「不定詞」って結局何なんだ

時になんですが、「to不定詞」という言い方と「to+動詞の原形」という言い方がされるじゃないですか、アレはどっちが妥当な言い方なのでしょうねっていうよもやま話です。ちなみに私は「to不定詞」で習ったので、そっちが人口に膾炙しているだろうと思ってこちらで言います。

さて、そもそもなんですが、不定詞ってなんでしょうか?一体何が「定まっていない(不定)」なんでしょう?
答えから先に書くと、「品詞が定まっていない」のです。だから「詞が不定」なんですよね。じゃあ品詞の何が不定なんじゃとなるじゃないですか。

ここで思い出していただきたいのが、「用法」なるものです。「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」とか言いますが、この「用法」が他ならぬ「品詞」に相当するわけです。(だから「名詞”的”」「副詞”的”」「形容詞”的”」って言うんですよね)
中学英語だと、この辺の込み入った話が結構ぼかされている気がしますが、とにかく強調しておくべきは、to不定詞それ自体に品詞は設定されていないということです(だって”不定”詞なんですよ)。いつ決まるかというと文を理解する(解釈する)ときに決定されるってことなんですよね。
to不定詞の用法が先に設定されてしまうと論点先取的な気持ち悪さが生じて、その違和感は案外正しいと思うんです。

ただ、中学生に「to不定詞それ自体に品詞はないんですが、文を翻訳する時に品詞を確定するんですよ」なんて言ったってわからねえじゃないですか、込み入りすぎています。なので、せいぜい「不定詞なんてのがあって、用法がこれですよ」という(雑な)説明を頭に叩き込んでもらったほうが、初めて学ぶときにはわかりやすいんですよね。
なんでそう呼ばれているのか分からんっていう賢い中学生がいたら、その人には知ってもらえればいいんじゃないかってワケです。
ここで思い出してもらいたいのが「次のtoと同じ用例を選べ」みたいな問題なんですが、こいつってそう考えると意味がわからんじゃないですか、要は「動詞っぽいやつの前にtoがあって、こいつがどこを修飾しているか」を判定しろってことになるわけですから、そしたらそういう問題にしたほうがよっぽどいいんじゃないのって思ったりはしています。

続いて冒頭の伏線を回収しますが、「to+動詞の原形」を「不定詞」と呼ぶのか、「to不定詞」と呼ぶのかっていう話です。
個人的には「to不定詞」と習ってきたのでこっちのほうが馴染みがあるのと、もう一つ「原形不定詞」なるものがあるので、「to不定詞」を用いたいとは思うんですが、論理的には「to+動詞の原形」も「不定詞」の一種ではあるので間違いではないのですが、片手落ちの感じはありますね。
さて、原形不定詞ってなんぞやというと、helpとかletとか、あるいはseeとかfeelとかのSVOCを取る一部の動詞のうち、Cに当たる部分に充てられる動詞で、toをつけない動詞です。そういえば原形不定詞には用法の話がないんですが、「~したのを感じる、見る、助ける、etc…」なので、だいたい名詞的用法なんじゃないかと思います(未検証)。ちなみにCは名詞も取れます。

とりとめのないメモでした。

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