南インド風チキンカレーのレシピ
最近、友人にカレーのレシピを教える機会がありましたので、その際にまとめていた内容をこちらに記載します。インドは地域によって料理が変わります。北インドと南インドという雑な区分けにすると、北インドはのカレーはバターチキンカレーなどバターや生クリーム、カシューナッツなどを用いた濃厚なカレー、南インドはタマリンドや酢、ココナッツなどを用いたさっぱりしたカレーとなります。
小林真樹著「食べ歩くインド」によると、タミル地方では商人カーストが財を成しており、このカーストでは肉料理へのタブーも少なく異国の食材や調理法を用いているとのことです。なお、こちらの書籍はインドのディープな食文化を記載しておりおすすめです。
※今回のレシピとは無関係で、ただ私の好きな本の宣伝です。
ではでは、ここから本題のレシピです。以前記載したポークビンダルーと同じく8人前くらいの分量です。
カレーのベース
サラダ油 大さじ1
グリーンカルダモン 10粒
ブラウンカルダモン 1粒(皮を取る)
フェヌグリーク 小さじ1
ブラックペッパー 小さじ1
赤唐辛子 2本(種を取る)
玉ねぎ 1個
ニンニク 3かけ
生姜 親指くらい
トマト缶 400g
カレー粉 大さじ3程度
ココナッツミルク 400g
具材
鳥もも肉 500g
鶏胸肉 500g
ひよこ豆缶 400g
赤ワイン 適量
締めのスパイス
カレーリーフ ひとつかみ
フェンネル 小さじ1/2
マスタードシード 大さじ2
玉ねぎを薄切り、にんにくをみじん切り、生姜を千切りにします。鶏肉は重量の 0.5% の塩をふり、30分ほど放置した後に一口大に切ります。この際に皮はついたままにしてください。綺麗に焼くためには少し大きめの方が良いです。切った後はもも肉と胸肉を別々に分けておきます。コンロがもう複数あるならば鶏肉も焼いていきます。焼き方は後述します。
サラダ油、グリーンカルダモン、ブラウンカルダモン、フェヌグリーク、ブラックペッパー、赤唐辛子を加え弱火で熱します。カルダモンは清潔なペンチなどで潰しています。
香りが立ってきたら、玉ねぎを加えます。
塩を適量ふり、玉ねぎが飴色になるまで中火で炒めます。塩を振ることで浸透圧により脱水が早く進みます。適時水を加えて焦げを取ります。なお頻繁に木べらで混ぜる必要はなく、下が焦げそうになったら少し混ぜるという進め方で問題ないです。いい具合に炒まってきたので、ニンニクと生姜を加えます。
臭みが飛ぶまで中火で炒めます。
弱火にしてトマト缶の中身を加えます。水を少し加えて缶の中に残っているトマトを全部入れます。このように、木べらで押した際に両側から水分が流れない状態になるのが目安です。
火を止めてカレー粉を加えます。
別のフライパンで一口大に切った鶏肉を焼きます。もも肉→胸肉の順番で、いずれも皮面を下にして焼きます。もも肉を先にする理由は、ふたつあります。ひとつは肉と皮との間に脂があり焼いている間に油がでるため。もうひとつはもも肉の方がメイラード反応がおきやすいからです。これは香ばしさを出す美味しい焦げです。
焼いていると身が縮まっていきます。
焼き上がりはこんな感じです。もう少し焦がしても良いです。
焦げがこびりついています。フランス語でスュックと呼びます。これは旨味の素なのできっちり取ります。
赤ワインを加えて木べらで焦げをこすりとります。フランス料理のデグラッセという手法です。
カレーのベースに、焼いた鶏肉、デグラッセした赤ワインを加えます。
ひよこ豆とカレーリーフを加えます。
ココナッツミルクを加えます。
ローズマリーを加え、中火にします。
30分ほど煮込みます。
締めのスパイスのテンパリングをします。マスタードシードが多いですが、気にしないでください。味見してみたら、もう少し辛味が欲しくなったので赤唐辛子も加えました。
マスタードシードがパチパチし出したら頃合いです。テンパリングしたスパイスをカレーに加えます。ジュっと気持ちいい音がします。やめられません。
ご飯と一緒にもって出来上がりです。
鶏肉の旨味とココナッツの甘味で美味しいです。少し手間はかかりますが、その価値があるかと思います。
目に見える形でのおめぐみをいただけたら幸いです……。