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小野不由美 十二国記『漂舶』 初読

【漂舶】

漂舶……やっと読めた………
今まで存在は知ってだけど手に入れる手段がなく……
ここまできたらあとは国立国会図書館に寄贈されてる伝説の同人読みに行かないとなと思ってます。
それは置いておいて漂泊。
延の話だとは知ってたけど閑話休題みたいなほんわか話だろと思ってたら、(十二国記にほんわかを求めるな)まさかの斡由がこんなに関わってくるとは思わず。
海神の読み方も180度変わる短編で、まさかかここまできて海神の読み方が変わるとは思ってなかったから。
これだから十二国記ってめちゃくちゃ面白いんだよな
視点を変えただけで今までの読みが全部崩れるレベルの読書体験できる本、他にない。
更夜と六太の対比はわかりやすい対だったけど。
でもまさか尚隆があそこまで斡由に対してあんな感情を抱いてるとは思ってなかった。私も斡由はただの小物でその自己承認欲求とかにはものすごく嫌悪するところがあったし、でもそれって本当に斡由って人間が嫌いだからなん?って突きつけられた感じがすごい。
そうかもしれない 斡由は明日の我が身で、自分の未来かもしれなかった それを、白銀を読んで痛いほどに理解したはずだったのに こんなにも"はず"だったとは。
斡由に対して、認められたいと思うことはそんなに悪いことなのか、ってその斡由の祈りのような願望とか欲求を丸ごと飲み込んだ尚隆はどんな気持ちだったんだろ
斡由は尚隆の対で、対だけど自分は斡由で斡由が自分であった可能性もあって、読者が斡由であった可能性もあって、そんな色んなパラレルワールドが一気に繰り広げられる中で尚隆が斡由の願望をそこまで悪いことなのだろうか、って問い続けてくれるのは なんというか "私"が救われる感覚に近かった
碁石が100溜まるいつかの未来までに、この国が続いてるのって尚隆が斡由のことを忘れていないってウエイトが占めるなんと大きいことなんだろう
私が嫌悪して避けた人をここまで丁寧に拾い上げて、そして尚隆が"延王"としての立場で立ち続けるための一つの大きな支えになっているとは思ってなかったから衝撃も衝撃
そして白銀を読んであんなに色んな感情を抱えさせてもらったのにも関わらず、尚隆から斡由に対しての感情を少しも疑わなかった自分にも衝撃。
白銀を読んで視点を変えた先に見える物語にあそこまで感動して学んだと思ったのに。
取り敢えず海神をまた読まなきゃ、ってすごい急かされたような気分になった まだ読めてないけど今日帰ったら読みます。 いまなら斡由に対してもう少し色々思いながら読める気がする。

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【ガイドブック】
寄稿イラスト、思ったより偏った。やっぱ珠晶ちゃん強い〜〜 そりゃみんな大好きだわな
芥見とか絶対に絶対に阿選と驍宗様で来ると思ってた。まさかの激ツヨ陽子とは。どう考えても天与呪縛でフィジカルギフテッドが与えられた世界線の陽子。禅院家壊滅させられる。
チカせんせのチビ珠晶、おにかわだった。
寄稿者、全員エグ豪華すぎて全員やばかった。

特に編集さんの話めちゃオモロで特に小野主上が「そんなに重版して大丈夫ですか?売れ残ったら行商することになりますが?」って言ったところめちゃ好き。私も手売り手伝います!!!!!手伝いたいです!!!!
辻村せんせも言ってたけど初期原稿が『戴』だったの鬼カッコよくて好き。
発売日に書店行って、ただ一言『戴』って本が並んでいたとしたらその場で腰から崩れ落ちてたかもしれない。あまりにも良すぎる。
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ちょっとこれから丸善丸の内のポップアップに行くので取り敢えず今日はここまで 多分後で追記します。
原画展も画集もめちゃくちゃ楽しみですね


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