カタールアミールトロフィー2024 海外馬解説&展望

アミールトロフィー(H.H.The Amir Trophy)

2024/1/17 16:15(日本時間22:15)
格付け:カタールGⅠ(国際GⅢ)
開催地:ドーハ アルライヤン競馬場
条件:芝2400m
総賞金:250万ドル(約3億7500万円)

出走予定海外馬
①🇶🇦ホーンテッドドリーム(Haunted Dream)
ゲート番:8
騎手:O.マーフィー
調教師:H.アルジャヘニ
主な勝ち鞍:23'アルサフリヤS(QAT-GⅢ)
《概要》
父 オアシスドリーム(Oasis Dream)、母父 ガリレオ(Galilleo)の5歳セン馬。
カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アル・サーニー首長が率いる馬主組織「ワスナンレーシング」の所有馬である。勝負服は水色に金色の袖という服飾で、新興の馬主組織ながら既に所有馬クラージュモナミ(Courage Mon Ami)が昨年の🇬🇧GⅠ ゴールドカップ(アスコット芝4000m)を制している他、今年からは初めての優先騎乗契約を元ゴドルフィン主戦のジェームズ・ドイル騎手と結ぶことが発表された。今後、更に勢力を拡大していくと予想される。
本馬は昨年末に英国から移籍した馬であり、国際重賞こそ制していないものの、カタールでは昨年12月にローカルGⅢ アルサフリヤS(アルライヤン芝2400m)を優勝している。
前走のシャルファ予選(アルライヤン芝2200m)戦ではシムカミルの2着となり、ジェフクーンズに先着しての本番となる。
《個人的見解》
今回は相手関係がカタール現地でのローカル重賞とは比べ物にならないほど強化されるため、率直に言えば上位争いに加わることは苦しいと思われるが、コース実績がある点に関しては評価できるか。

②🇬🇧イスラー(Islar)
ゲート番:6
騎手:J.クローリー
調教師:J&T.ゴスデン
主な勝ち鞍:23'プリンセスオブウェールズS(GⅡ)
《概要》
父 ムハーラー(Muhaarar)、母父 シーザスターズ(Sea the Stars)の5歳牡馬。
馬主は欧州・中東でお馴染み、青に白の肩章、帽子が白青の縞模様になっている勝負服のシャドウェルファーム。近年の代表所有馬にはフクム・バーイード兄弟、モスターダフなどがいる。
ジョン・ゴスデンと息子シェイディ・ゴスデンが共同で運営する、昨年の英国リーディングステーブルであるゴスデン厩舎の管理馬。
昨年から重賞に出走するようになり、7/13に🇬🇧GⅡ プリンセスオブウェールズS(ニューマーケット芝2400m)で2021年の英ダービー馬アダイヤー(Adayar)を破って重賞初制覇。
この他、🇬🇧GⅢ アストンパークS(ニューベリー芝2400m)と🇬🇧GⅢ カンバーランドロッジS(アスコット芝2390m)の2着がある。
《個人的見解》
昨シーズンの最後は11月の🇧🇭GⅡ バーレーンインターナショナルトロフィー(バーレーン芝2000m)に出走し、ここも2と1/4馬身差の2着と勝ち切れない印象がある馬だが、アダイヤーを破ったことから秘められた能力は決して低いものではなさそう。12ハロンでの実績がある点も評価に値しよう。
なお、バーレーン国際Tで優勝したスピリットダンサー(Spirit Dancer)は来週のサウジカップデーで行われる🇸🇦GⅡ ネオムターフカップ(キングアブドゥルアジーズ芝2100m)への出走を予定しており、日本馬との力比べという点でも2着イスラーの走りには注目したいところか。

④🇦🇪パッションアンドグローリー(Passion and Glory)
ゲート番:2
騎手:T.マーカンド
調教師:S.ビンスルール
主な勝ち鞍:21'グロリアスS(GⅢ)
《概要》
父 ケープクロス(Cape Cross)、母父 ストリートクライ(Street Cry)。
サイード・ビン・スルールが管理するゴドルフィンの8歳セン馬であり、今回の鞍上は我らがトム・マーカンド。ゴドルフィンのロイヤルブルーを身に纏うトム、案外レアではなかろうか?
セン馬とあり、結構長く頑張って走っているお馬さんであるが、重賞の勝ち鞍は2021年、5歳時に制した🇬🇧GⅢ グロリアスS(グッドウッド芝2400m)のみとなる。
国際GⅠの出走経験はその直後に挑んだ🇩🇪GⅠ バーデン大賞(バーデンバーデン芝2400m)のみであり、ここでは3着と好走を見せているが、それ以降の重賞での好走は22年の🇧🇭GⅢ バーレーンインターナショナルトロフィーの2着に限られる。
《個人的見解》
率直な言い方になってしまい申し訳ないが、このメンバーの中に入ってしまうと難しいと評価せざるを得ないだろう。
しかしながら、この馬も欧州の芝12ハロンで重賞を制している馬であり、出走するレースとしてアミールトロフィーを選んできたことには合点がいく。距離適性という面では見るべきところがあるか。

⑤🇮🇪ポイントロンズデール(Point Lonsdale)
ゲート番:3
騎手:R.ムーア
調教師:A.オブライエン
主な勝ち鞍:21'アイリッシュフューチュリティS(GⅡ), 22'アレッジドS(GⅢ), 22'ハクスリーS(GⅡ)
《概要》
父 オーストラリア(Australia)、母父 アクラメーション(Acclamation)。
クールモアの所有する5歳牡馬であり、調教師は勿論エイダン・オブライエン。 筆頭馬主はデリック・スミス氏、紫に腕が縞模様の勝負服を使用する。
2歳時はデビュー4連勝で🇮🇪GⅡ アイリッシュフューチュリティS(カラ芝1400m)を優勝、次の🇮🇪GⅠ ヴィンセントオブライエンS(カラ芝1400m)ではゴドルフィンのネイティヴトレイル(Native Trail)に破れ初の敗戦を喫するも、芝1400mで5戦4勝重賞1勝という素晴らしい成績を収めている。
昨年は🇮🇪GⅢ アレッジドS(カラ芝2000m)と🇬🇧GⅡ ハクスリーS(チェスター芝2100m)を連勝してGⅠ戦線に臨んだが、6月の🇬🇧GⅠ コロネーションカップ(エプソムダウンズ芝2400m)では2着から7馬身半離されての3着に敗れ、以降は同厩舎から出走している他馬を補佐するラビットとしての出走がほとんどとなってしまった。
ルクセンブルク(Luxembourg)やコンティニュアス(Continuas)に代わり、単騎での参戦となった🇬🇧GⅠ チャンピオンS(アスコット芝1950m)も4着まで。バーレーンインターナショナルトロフィーでアタマ差の3着となり、昨シーズンを終えた。
《個人的見解》
ラビット役の馬はペースメーカーとしての役目が大きく、自らが勝利を狙うものではないため、芝2400mでマトモに走らせてもらえるのはコロネーションC以来と言えよう。
12ハロン重賞での実績が無く、過去2400mを経験したこと自体がコロネーションCと🇬🇧GⅠ キングジョージⅥ&クイーンエリザベスS(アスコット芝2390m)8着の2回のみであり、距離適性には若干の疑問が残る。それこそ、今回のレースで問われるだろう。

⑥🇦🇪レベルスロマンス(Rebel's Romance)
ゲート番:10
騎手:W.ビュイック
調教師:C.アップルビー
主な勝ち鞍:21'UAEダービー(GⅡ), 22'グロリアスS(GⅢ), 22'ベルリン大賞(GⅠ), 22'オイロパ賞(GⅠ), 22'BCターフ(GⅠ)
《概要》
父 ドバウィ(Dubawi)、母父 ストリートクライ(Street Cry)。
ゴドルフィンの6歳セン馬、こちらはチャーリー・アップルビーの管理馬である。
今回の出走馬の中では最高の実績を持つ、と称して差し支えない。3歳時には🇦🇪GⅡ UAEダービー(メイダン ダ1900m)を制しており、4歳となった2022年には芝2400mのリステッド優勝を皮切りに5連勝の快進撃を見せる。グロリアスSで芝重賞タイトルを獲得してからはドイツへ遠征し、🇩🇪GⅠ ベルリン大賞(ホッペガルデン芝2400m)と🇩🇪GⅠ オイロパ賞(ケルン芝2400m)とドイツGⅠを2連勝。
その後はアメリカに飛び、米国芝路線の最高峰である🇺🇸GⅠ ブリーダーズカップターフ(キーンランド芝2400m)に出走。ドイツGⅠのレベルを疑われての4番人気だったが、同じゴドルフィン所有馬で🇺🇸GⅠ サラトガダービー招待S(サラトガ芝1900m)などを制したネーションズプライド(Nations Pride)や米国芝12ハロン路線の女傑ウォーライクゴッデス(War Like Goddess)、ラストランだったミシュリフ(Mishriff)などを抑えてのGⅠ3連勝を達成した。
しかし、5歳は一頓挫あり出走予定だった🇦🇪GⅡ ドバイシティーオブゴールド(メイダン芝2410m)を回避。本番の🇦🇪GⅠ ドバイシーマクラシック(メイダン芝2410m)には間に合ったものの、イクイノックスが恐怖映像を作り出している一方でひっそりと7着に敗れた。
次戦の🇺🇸GⅡ サラトガボウリンググリーンS(サラトガ芝2200m)では競走中止、🇺🇸GⅠ ジョーハーシュターフクラシックS(ベルモントパーク芝2400m)は昨年下したウォーライクゴッデスに逆転されての4着。
再びドイツに遠征して出走する予定だった🇩🇪GⅠ バイエルン大賞(ミュンヘン芝2400m)も直前回避と、順調さを欠く不遇の1年を過ごすこととなった。
しかし、シーズン最後のポリトラック2400mのリステッド競走では久しぶりの勝利を収め、このアミールトロフィーが今シーズンの初戦となる。
《個人的見解》
昨年は不運に見舞われ続け、見ていて可哀想になるほどであったものの、ポリのリステッド戦とはいえ前走で勝利して今回のレースに挑めるという点は大きいように思う。2022年の快進撃もリステッド戦の勝利から始まっており、その再現を狙いたいところである。
BCターフ優勝と実績面では最上位であり、マトモに走れば突き抜けてもおかしくない能力は持っているはずだが、一方で今年6歳と若いとは言えない年齢。
果たして、GⅠ級の能力を維持できているのかどうか──好メンバーが揃ったこともあり、レベルスロマンスという馬の現在地点を測るような、そんな一戦になるのではなかろうか。
ここで見事に重賞勝利を収め、今度こそ万全の態勢でドバイシーマクラシックに向かいたいところであろうが、さて。

⑦🇭🇰ロシアンエンペラー(Russian Emperor)(將王)
ゲート番:7
騎手:A.サナ
調教師:D.ホワイト
主な勝ち鞍:20'ハンプトンコートS(GⅢ), 22'香港ゴールドC(GⅠ), 22'&23'チャンピオンズ&チャターC(GⅠ), 23'アミールトロフィー(QAT-GⅠ)
《概要》
父 ガリレオ(Galilleo)、母父 ファストネットロック(Fastnet Rock)。
昨年のアミールトロフィー勝ち馬であり、香港の12ハロン路線の王者と言える7歳セン馬だ。
元はクールモアスタッドの生産馬で、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎の管理馬としてデビュー。2020年の🇬🇧GⅢ ハンプトンコートS(アスコット芝1990m)を制し、🇬🇧GⅠ ダービーS(エプソムダウンズ芝2400m)で7着となったのを最後に香港へ売却された。
去勢されて香港調教馬となった後は、香港クラシック三冠の惜敗や2021年の🇭🇰GⅠ 香港カップ(シャティン芝2000m)と2022年🇭🇰GⅠ 香港スチュワーズカップ(シャティン芝1600m)での2戦連続2着などを経て、同年🇭🇰GⅠ 香港ゴールドカップ(シャティン芝2000m)で香港初勝利&初の国際GⅠ制覇を果たす。
その後は🇭🇰GⅠ チャンピオンズ&チャターカップ(シャティン芝2400m)で優勝してGⅠ2勝目をマーク、明け22/23年シーズンは香港国内での戦績は振るわなかったものの、カタールに遠征しアミールトロフィーを優勝。
引き続き中東に滞在しての🇦🇪GⅠ ジェベルハッタ(メイダン芝1800m)は5着、ドバイシーマクラシックは8着と敗れたが、1戦叩いての2023年チャンピオンズ&チャターCではロマンチックウォリアー(Romantic Warrior)を破っての連覇を達成した。
今シーズンは香港で3戦して全て惨敗の上、出走予定だった🇭🇰GⅠ 香港ヴァーズ(シャティン芝2400m)を獣医師検査に引っかかり回避するなどしているが、香港スチュワーズCからアミールトロフィーに挑むというローテーションは昨年と全く同じであり、スチュワーズCの着順も昨年6着今年7着と似通っている。
《個人的見解》
前走で惨敗していても平然と優勝するタイプの馬という、馬券を買う側からしたら困った馬であるが、芝2400m右回りの国際GⅠを連覇している上に昨年のアミールトロフィーを制していることから、実績面においてはレベルスロマンスと並び最上位クラスと言える。
鞍上も昨年と同じくアルバート・サナ騎手を確保してきており、今シーズンの成績こそ10着→8着→7着と、ボロカスに見えて確実に着順を上げてきていることもまた事実である。
連覇に向けて態勢は整ってきていると見るか、それとも近走崩れて今年は無理だと見るか。今年のメンバーレベルは昨年よりも高いようにも思え、中長距離が比較的手薄な香港の馬がこの相手関係の中でどのような競馬をするか、非常に注目される。

⑧🇶🇦シムカミル(Simca Mile)
ゲート番:1
騎手:M.バルザローナ
調教師:A.ミューユル
主な勝ち鞍:22'リス賞(GⅢ), 22'ニエル賞(GⅡ), 23'アルクール賞(GⅡ), 23'シャンティイ大賞(GⅡ), 23'ベルリン大賞(GⅠ)
《概要》
父 タマユズ(Tamayuz)、母父 ピヴォタル(Pivotal)の5歳牡馬。
フランス調教馬であったが売却され、現在はワスナンレーシングの所有馬となっており、現地調教馬の中では最有力候補と言えよう。
勝ち上がりまでに5戦を要した(未勝利時代、3戦連続2着があった)ものの、2022年の🇫🇷GⅢ リス賞(シャンティイ芝2400m)を制して頭角を現し、🇫🇷GⅠ パリ大賞(パリロンシャン芝2400m)2着、🇫🇷GⅡ ニエル賞(パリロンシャン芝2400m)優勝と12ハロン路線で活躍。
🇯🇵GⅠ ジャパンカップ(東京芝2400m)遠征では結果が出なかったが、古馬となった2023年は🇫🇷GⅡ アルクール賞(パリロンシャン芝2000m)1着、🇫🇷GⅠ ガネー賞(パリロンシャン芝2100m)2着、🇫🇷GⅡ シャンティイ大賞(シャンティイ芝2400m)1着と安定した成績を収める。
そして、ドイツに遠征して出走したベルリン大賞を制し、念願のGⅠ初制覇を達成。🇫🇷GⅠ 凱旋門賞(パリロンシャン芝2400m)は10着に惨敗し、今年からカタールに移籍した。
移籍初戦のシャルファ予選(芝2200m)を勝利し、このアミールトロフィーに挑むこととなる。
《個人的見解》
芝2400mでの実績は今回のメンバーの中でも上位であり、珍しく良馬場に近い稍重(現地発表ではGood to Soft、訳すならば「良、ところにより重」か)となった凱旋門賞を除いては連対率100%だった、昨シーズンの安定感は高く評価すべき点であろう。
能力の高さという面でも、カタールの現地調教馬の中で1頭抜きん出ているようにも感じられる。
しかし、どちらかといえば良馬場よりも多少渋った馬場、よりタフさが求められる競馬場の方が力を発揮できる馬のように見え、タイムの出る馬場となったジャパンカップや凱旋門賞では惨敗しているという点は気になるところ。
移籍初戦で同条件のローカル重賞を優勝しているホーンテッドドリームを下し、その能力を示したとはいえ、比較的軽い芝でのGⅠ実績を持つ馬もいる今回のメンバーの中に入ってどうか。

⑩🇶🇦ジェフクーンズ(Jeff Koons)
ゲート番:9
騎手:F.ブガナイム
調教師:H.アルジャハニ
主な勝ち鞍:23'カタールダービー(QAT-GⅠ)
《概要》
父 フランケル(Frankel)、母父 ドバウィ(Dubawi)の4歳牡馬。こちらもワスナンレーシングの所有で、現地調教馬である。
2023年に英国のJ&T.ゴスデン厩舎からデビュー、英国では1勝するに留まったが、カタールへの移籍後は12月に行われた🇶🇦ローカルGⅠ カタールダービー(アルライヤン芝2000m)を優勝。
今年の初戦シャルファ予選(アルライヤン芝2200m)でシムカミルとホーンテッドドリームに次ぐ3着となり、このアミールトロフィーに駒を進めてきた。
《個人的見解》
カタールダービーでコンビを組んだファレ・ブガナイム騎手に手綱が戻ることは心強いが、実績面ではどうしても見劣りしてしまう上、2400m戦の経験が全く無いという点も大きな不安要素としてある。
英国では1600〜2000mを使われており、これまでに経験した距離は2200mが最長となるため、距離の克服や相手関係などを考えると逆風が少し強いように感じられる。

出走予定日本馬 (解説省略)
③ノースブリッジ
ゲート番:4
騎手:岩田康誠
調教師:奥村武
主な勝ち鞍:22'エプソムカップ(GⅢ), 23'アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

⑨ゼッフィーロ
ゲート番:11
騎手:J.モレイラ
調教師:池江泰寿
主な勝ち鞍:23'アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

⑪サトノグランツ
ゲート番:5
騎手:川田将雅
調教師:友道康夫
主な勝ち鞍:23'京都新聞杯(GⅡ), 23'神戸新聞杯(GⅡ)

《予想印》
♡ ③ノースブリッジ
◎ ⑨ゼッフィーロ
○ ⑦ロシアンエンペラー
▲ ⑥レベルスロマンス
△ ⑪サトノグランツ
  ②イスラー
  ⑧シムカミル

《買い目》
単勝&複勝 ③ノースブリッジ

《総評》
アミールトロフィーはあくまでもカタールのローカルGⅠ(日本で言うJpnⅠ)であり、国際グレードとしてはGⅢに格付けされているレースだ。しかし、賞金増額もあって近年その存在感を増しており、日本からの遠征馬が3頭も現れた上に全頭がGⅡ勝ち馬ということで、一気にその認知度や注目度が上昇していると感じられる。
特に今年の出走馬は昨年に勝ると言える豪華さであり、国際GⅠと言われても違和感のない好メンバーが揃った。騎乗する騎手も欧州トップクラスの名手が揃い、アルライヤン競馬場の平坦なコース形態も相まって、レベルの高いレースが展開されることが期待できよう。
実績に関しては国際GⅠを複数制しているレベルスロマンスとロシアンエンペラーが抜けているように思えるが、両馬とも近走成績は実績を踏まえるといささか微妙だと言わざるを得ず、実績面で劣る馬たちにも少なくないチャンスがあるように思える。
舞台となるアルライヤン競馬場の芝2400mコースはコーナー4つで日本国内の芝2400mコースに似通っている面もあるため、当然日本馬の好走・初優勝にも期待されるところである。
特に右回りの香港ヴァーズで2着のゼッフィーロ、右回りの12ハロン重賞を2勝しているサトノグランツには大きいチャンスがあると言えるのではなかろうか。
そして、昨年のロシアンエンペラーが馬群を捌いて前を捉え優勝したことから、最高のジョッキーにしてイン突きのプロフェッショナルであるヤスナリ・イワタが継続騎乗するノースブリッジが一発ブチかましてくれる可能性もある。というか、わたくしはそれに一番期待している。しっかり内枠を引いたし、やってくれますよ彼は。何せノースブリッジはライオンなのですから、サバンナの王者が草食動物如きに負けるわけにはいかないでしょう。
17日夜、アルライヤン競馬場がサーカステントと化すことへの期待を込めて、私はヤスナリ・イワタ&ノースブリッジの応援馬券を握りレースを観戦したい。

ただ1つ残された問題は、日本国内ではアミールトロフィーの馬券を握りしめることが許されていないということである。

《愚痴》
なんでグリーンチャンネルで生中継しねーんだよ、日本のGⅡ馬が3頭も走るんやぞ?

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