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シアターキューブリックと私

たった3年前に、知り合った劇団
シアターキューブリック。
まさか当時は、私が演劇の制作現場を請け負うことになるとは思ってもいなかった。

3年前にリリースした、オオゼキタクさんのアルバム【いろんな風〜ローカル鉄道演劇のうた〜】
このアルバムに収められた曲はすべて、地方のローカル電車の車内で繰り広げられた演劇のために作られたオリジナル曲。
短い中にギュッと世界観が詰まった作品群を集めたアルバムだった。
ひょんなことから知り合ったタクさんに、CD制作のサポート業務を依頼されたのが、始まりだった。

そのローカル鉄道演劇を作っているのが、シアターキューブリック。
「銚電スリーナイン」が3年前の夏、銚子電鉄で開催され、アルバムリリースはそれに先駆けてのものとなった。
そこがシアターキューブリックの初現場だった。
アルバムと銚電限定のCDを外川駅で販売することを請け負う話から、稽古場に足を運ぶうち気づけばその枠を超えてアレコレ気になって手伝うようになっていた。

そしてその公演の後、割とすぐに、
劇団員から「次の劇場公演も手伝ってほしい」とオファーをいただいたのが、劇場公演で初めて当日制作を担当した「十二階のカムパネルラ」。銚電と被っているキャストも多くて、初めまして感はすこぶる薄く(笑)
それでも劇場公演の制作経験のない私は、劇団員の皆んなにあれこれ教えてもらい助けられながら、なんとかその役目を終えたのだった。

以来、シアターキューブリックとは、割と濃い目のお付き合いをさせてもらっているのだが、より関係性を濃くしたのが、このコロナ禍だ。

水面下で進んでいたローカル鉄道演劇「ことでんスリーナイン」の再演が出来なくなり、とはいえ思い出の23号は引退待ったなし(半年は延びたけど)。
23号で公演ができなくても、高松に行けなくても、何か引退に際してご恩返しができないかと、考えたのがオーディオブック化だった。

遠方に暮らす役者も参加できるように、リモート録音用の機材を送り、稽古はzoom。
やれることを精一杯やろうとみんなの心が一つになり、距離を感じさせない出来栄えになった。

そして2020年に20周年を迎える劇団の記念公演第一弾「幸せな孤独な薔薇」
これも、2020年4月1日、忘れもしない一年前に、後8日で幕が開くというタイミングでの延期決定。
悔しくて悔しくてたまらなかったけど、一年越しにようやく、この20日に開幕となる。

一年前突然断絶せざるを得なかった稽古は、一年の時を経て「再開」した。まさに「再開」というべき稽古場の空気は、一年越しと思えない空気感で、けれど俳優一人一人が確実に、この一年で味わった辛酸や舞台への渇望、自らと演劇と向き合った時間を感じさせるほどに、みるみるうちに成熟を増していった。

そして今日、最終の稽古が終わった。
あとは劇場で最終調整を行い、本番を迎えるのみ。
俳優、演出は勿論、スタッフ皆んなが待ち望み、早く届けたいと強く強く思っている。

これまで音楽現場を担当してきた自分が、こんなふうに新たな世界を40過ぎてから経験できるとは、露程も思っていなかった。
そして、こんなふうに、弊社で制作しているアーティストとは別の団体の作品作りに携わる現場ができるとも思っていなかった。
そしてそこに客演で参加している俳優さんが、弊社アーティストが昔から好きで見てきた方だったなんて、なんだか不思議に繋がるご縁がまた面白い。

思えば今の音楽現場を担当したきっかけも、全然違う業界で知り合った人のご縁だった。
世の中は広いようで、何処かで何故か繋がっている。

このご縁を取り巻く全ての人たちに感謝して、明日からも頑張ります!
そんなわけで
5/20〜26@浅草九劇
シアターキューブリック
結成20周年記念公演第一弾
「幸せな孤独な薔薇」


この公演の演出、そしてシアターキューブリック代表の緑川憲仁さん、
そして公演に出演する演劇集団キャラメルボックスの俳優、西川浩幸さんのインタビューを
【田中さんラジオ】5/18放送でお届けします。

↑エフエム世田谷の番組ですが、上記サイトTOPにある「▶︎PLAY」を押すと、PCスマホのインターネットブラウザから簡単に聴くことができます!

ラジオを聴いて、ぜひ「幸せな孤独な薔薇」へのワクワクをさらに高めてください!
公演は23日に配信もあります。合わせてチェックをお願いします!

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