オンライン大学院での授業ってこんな感じだった

本ポストは2014年から2016年まで在籍したアメリカの大学院(UMASS Lowell マサチューセッツ州立大学ローウェル校。MBAはフルリモートで受講可能 )のMBA講義の様子をざっくり思い出してまとめたものです。リモート授業ってなんとなくZOOMでリアルタイムに配信して、みたいなイメージになっているのかもと感じているのですが、様々なものがリモートになっていく時に何かの参考になればと思います。(多分に記憶違いとか間違いあるかもですが)

本当にフルリモート?

本来(USで受講)はフルリモートらしいですが、日本だと提携しているアビタスさんで基礎課程の授業はオンサイトの講義を日本人講師でやってくれました(基礎課程が全体の40%程度で残りが上級課程)。コンテンツは同じものだけど日本語の補助教材がつくので、とっつきやすかったです。完全にリモートに移行していく前に、ここで他の生徒の皆さんと交流できたことで、コミュニケーションの幅は広がりました。人によっては講義だけで良い、という人もいると思いますが、リモートだと“雑談“の場がどうしても少なくなるので意識的に“場を作り出す“仕組みは必要なのかもです。

リモート授業あれこれ(掲示板活用型)

今ほどインフラが良いわけではなかったので、講義の多くは動画が用意されていたり、テキストの指定ページを読む、という指示があったり、教授がニュース記事などのリンクをシェアしたりして、それをみた後に、Blackboard(結構有名な教育支援システム)の掲示板に自分の考察を書き込む、そして他の生徒の考察を読んで意見を述べる、といった講義は多かったように思います(まずはちゃんと投稿することで加点、コメントで加点、内容で加点、みたいな感じ)。ほとんど社会人学生なので意見のシェアが非同期でできることは非常にやりやすいのですが、最初の投稿を後回しにすると、自分の言いたいことが先に書かれていたりして、結構自分を苦しめることになりました。あと、結局優秀な生徒さんは大体早めに投稿してたようにも思えます(わたしゃとても優秀とは言えんかった)

リモート授業あれこれ(グループ活動型)

受講者を4、5人のグループに分けて、グループ全体で1本もしくは複数本のレポートを完成させるようにするやり方です。映像とかの講義自体はあまり意味がなくて、お題を提供するだけだったり、先生が質問を受け付けるくらいで、基本は各グループでの活動がメインとなります。もちろん、期間を通じて1本のレポートを書けばいいのではなくて、週ごとに軽めの課題があってそちらは個人で終わらせる必要があります。オンラインといえども生徒同士がオフラインで会うのは構わないので、集まってやるところ、SkypeとかGoogle HangOutでMTGやるところ様々ですし、グループの参加者によって、講義への態度も残念ながら違うというのはリアルでも同じです(しかもそれぞれの仕事の状況や経験も大きく違うし、大学院へのモチベーションも違うのでさらに格差は大きいかも)。この場合、先生のお仕事としては、チームを自主性に任せて作る(仲良しグループ同士が組むことが多くなる。多分レポートの質とかは上がるかもだけど、多様な意見に触れるっていうところはマイナスかも)か、先生が指名するか(生徒には嫌がられるけど、こういうところの交流って大事だったりする)という意思決定、そして集まったレポートへのフィードバックが中心となります。

リモート授業あれこれ(個人でがんばろう型)

結構会計系の講義で多かったが、講義やテキストを読んで、出された課題を指定日(大体週次)で提出、もしくはWebのテストサイトみたいなやつが週の後ろで一定期間だけOpenして、そこでクイズのような形でテストを受けていく、みたいなパターンがありました。まあ、会計とかは算数できない私のような人間には非常に辛かったので、会計得意な同級生に補講を何度かしてもらいましたが。。。特に会計関係とか、計算式は正解が明確なのでテストサイトで機械的に進めるってのはできるのですが、本来は“その数字をどう解釈するか“ってところから始めるので、多分、人によっては消化不良なところもあったろうし、人によっては逆にわからなくて辛すぎ、ってのもあったのかと思います。

今思うに。

うちの大学院の場合、基本的に時差を抱えているので、リアルタイムに講義ってのは必ずしも多くはなかったです。先生によってはアメリカ時間とアジア時間に合わせて質問対応の時間を設けていましたが、ティーチングアシスタントさんが対応している時もあったし、講義のビデオも、おそらくは同じタイトルのテーマを他の講師がとったものをそのまま流しているケースもありました。時差の関係などもあって、海外の学生と交流することができた機会も、ちょっと限られてたってのもあります。制約があるってのはどんな時でもまずは受け入れるべきものだと思いますし、そこでどう工夫ができるのかなってことかと思います。

“このままここを修了しても英語とかあまり伸びないな“って思って、大学の近所に短期留学して英会話学校に通う(そんで、放課後に時々大学に遊びに行って先生に会う)なんてこともしてました。講義を配信すればOKではなくて、別にリアルタイムの配信が難しかろうと、自分が与えたい学びに対して、どういう仕組みが一番あうか、を考えることが重要なのでしょうし、制約があるから新しいやり方が出てくるってのもあると思います。最近自分の講義をやる立場の人間でもあるのですが、単に収録ー>配信ではなく、どうやって聴講者を巻き込めるか、ってのを考えたりします。趣味の勉強会では、投票やクイズをリアルタイムに組み込めるMenti Meterとかでよく遊んでます。講義配信とは別に質問を受け付けといて、質問だけに答える配信を必ず用意しておくってのもいいのかもしれません。

まとめ

今、なんとなくリモートの授業=リアルタイムで配信、ってなってるんだけど、いろんなやり方あるよね、って思います。色んな制約があるし、自分なんて大したことはやってないのですが何かの参考になれば幸いです。



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