星野、目をつぶって。

Kindleで『星野、目をつぶって。』2巻を読了。

「茶番」とか「部族の掟」とか同調圧力とか「タオルはみんなおそろいに」とかそういう何もかもに抗って生きるなんてちょっと普通じゃないけど、抗いたい人たち。小早川くんと星野さん。あえて周りになじまず一人でいることを選んでいる美術部の小早川が、自分でメイクできないのにバリバリのギャルという星野と秘密を共有する。そんな飛び道具的なストーリーでありながら根底にあるテーマは普遍性があってとても良い作品だ。世の中にあふれて仕方ない気持ち悪い柵に対して「クソくだらない暗黙の了解!」とバッサリ切り捨てるんじゃなく最終的には折り合いをつけていくことになるんだろうな、という成長物語なんでしょう。おそらく。そういう点ではカール・グスタフ・ユングやグウィン、エンデにも通じる。あとおれは「化粧って絵を描く行為とすごく近い」と以前から思っていたのもあり、そういう発想が盛り込まれた作品っていうことに共感を覚える。

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