最期を見届ける)と思っています。

私の稚拙な話が、かけがえのない命を救うために活用できるのであれば、それはこの上ない幸せです。

では、次回の作品を楽しみにしていただければと思います。


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