『アノニマス・コード』感想メモ

※これは2022/8/21にふせったーで投稿した、『アノニマス・コード』をプレイした際の感想覚書を、自分の記録用に再掲したものです。

ネタバレあり。(良かった点と勿体なかった点両方書いてます)ハロー・ワールドが出てくる前に発売できていれば、今よりももう一段階評価が高かったろうな……

なお、科学アドベンチャーシリーズはカオヘ・カオチャ・シュダゲをプレイ済み。

◆良かった点
・OPがカッコいい
いま科学アドベンチャーシリーズやってるんだ!というわくわく感のあるカッコいいOPでした。
・システム面が凝っている
セーブ&ロードというゲームならではの仕様を逆手に取ったギミック。ポロン君とセーブデータのスロットを共有するのも、面白い発想でワクワクしました。まさか自分のセーブデータをポロン君が使うことになるとは……。
また、ARが普及している世界という設定で、ウインドウをオフにするとARもオフになるのは凝っていて、思わず「おおー」と唸らされました。

・ストーリー展開
今回は捻っているけどストレートで王道という塩梅。自分は好みでした。今回のストーリーだとマルチエンディングには出来ない(あのルート以外だと世界滅んじゃう)ので、いわゆるグッドエンドとトゥルーに絞ったのも納得。ボリューム不足だという感想を散見するけど、むしろ忙しい社会人的にちょうどいいと感じました。
(直近でやったノベルゲーが大ボリュームの月姫だったので、お腹いっぱいになっていた可能性はある)

・主人公
科学アドベンチャーシリーズには珍しく、ひねくれていない正義感のある若者でどうなることかと思っていましたが、等身大のポロン君に段々と惹かれていきました。声優のちばしょーのまっすぐな演技もよくあっていて、度々アノニマス君に呼びかけてくれるので、終盤にはすっかり肩入れしてしまいました。
また、モモもヒロインである以上に、この作品のもう一人の主人公であったと思います。出自も相まって使命だけを抱えて空っぽだったモモが、ポロンと出会い成長し、前へと踏み出していく姿は心動かされました。

・マンガトリガー
ここぞという場面で出てくるとやっぱりテンション上がる。特に、モモが小学校の消火活動をするため奮闘する場面のマンガトリガーは印象的でした。

・アマデウス
シュタゲから科学アドベンチャーシリーズに入った人間なので、否応なしにテンション上がってしまう。牧瀬紅莉栖本人ではなく、アマデウスが出演するのはいいバランス。その他にも、科学アドベンチャーシリーズの小ネタが散りばめられていて、ファンサービス良し。

・バンビちゃん
ファンになっちゃう。

・ジュノ
こういうオンナ、すき。初めは存在そのものがARホログラムというトリックかと思ってたけど量子テレポーテーションは反則でしょ。おっぱいが大きいから許すけど。

・古里久ケント
で、でた~~~~~怪しい櫻井~~~~~~。顔が良い。

・弓川クロス
ポロン君の相棒の杉田。無条件に信頼し過ぎててちょっと心配になる。

◆勿体なかった点
・シナリオ
いや~~~~シナリオ展開そのものは悪くなかったのに、地球シミュレーターという概念を扱うにあたって、ほんとにハロー・ワールドが先に全部やりたいことやっちゃったから、開発陣真っ青だったろうねお気の毒に……。
あとはどうしても他の科学アドベンチャーシリーズと比べてしまうので、エヴァの呪縛ならぬシュタゲの呪縛は強いですね……それだけシュタゲが名作だったという事なんでしょうけど。カオチャもあの独特のビターエンドでコアなファンも多いので、どうしても質やボリュームを比較してしまうのが辛いところ。特に後半が駆け足気味に感じました。

・トゥルーエンドが分かりづらい
いや、トゥルーエンドへの入り方は大丈夫だったんですけど。暗転後の、ライフゲームを起動して銀河を描くという操作にたどり着けなくて攻略観ました。ポロン君が滅茶苦茶アノニマス君のこと信頼して任せてくれたのにすまない……という気持ちになると同時に、いやでもここまでの情報ですぐその発想に至れるか?というとそんなことはないので、もう少しわかりやすく示唆してくれてもよかったのかなと。ライフゲームも正直あのとき初めて起動しました……ミニゲームは本編やってからやろうかと……。

・キャラクター描写
シナリオ展開面では十分だと感じたので、これだけボリューム不足という感想が出てくるのは、キャラクターの掘り下げが足らなかったのは認めざるを得ないところ。便利キャラと化してしまっていたカオルやリディさんも、バンビちゃんくらいの掘り下げがあればなー、とどうしても思ってしまいます。一部は多分、制作時間が足らなくて削ったんだろうけど……。
中盤の、ウインドくんがビルを登って時計を修理しに行くシーン、わざわざスチルを入れているのだから、あそこで臆病だけど友人の為に頑張ろうとする彼の勇気を描写するなり、AI彼女のヨミちゃんと会話させてひと悶着起こさせるなりしてもっと盛り上げられるだろうとずっと引っかかっていて……全体的にこういう、面白かったけどやりようによっては更に面白くできたよね?という惜しい部分が目に着いてしまう。
ヨミちゃんも後半居ないことになってて、もっとこの世界の設定上色々絡めたり伏線を張らせたりとできそうなのになー、と勿体なく感じました。
ちょっと前に、同じく発売延期を繰り返した末にシナリオを削って発売したゲーム、十三機兵防衛圏をプレイしてて、あちらはシナリオに不足を感じなかったのはなぜなんだろうと考えたんですが、やはりキャラクターの掘り下げを妥協するか否かで、プレイヤーの感情移入度合いが変わるんだなという所感です。(十三機兵防衛圏は確か2キャラ分ルートを丸々削っているはず)

・グラフィック
スチルやマンガトリガーの絵はかっこいいのに、立ち絵は急に……ちょっと解像度落ちました?

・原作者が炎上してる
クリアしてこの感想文を書く前に、ちょっと他の人の感想もみてるかと検索したら、ちょうど絶賛原作者が炎上中で悲しくなってしまいました……気になる点はあれどいいゲームだったなと思ったので、あまり自分の創作物を貶めるようなことは言わないでほしかったです。

以上、感想というか覚書でした。

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