死にたい夜に聴け
友人からの連絡の第一声が大体「生きてる?」の鵺野です。生きてるよ。
前から「自分の好きな曲をテーマごとにおすすめするnote書きたい」って思ってて何のテーマを最初にするか迷ってたんだけど、最近身の回りで生きてて辛そうな人が多かったのでこれに決めました。暗くてごめんね。
ということで死にたくて鬱で何もできない時でも聴ける10曲を用意したのでぜひ順番に聴いてみてほしい。
①エイリアンズ/キリンジ
鵺野はこの曲を本当によく聴く。なぜかというとどんな夜にも合うから。好きな人を思う夜でも、ワクワクしてる夜でも、死にたい夜でも、いつだってこの曲は水の様にスッと心に入ってくる。そういう名曲。
「死にたい」といってもいろんな「死にたい」があると思うので、そういう意味でこの曲を1曲目に聴くのはいいと思う。これから聴き始めればこの後の曲もリラックスした気持ちで聴ける。
②明日を落としても/Syrup16g
鬱バンドの金字塔、Syrup16gから1曲。
この曲の良さ。それは「死にたい気持ちを肯定してくれる」ということに尽きる。巷に溢れる無責任な応援ソングとは違ってこの曲は「死にたかったら別に死んでもいいよ」と歌っている。鬱になった人間は分かると思うけどこれは本当に救いだ。
「頑張れ」がしんどい時も生きてればあるじゃないですか。死にたい時だってあるし、死にたい自分を見て死にたくなる時もあるじゃないですか。そんな時、そういう「ダメな自分」を肯定してくれる言葉がどれだけ大きいものか。きっとそれにつけ込むのが悪徳宗教やクズ男なんだろうけど、音楽は与えてくれるだけで何も見返りを求めない。騙される前に音楽を聴いた方がいい。
③ディストーテッド・アガペー/Lyu:Lyu
Lyu:Lyu(現CIVILIAN)から。
CIVILIANになってからまったく聴いてないが、Lyu:Lyu時代の曲は本当にすごい。ちゃんと鬱。ファッションメンヘラが聴くようなサブカル臭いものではなくただ本当に精神が疲れてる人がそれを忠実に書いたような恋愛ソングが多い。余談だが俺が高校生の頃好きだった子はこのバンドのファンでした。
「メシア」や「彗星」とも悩んだけどこの曲をセレクト。何しろ歌い出しの歌詞からして重い。自己肯定感が低い人間全員に突き刺さる。
④バーモント・キッス/相対性理論
相対性理論の魅力というのは本当に筆舌に尽くし難い。
天声ジングルというアルバムを2016年に出したとき、YMOの坂本龍一氏がこんな推薦コメントを出している。
ボーカルやくしまるえつこの声は少女のようなあどけないウィスパーボイス。演奏だって音数も少なくどちらかといえばキャッチーなのに出来上がる音楽から醸し出されるのは「絶望」や「孤独」。
俺は「死」を体験する一番簡単な方法はこの曲を真っ暗な部屋で天井を見つめながら聴くことだと思っている。
⑤放課後の図書室/神聖かまってちゃん
神聖かまってちゃんは躁の時に聴く音楽だと思っているが鬱の時にも聴けるぞ、ということでこちらの初期のピアノインストをピックアップ。
かまってちゃんの「強烈に歪ませたギターに綺麗なピアノのメロディーを乗せる」という手法はある種発明だと思うが、ピアノだけ取り出したとしても普通に旋律が良い。この曲の「放課後の図書室」というタイトルもいい。思春期の鋭すぎる感受性に刺殺されかけた経験のある人間なら分かるでしょ。
少し深呼吸をしながらこの曲をぼーっと聴いてほしい。そして自分が子供の頃、今よりもっと素直に笑えてた頃のことを思い出してみませんか。
⑥光、再考/amazarashi
「僕が死のうと思ったのは」なんかとも迷ったがamazarashiからはこの1曲を。有名じゃないんだけど歌詞があまりにも良い。
この曲、コードがほぼ動かなくてずっと同じメロディーの繰り返しなんだけどそれがゆっくりと身体に沁み込む感じがして良いんだよな。amazarashiはなんだかんだ最後は救いがあるというか、生にベクトルが向いてるのが良い所だと思います。
⑦夜が明けたら/きのこ帝国
学生時代不眠症が本当に酷くて、5時間とか天井を見続けて朝日がカーテンから漏れ出した頃によく聴いてた曲。
大切な人を傷つけてしまったり、取り返しのつかない過ちを犯してしまうことってありますよね。俺もたくさんある。そのたびに「死んだ方がいいよな」って思う毎日なんだけど、それでもねぇ、そんなの強がりで結局は生きていたいんだよね。わしゃエニエスロビーのロビンか、ってね。生ぎだい(迫真)。
⑧深夜高速/フラワーカンパニーズ
哀しいかな、人間って楽しい時間より辛い時間の方が何倍も多いんですよね。そんなことない?でもたとえばアスリートだって辛い練習を何千時間とやって勝って喜ぶ時間なんて一瞬でしょ。
結局でもそういう束の間の「幸せな時間」っていう麻薬に憑りつかれて人間って生きてると思うんよね。そこまでの死にたいくらい辛い日々が全てどうでもよくなるくらい強烈な「生きててよかった」の瞬間が来ることを願っていきてくのが人間なんじゃないっすかね。知らんけど。
⑨ファイト!/中島みゆき
多分邦楽がこの先何十年、何百年続くとして、この曲に勝る応援歌が生み出されるとはとても思えない。それ程の名曲。この曲を涙を流さずに最後まで聴けたことない。
「闘う君の歌を闘わない奴等が笑うだろう」っていう有名なサビももちろんすごいんだけど、その後に来る「冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ」が一番好きだ。周りの人みたいに上手に生きられなくて地面に這いつくばりながら、それでもなんとか一日一日を耐えて生きていくその姿を肯定してくれるこの歌詞にどれだけ救われたか。一生色褪せることのない名曲。
⑩HAPPY/BUMP OF CHICKEN
最後はBUMPから「HAPPY」を。
そうなんすよね。別に人生って自分で終わらせなくても勝手に終わるんすよね。それが今か何年後かって話だけで。俺も10代の頃はダッシュ床を全部踏むくらいの勢いで生き急いできたけど、20代になったらもうどうせ10代にはいろいろ勝てないし、ってんで諦めもついてかなり生きやすくなった。
これを読んでるのが何歳の人かは知らんけど、別に今すぐ死なんくてもいいんじゃないっすか。何かが辛くて生きるのがしんどいなら別に逃げていいと思うし。分かんないけどさ、俺が生きてんだから多分たいがい生きてて大丈夫よ。
終わりです。いかがだったでしょうか。
この記事ちょこちょこ書き足したり消したりしてなんだかんだ1ヶ月くらいかかってる気がする。仕事忙しかったのもあるけど。こういう曲を聴く必要のないくらい幸せな日々を送りたいですねぇ。
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