Write&Improveの使い方の備忘録

妙な英語インフルエンサーみたいなことをしますが、知る限りほとんど日本ではWrite&Improveについては知られていないので、日本語情報の一つを増やすべく努めてみます。

以下、B1とかA2とかC1とか出てきますが、こいつはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を意味し、A1が超初心者、C2が超上級者というイメージです。


リンク

アクセス先はこれです。利用にあたってメールアドレスが必要ですが、無料です(ただしTEST ZONEは10回利用まで無料で、それ以降は金がかかるらしい)。

Write&Improvementとは

ケンブリッジ大が開発した、IELTS対策用のAI(GPT-3らしい)による英文添削サービスです。
IELTS対策用とはいいつつも、普通にエッセイを書くのも楽しかったりするほかに、大学入試対策にもなったりしそうだなあなどと思ったりしています。

日本だと英検とTOEICが強すぎるというのと、アカデミックな試験は米国英語とそれに基づくTOEFLが主流で、英国英語とそれに基づくIELTSはあまり見向きされておらず、IELTSの対策であるWrite&Improveも同様にあまり知られていない、というのがある気がします。
英語での使い方指南がありますが、私みたいなバカアホマヌケにはよくわからないし忘れるので、日本語で解説します。
https://help.writeandimprove.com/en/articles/3240638-getting-started-with-write-improve

トピックを選ぶ

登録したら、W&I workbookの画面になるので、適宜目的や関心によってテーマを選びます。

  • Beginnerは簡単なメールとか物語、写真の説明で、文字数はあまり要求されません(だいたい35語くらい)。全部英語なんですが高校受験にありがちなやつですね。目安のレベルはA2~B1下くらいです。A1はどうしたんだって話ですが、多分A1はそもそも文にできないです。

  • Intermediateは簡単なエッセイ(提案や手紙的な)や評論(Google Mapにあるレビュー的な)を書くもので、だいたい150語くらい(問題文に書いてある)で、目安のレベルはB1~B2くらいです。

  • Advancedはガッツリのエッセイ(意見文)を書くもので、だいたい240語くらい(問題にある)で、目安のレベルはB2以上です。

  • TEST ZONEは、Academic(学術系、英国やアイルランド、オーストラリアの大学(院)入試で使う)とGeneral Writing(一般的な試験)があります。

この他にBuisinessJust for funがあるので、それぞれの目的や気休めにいろいろ眺めて見るといいでしょう。

留意事項ですが、IELTS ACADEMICといえばグラフないし表の記述ですが、それはTEST ZONEにだけあり、そしてこいつは10件以上で課金になります。

書く

トピックを選んだら書いてみましょう。
問題文をよく読んで、下にスクロールすると解答欄(であるところの記入欄)が出てきます。提出に最低限必要な語数が満たされるまで、提出することはできませんが、語数は解答欄の下に表示されているほか、提出できる語数になれば提出できるようになります。
時間を図りたい場合は、画面右半分にTask Timerがあるので、問題を読むところから計測しましょう(本試験は読むところから開始なので)
書き終わったらCheckを押します。

添削とレビュー

長くても2分くらいでAIが添削をして、文法・語法の誤りやコメントをくれます。
画面右側のW&I Feedbackを見ると、自分が書いた英文について何らかのコメントがあるほか、文自体にオレンジ色のアミカケあるいはマーカーや、語彙等が明らかに誤っている場合はそこに指摘が入ります。
コメントについては、自分の英文がどんなレベル(A2~C2で評価)にあるのかのコメントがされているほか、Did you write about the question?の項目は、問題に対してどの程度答えられているかを表しています。これは例えば、「人間はすべてヴィーガニズムを受け入れるべき」というテーマに対して、賛成か反対か、そしてそれらを根拠に基づいて示されていれば評価が高く、トンチンカンな答えだったら評価が最低になります。

これらのコメントの下には、自分が書いた英文が指摘入りで見ることができます。スペルミスや文脈上不適切な語(例えばforceと書くべきところをenforceとした、など)には、!マークや▲マークなどで直接指摘が入ります。

オレンジ色のアミカケやマーカーは、当該文の中に何か文法的な誤りがある(例えば時制の一致とか三単現のsがないとかevery-複数にしているとか)ことを意味します。無論これは!や▲の指摘と両立するので、そこを直せばクリアできるかもしれませんが、多くの場合、ほかにも何か間違いがあります。
マーカーとアミカケの違いは正直よくわかりません(なぜなら使い方指南の動画でもちゃんと説明されていないので)が、例えば文法や語法に関する軽微なものはアミカケで、文脈的におかしいものはマーカーになっているような気はします。

改善と再提出

フィードバックを受けて、左側の解答欄の自分の作文を改善しましょう。ちなみにわからなかったらChatGPTに聞くという裏技があります(が、できるだけ自分で見つけられるようにしたほうがいいですよね、当然)。
改善したら再びCheckから提出し、フィードバックを受け、そして再び修正し、提出し、…を繰り返していきます。

このフィードバックは何度やっても無料なので、改善しきるまでやりましょう。

注意点

これはIELTSの本試験でも多分そうなんですが、そんなの調べたって誰も知らねえよみたいな事実誤認(しばしば捏造ともいう)は指摘されません。なぜなら、IELTSなどの試験はあくまで作文能力を見るものであってリサーチ能力ではないからです。
問題は、IELTSの本試験では明らかな事実誤認はアウトですが、Write&Improvementは通ってしまうことです。例えば「第二次世界大戦で日本はアメリカに勝った」みたいな内容は、本試験ではアウトですがWrite&Improvementは通ります。

余談①

IELTSは日本人が想像しがちなのはアカデミックの方で、一般のやつもあるんですよね。さらに余談なんですが、ケンブリッジ英検とIELTSはどっちも英国の試験ですが、どっちもケンブリッジ大が関わるほか、IELTSはブリティッシュ・カウンシルが関わっています。

余談②

日本では知られていない検定試験という話では、アイルランドとかイギリスだとTrinity ISEという試験もあります。トリニティ・カレッジ・ロンドンがやっているものです。更に余談②の余談ですが、アイルランドの学生ビザ所持者は、滞在の最後に何かしらの試験を受けることが義務付けられており、IELTSとTrinity ISE、そしてケンブリッジ英検が主で、他にもアイルランド発のTIEもあります。ちなみにTOEFLやTOEICは使えなかった気がします。ワーキングホリデーは試験を受ける必要はありません。

余談③

ケンブリッジ大が開発したやつで、スピーキングの練習ができるものがあります。有名どころとしてELSAとかHellotalkなどありますが、こちらも使えるんじゃないでしょうか。ただし英語限定です。


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