嘘をつくことについて

嘘も方便という言葉があるが、可能な限り嘘はつかないほうがいい。が、残念ながら円滑な人間関係を構築するのであれば時には本心をほうが良いこともあるのは事実だ。今回は嘘をついていい基準についてだらだら書きたい。

そもそも、人はなぜ嘘をつくのかというところを話そう。理由は簡単である。保身のためだ。相手の心証を悪くしないよう、あるいは、自分が不利益を被らないよう嘘をつく。なんとも身勝手な理由であるが、明らかに相手が自分に危害を加えようとしているシチュエーションであれば、嘘をつくことで助かる命も出てくるわけだ。まあでも、そもそもそんなシチュエーションは稀だろう。あなたが何か隠し事をしたいとき、相手に本心を悟られたくないときには嘘をつくべきだろう。ただ隠すだけでは相手は勘繰り、いらぬ噂を立てられるやもしれないからだ。

とはいうものの、嘘をつく、あるいは本心を偽ることというのはまあ割としんどいもので、誠実な人やまじめな人であれば心に疲れを感じるはず。もし、日ごろの生活の中で嘘をつくことに対して後ろめたさを感じたのであれば、その時点で嘘をつく、偽るのをやめて、真実を告げるべきだろう。真実とは時に残酷で、大いに人を傷つけることになるかもしれないが、嘘を見抜かれたときの代償よりかはましだ。嘘を見抜かれたとき、相手は傷つくだけでなく、あなたは信用も失うことになる。

人間関係とは面倒なものである。嘘はそういうめんどくさいものを手っ取り早く解決してくれるが、多用しすぎると大きく信頼を失う。嘘とは劇薬である。ゆえにその使い方を誤らぬよう気を付けねばならない。本当のことだけを伝えながら生きることは難しいが、極力、嘘偽りのない生き方をしたいものだ。

最後に個人的に感じていることなのであるが、嘘をつけばつくほど、自分から幸せがこぼれ落ちていく気がしてならない。一つ嘘をつけば、自分の願う幸福な人生から一つ遠のく。嘘偽りは幸福をもたらすことはない。嘘偽りの先に待っているのは虚無だ。

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