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個人の指導上のこだわりと、採点基準は別に考えたほうがいい

(例 1 )関数 $${y=(x^2-2x-1)^2}$$ の最小値を求めよ。
(例 1' )関数 $${y=(\sin {x}-\frac{1}{3})^2}$$ の最小値を求めよ。

(例 1 )では、最小値をとる x の値も求めるように指導する方が多いようです。それは、

①「最小値をとる x の値は、必ず求めなくてはいけない」

という主張があるからです。

これには反対意見も多いです。$${t=x^2-2x-1}$$ のグラフを描いて $${t}$$ の値域を得て、その下で $${y=t^2}$$ のグラフを描けば十分でしょ、また(例 1' )のときはどうするんだ、というものです。よって、①を数学上の普遍的規則とするのは、どう考えても、誰が言ったとしても、何に書いてあったとしても、無理があります。

ただし、生徒に①を指導することは、許容されると思います。そうだとしても、テストでは①に反する答案もマルにすべきでしょう。$${x}$$ の値を問いたければ、そのような問題にすればいいだけです。

「指導上のこだわり」と「採点基準」については、数学に限らず、いろいろ問題だなあと思って見ています。例えば、漢字やひらがなの形は、指導上のこだわりがあったとしても、採点上は寛容であってほしいところです。

「疑わしきはバツせず」

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