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【M-1】1回戦で個人的に気になった芸人(8月編)



???「ラブリ~!スマイリ~!ベイビ~~~!!!♡」









はい。


1回戦から各会場上位3組の動画を上げてくれるM-1運営は控えめに言って神。お笑いファンは今後一切足を向けて寝れないぜ。


さて、今年も8/1からM-1の予選が開催され、もうそろそろ1回戦は折り返し地点だ。「たかが1回戦」と侮ることなかれ。その通過率は例年20%強であり、8割がここで落とされる。なんなら芸歴5年10年を超えるプロの芸人ですら簡単に落とされる。そういう大会。鵺野の知り合いの人力舎の芸人も残念ながら今年は1回戦落ちであった。まだチャンスはあるけどね。


鵺野は当然、ここまで公式に上がった漫才はナイスアマチュア賞も含めてすべて見ている。その中で個人的に気になったものをピックアップしていくぞ。自己満だぞ。(強調)




①ラブリ―スマイリーベイビー



どうせこれ調べてここにたどり着いたんだろ!!!!!!ばーか!!!!!



2週間で58万回再生、高評価1.8万という金字塔を打ち立てたアマチュア女子小学生コンビだ。もうね、文字通り桁が違うのよ。


東京ダイナマイトを彷彿とさせる雑談しながらの入場、そして唐突に始まるアイドルのような自己紹介、そして放たれる「もしも日本が銃社会だったらどうするー?」という過激なワード、挙句の果てにはブリッジをミスしたのに平然ともう一度繰り返す肝っ玉。もうお手上げだ。誰がこれに勝てんだよ。


コメント欄を覗くと「絶対裏で親が台本書いてる」だの「ロリコン騒ぎすぎ」だのクソみたいなコメントも散見されるが、そんな指摘は皆目見当違い。皆目見当違い!!!(©ウエストランド井口)


仮に台本があったとてそれをあんな自然体でやってのけるのがもう才能です。漫才師がそれぞれネタの構成、ボケツッコミの強さ、間やテンポを磨いている中、人(にん)の面白さだけでぶっ放してる。みんなが一生懸命日本刀を研いでるとこにミサイルをぶち込んでるようなもの。まるで勝負になっていない。


確か島田紳助だったと思うが、M-1について「《面白いネタ》をするだけではダメで、《面白い人》にならなければ勝てない」と昔語っていた。結局どれだけ技術を磨こうと人間そのものの魅力には太刀打ちできんのですよ。



彼女らはそりゃもちろん技術のギの字も無いけれど、事実50数万人の視聴者を惹きつけていて、その魅力を感じられないというのであればそれはお前のお笑いの感度が低すぎると言わざるを得んのだよ。分かったかばーか。


②もも



初手で荒ぶったので次は実力派を。そもそも1回戦に出てるのがオカシイコンビなんだよな。


昨年まさかの3回戦敗退。そして今年、代名詞である「○○顔漫才」をかなぐり捨てて1回戦の舞台に戻ってきた。そして堂々の1位通過ですよ。かっこよすぎて涙出るわ。


ももが決勝にあがった2021年当時、「○○顔漫才」がルッキズムがどうとかで一部でものすごく炎上していたらしい。いわく、「プリキュアが好きとかで昔散々いじられてたから全く笑えない」ですとか、いわく、「鉄道好き=オタクみたいな偏見で語るな!」ですとか。うっせー○ね!!そうやってみんなが笑ってるとこに水差すような性格だからイジメら(自主検閲)


………ヒートアップしすぎました。ともあれ、ももはそのスタイルを捨てて一からまた再構築をして1位突破したんです。これは凄い。また決勝で見られるのが楽しみだし、最終決戦で原点回帰してまた「○○顔やろ!」を聞かせてほしいナ。



③馬鹿よ貴方は



まさかの敗退といえばこのコンビの方が更に凄い。元ファイナリストでありながら去年1回戦負けを喫した「馬鹿よ貴方は」だ。


過去にファイナリストが1回戦で敗退した例は彼ら以外に無いらしく、当時Yahooの急上昇検索ワードランキングにも載ったらしい。そしてあまりの悲惨な結果にファンからも暴言を吐かれる事態になったとか。


まさかの敗戦みたいな扱いになってたけど実は馬鹿よ貴方はの戦績は

2015 決勝8位
2016 準決勝敗退
2017 準々決勝敗退
2018 3回戦敗退
2019 準々決勝敗退
2020 2回戦敗退
2021 3回戦敗退
2022 1回戦敗退

ってな具合に綺麗に下降してってたんだよね。1回戦で敗退はさすがに衝撃だったけど、結果だけ羅列すればべつだん不思議ではないとも思ってしまう。


そんな彼らが今年は執念の1位通過。これはアツい。アツすぎる。なぜこんなにアツくなっているかというとそう、彼らは今年ラストイヤーなのだ。個人的にはTHE MANZAIの要潤のネタを見てからずっと面白いと思い続けているので、最後のチャレンジになる今年にでっかい花火を打ち上げてほしいぜ。



④バンビーノ



二―ブラ!


気になった芸人として挙げさせてもらったんだけども、正直鵺野はそこまでバンビーノは推してないんすよね。ぶっちゃけそこまで上に上がるともあんま思ってない。


にもかかわらずなんで名前を挙げたかというとこの日のメンツ、他にストレス(ZAZYとお見送り芸人しんいちのユニットコンビ)、ティモンディ、まんじゅう大帝国、ぱーてぃーちゃんとかがいたんすよ。彼らを押しのけての堂々の1位通過。これは注目せざるを得ない。


俺はコント芸人が持ちネタをそのまま漫才のフォーマットに移植してただやるだけのネタがあまり好みではないんだけど、その点でいうとバンビーノは一応ただの焼き増しではなく一応M-1用に作ったネタのようだ。


1回戦で披露していたようなゲーム性のあるネタは数年前まではジャルジャルの十八番だったけど今はその枠が空いてるように思うので、なんか上手いこと噛み合ったらもしかするともしかするんじゃないかと思って挙げました。いや別に俺は来てくれなくてもいいけど…


⑤トニーチョ


続いてはユニットから。トニーフランク(元馬と魚)と西村ヒロチョのコンビ。


「なんで3位通過なんだよw」っていうくらい初見のときめちゃくちゃ笑った。いやーもーね。ベタもベタというか古典的すぎる笑いなんだけどこのテンポとキレでやられたらそんなん笑うに決まってんじゃん。ずるいわ。百聞は一見にしかず、とりあえず見てください。絶対笑うから。


こういうピン同士のユニットコンビの強さは「キャラクターの強さ」「構造の分かりやすさ」だと思ってる。おいでやすこがでいえば、こがけんが歌、小田はキレ芸と非常にキャラが立っているし、「ありそうでない曲を歌うのに対してブチ切れる男」っていう構造が凄くシンプルで分かりやすかった。


そこでいうとトニーチョ、最初のくだりで客にネタの構造や笑うタイミングを提示してくれる親切設計。1回戦の短いネタ時間の中でも最短距離で笑いに到達させてくれる。だてに個々で売れてないぜ。


あとはネタが飛び道具ゆえ、出順が噛み合うかどうかが勝負だ。正統派しゃべくりが続く中にポンとこういうのが放り込まれたら絶対に強い。3年ぶりのユニットコンビ決勝進出も全然ありうると思うよ俺は。


⑥家族チャーハン



はっきり言っとく。ここまででこいつらが一番面白い。



勉強不足でこの動画を見るまで彼らのことは全く知らなかったのだがもうこのネタだけでフアンになりました(上沼恵美子)。もちろん個人的な好みはあるんだろうけど、令和ロマンや真空ジェシカみたいな大喜利ボケ系漫才が好きな人には絶対に刺さる筈。ツッコミも上手いし普通に準々決勝くらいはいくだろ。


調べたところまだ結成2年目なのね。2年目でこの完成度はやばいってほんとに。ボケのセンスもツッコミの声質も間の取り方ももう完璧。あまりに普通に面白いから逆に言うことがなくて困るくらいだ。


ただどれだけ面白くても一度コケてしまえばその時点で終了というのがM-1の怖い所。調子に波がありそうな感じには見えないけど、緊張とネタ選びさえ気を付ければ個人的には決勝もありうると思っている。頑張ってくれマジで。


⑦ピュート



もーこんなん大好き。なんも考えずに笑えるやつ。


やってることはマジでくだらないんだけどめちゃくちゃ笑っっちゃった。マジで今自殺しようとしてる人に見せても笑うだろこれ。


ピュートは名前だけ聞いたことあってちゃんとネタ見たこと無かったんだけどめっちゃ面白いかった。他のネタ見てないからどういうテイストなのか無知なんだけどこういう感じのネタがまだまだいっぱいあったら嬉しい。個人的には紐掴んだままバインバインなってるのが好き。


ということでちょろっとYouTubeで調べてみたんだけど普段コントやってんだね。今後気にして見てみよ。




終わりでーす(©三四郎)


いかがだっただろうか。あとはどんぐり兄弟、ファンファーレと熱狂、36号線、山椒魚、ジョックロック、戦慄のピーカブー、おとうふ、共犯者、とんかつ街道あたりの話もしたかったんだけどこの余白はそれを書くには狭すぎるのでまたの機会に。


1回戦がすべて終わった時点で残りのコンビについてもnoteを上げると思います。noteとTwitter(X)のフォローをしてくれたら目やらなんやらから色んな汁を出して喜びますのでぜひ。



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