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クラウドワークスの卒業と今後のことについて

本日適時開示で、私のクラウドワークス取締役退任の発表をさせていただき、12月の株主総会をもってクラウドワークスを卒業することになりました。まだ株主総会までは時間があることと子会社の役員としては残るため引き続き業務は行なっていますが、このタイミングで考えと想いをnoteにまとめさせていただきます。

適時開示:取締役人事に関するお知らせ

まず適時開示をさせていただいた通り、2022年12月の株主総会をもって任期満了でクラウドワークスの取締役を退任することになります。2012年5月、大学4年生の時、インターン生としてクラウドワークスの創業間もないタイミングで参画させていただき、2012年9月に吉田さんのシリコンバレー旅行に帯同させていただきアメリカのカフェで入社を決意。2012年の12月に執行役員に就任して以来約10年、クラウドワークスの経営に携わらせていただきました。2014年に取締役COOになり、2014年12月に上場、2015年4月〜2020年末まで副社長COOをやらせていただき、2021〜2022年は取締役CINOとして、新規事業、M&A、海外事業の立案、等々に携わってきました。途中子会社の立ち上げ、海外企業投資、IRなど、10年間に渡って本当に様々な経験をさせていただきました。学生起業で失敗した22歳の若造を誘っていただき、ゼロから再起のチャンスをくださった創業者・社長の吉田さんには感謝してもしきれません。失敗した学生を引き上げ、期待し、経営を任せてれる15年も年上の経営者は、日本広し言えど、吉田さんしかいないと思います。学生起業していた時に出会ったあのイベントが、自分の人生の大きなターニングポイントになりました。改めまして本当に本当にありがとうございました。

また、仕事でお世話になった経営チームの皆さん、従業員の皆さん、取引先提携先の皆様、株主の皆様にも、辛い時も支えていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。

今回のクラウドワークスの取締役退任にあたり、いくつか、お伝えしたいことがあります。

1つは、クラウドワークスは2022年9月期の決算で開示させていただいた通り、創業来はじめて売上100億円、営業利益10億円の大台を達成し、絶好調です。10年経営した中でもダントツで状態が良く、新たな挑戦のステージに立つことができたと確信しています。

2014年12月の上場以来、赤字が続いた時期、成長率が鈍化した時期、文化が確立されない時期もあり、決して順風満帆ではなかったですし危機も苦しい時期もたくさんあったクラウドワークスの経営は、2020年から始まった生産性向上3ヵ年計画によって生まれ変わり、売上の力強い成長(年間+30%以上の成長)と利益化、増益を共に実現するところまで大きく改善しました。

営業キャッシュフローは11.5億円の黒字、自己資本比率は60%超、長期借入金もほぼなし、と極めて健全な経営基盤を整えることができています。1人当たり売上総利益も3年で+35%の改善とたしかな成長を積み上げるとともに、新規事業でもARR3億円を突破したクラウドログ、副業ワーカー登録が8万人を突破したクラウドリンクスなど順調に立ち上がり、4年ぶりに行ったコデアル社のM&Aも買収後に売上が2倍以上に成長するなど成功。企業の成長ドライバーとして、①既存事業、②新規事業、③M&Aが全て噛み合い、利益体質な企業経営も実現できています。これはひとえにクラウドワークスの経営チーム、従業員の努力の賜物であり、今のチーム状況をみれば今後の長期成長に関しては疑う余地がないと自分は捉えています。

リモートワークの一般普及、フリーランスという職業の確立、副業の解禁、働き方改革の推進。社会の大きな流れを見ても、クラウドワークスの捉えている市場が成長しないシナリオを自分は描けません。内部環境と外部環境が揃い、飛躍に向けた確固たる基盤ができた3年だったと実感しています。

このように、会社が素晴らしい状態である一方で、私個人の人生、キャリアを考えたときに、「30歳」「10年」と言う節目を迎える中で、改めて自分が人生で成し遂げたいことややってみたいことは何かを冷静に考えてみる時間を取りたいと考えるようになり、吉田さんとも以前より長きにわたり相談させていただいておりました。もちろん、クラウドワークスでの経営は私にとっても素晴らしい機会であり、社会に大きな変革をもたらせる確信はありますが、改めて次の数十年でやりたいことを考えてみたときに、自分自身で起業してまた別の社会課題やテクノロジーに取り組み、大きな価値を出していきたいとも思うようになりました。クラウドワークスの可能性が非常に大きいが故に、次の成長も共に実現していきたいという思いはもちろんありますが、体も1つ・人生1回という制約の中で、やはり迷うならゼロにした方がいいだろう。リスクを取って挑戦した方がいいだろう。新しい道を探る時期だろう。と自分の中で結論が出て、相談の上、卒業させていただくことになりました。

繰り返しですが、クラウドワークスの業績は絶好調ですし、社会的意義も大きく、経営の型も強固になり、これからの大きな成長を疑う余地はありません。あくまで自分個人の人生とキャリアのタイミングで今回はこのような形になりましたが、株主やパートナーの皆様には是非今後ともクラウドワークスを応援いただければと思いますし、私自身1人の卒業生として恥じない存在になっていきたいと心から思います。

なお、今後の具体的なアクションやスケジュールはまだ特に決めておらず、これからじっくりと考えていく予定です。ただ一つ決めているのは、どういう道に行くにせよ、自分も吉田さんのように、若い人材や失敗した人材にも寛容になり、期待し、様々な機会を提供できるようになりたいということと、どんなに困難にぶつかっても、前を向いて、自分を信じて挑戦し、成長し続ける人材になるということです。

これからも正直何度でも失敗するでしょうし、色々とご相談させていただく点もあるかと思いますが、その際は迷える子羊に、是非知恵と力を貸していただけたら嬉しいです。また、私が相談に乗れること、力になれることがあれば、お気軽にご連絡いただければと思います。

改めまして、今後ともよろしくお願いします。

2022.11.25
成田 修造

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