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エクスプロイト術〜3bet-pot〜

はじめに

今回は、以前のnote記事(CB領域展開 3bet-pot)におけるレンジ全体でのエクスプロイト意識したバージョンになります。

前回の記事では、3bet-pot SB vs BTNでのA〜Jハイを詳細に解説しました。
今回では、3bet CallerであるBTN側の立場によるエクスプロイトを紹介します。相手からAnyCBを受けやすいのが3betCallerの宿命であると思います。明らかに格下なのにAnyCBを打たれTiltしている方も多いかもしれません。
では、そんな相手に対してエクスプロイトができるのか?
ということですね。今回の記事では、3betterであるSBが超高頻度でCBを打ってくる時に対しての対策をします。
呪術廻戦でいうと簡易領域を学びましょう。紹介程度の記事なのでそれほど容量はないと思われます。
それでは、いってらっしゃい。

新機能使ってみましたくらいでみていただけたら幸いです。


SB vs BTN 3bet-potでのAハイでのまとめ表です。
ペアに注目すると意外にもCheck頻度が目立ちますね。
一般的に多くのステークスにおいて、
「ペアボードでは安く広くBetをする」
と言うことが目立ちます。
しかし、それほどCB頻度がないことがわかります。
前回の記事を見たみなさんはもう既知の事実ですね。
3bet-potのペアボードでは、Check、Bet33%、Bet66%を駆使しないといけないボードなのです。


つまり、今回のエクスプロイト対象として、ペアボードでのCBに対してエクスプロイトしようということです。
それでは具体的にどのようなエクスプロイトをするかということです。

エクスプロイト戦略を立てる前にペアボードでのSB側の戦略を明らかにしましょう。

<学習サポート>
一般的なプレイヤーがどの程度の乖離を起こしているかをCheckする

SB側 戦略 ペアボード

ペアボードの集合分析を使用します。

設定としては
NL 500,SB vs BTN, Simple,2.5x,GTO
を選択しました。
より複雑に行うよりもsimpleに攻めるのが良いでしょう。

集合分析 SB vs BTN 3bp

集合分析を確認するとAAxやKKxなどはBet33%が多いですね。このことよりハイカードペアの場合はBet33%が好まれることが予測されます。
では、それぞれをハイカードごとに分けて表にします。

上図がSB戦略をまとめたものです。
SB戦略の特徴として、Jハイ以下の場合はBet66%頻度がかなり出てきます。これは一般的に言われている「ペアボードでは安くBetする」ということと異なることがわかります。
特にA〜Jハイを見るとTopカードがペアの時はBet33%が高頻度ですが、Tハイ以下の時ではTopカードがペアであってもBet66%が好まれるシーンがあるということが確認されました。

では、ここでSB CBに対してエクスプロイトすることを考えます。
「SBがBet33%を全レンジで行う」と仮定するとA〜Jペアでは好まれる可能性が高いことが前述でわかりました。
よって、Tハイ以下ペアボード時の全レンジBet33%に対して行うことを考えます。

BTN エクスプロイト戦略 to SB 全レンジCB

ペアボード Tハイ

動画のようにSBから3betを受けCallしたBTN側の戦略についてみていきます。
まず、SB側の戦略をみていきましょう。一般的に3better側は安いCBを打っていくことが多いです。
GTO wizardでのSB戦略を確認します。

SB戦略 SB vs BTN 3bp

Check、Bet33%とBet66%の混合のようです。
では、相手がBet33%とBet66%という混合ではなく、Check or Bet33%の混合戦略を取っているとします。

SB Check or Bet33%

するとCheckレンジはわずかにあるもののBet33%頻度がかなりあります。
相手が全レンジCBの簡易戦略を使っているとします。
GTO wizardの新機能 Node Lockを使います。

SB戦略

このようにBet33%にNode lockしました。
SB 全レンジCBに対するBTN側の戦略は幅広くCallするようです。


BTN戦略 vs SB 全レンジBet33%


相手が全レンジCBを打ってきていることがわかるので幅広くCallするのは最適反応で納得がいきます。
では、実際に相手が過剰に全レンジCBを行ってきた時に私たちならどうしますか。エクスプロイト戦略を考え時にCallレンジを幅広くすることはもちろんですが、Mini Raiseを返す戦略を思いつくと思います。
あえて、Mini Raiseを返してみましょう。

SB Bet33%→ BTN Raise 2.5x→ SB ??

SB Bet33%→ BTN Raise 2.5x→ SB ??

上図がBTN Raiseに対するSBの戦略です。レンジ全体の33%で3betRaiseで応戦しています。
通常、TT8というボードで3betterであるSB CBに対して、BTN Raiseは気持ちが悪くCall留めにするプレイヤーが多いのではないでしょうか。
そうです。相手のエクスプロイトするスポットとして、Trips Good Kickerでしか3betが返ってこないということ Node Lockすると良いということがわかります。

SB Node lock

上図のようにAT、KTのみで3betを返すという戦略にします。

Node lock後の BTN戦略 vs SB Bet33% → BTN ??戦略

相手が3betを限定的なレンジで返すとNode LockするとBTN側の SB Bet33%に対する反応がRaise or Foldというように戦略変化しました。

SBは高頻度では3betを返さないと仮説を立てNode lockをしてBTNの戦略を計算します。それによりBTNエクスプロイト戦略は、ほぼ全レンジでraiseするというようになりました。
このように、相手が3betを返しにくいスポットを見つけそれに対する仮説を立てるのが良いエクスプロイト戦略の組み立て方の一つです。

発展

ここでSBがBTN Mini Raiseに対して3betを返しづらいボードを探っていきます。前述に掲載した表を見ると、T〜7ハイである可能性が高そうです。

ペアボード 9ハイ

SB戦略のNode Lock vs BTN Mini Raise to SB Bet33%

上図のようにBTNからのMini Raiseを受け時のSB戦略を3betする頻度を一部にしてNode lockしました。
今回は、TTs〜QQsの一部を3betを返すようにします。

BTN vs SB Bet33% 戦略変化

BTNの戦略変化としてはやはり、MiniRaiseが増えることが言えますが全レンジというわけではありません。
TT8の時と比べるとドラスティックに変化しません。
この原因しては、BTN 3betCallレンジに対するTripsのコンボ数に比例している可能性があります。
つまり、今回の全レンジMini Raiseエクスプロイトの条件は

全レンジMini Raiseエクスプロイトの条件
①SBから3betが返ってこないこと→前提条件(確定)
②3betCallerにTripsコンボが多いボード→可能性あり

と言えるでしょう。

ここで条件②のTripsがコンボが多いJハイをみていきます。

ペアボード Jハイ

SB戦略のNode Lock vs BTN Mini Raise to SB Bet33%

上図のようにBTNからのMini Raiseを受け時のSB戦略を3betする頻度を一部にしてNode lockしました。

BTN vs SB Bet33% 戦略変化

SB 3betをNode LockするとBTNの戦略変化が全レンジMini Raiseに変化しました。
このことより、前述での仮説が確かである可能性が非常に高くなりました。

全レンジMini Raiseエクスプロイトの条件
①SBから3betが返ってこないこと→前提
②3betCallerにTripsコンボが多いボード→可能性が高い条件

では、Qハイボードにおいてこのことが確かであるか確かめていきましょう。

ペアボード Qハイ

SB戦略のNode Lock vs BTN Mini Raise to SB Bet33%

BTN vs SB Bet33% 戦略変化

Qハイにおいても全レンジ Mini Raiseに近い戦略へ変化していることが確認されました。
特徴的な点としてQハイでは、88s〜77sがFoldレンジに組み込まれたことです。このMiniRaise戦略を使う場合において相手のFoldレンジを押さえてしまうことでFoldアクションになるということがわかりました。

まとめ

全レンジMini Raiseエクスプロイトの条件
①SBから3betが返ってこないこと
②3betCallerにTripsコンボが多いボード
追加条件
③相手のFoldレンジを押さえていないハンドレンジが有効
SmallペアやAハイ(KickerがUnBlocker時)はMiniRaiseに適さない傾向にある。

ポーカーにおいて、「このスポットはこうだ」というように固執した静的思考で留まるのではなく、「相手がこうであるならば、このようにしたらどう?」というようにプレイ中に考えることも大事です。
もっとプレイは自由であるべきだということが今回の全レンジでMini Raiseを返していくことからわかりました。


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