追記箇所
2022/10/22 追記
タイトルの「2022/10/19投稿」を「2022/10/18-19投稿」に変更
「はじめに」項に小西議員のツイートとそのスクリーンショットを1つ追記
「当該ツイートから読み取れる小西議員の前提認識」項に上記ツイートに関する記述を追記
「ツイートの問題箇所」「ツイートの問題箇所(再掲)」項に上記ツイートに関する記述を追記
それに伴い記事内の番号振りを変更
「菅野氏による反対・意見封じとも受け取れる議事録部分」項に上記ツイートに関する記述を追記
はじめに
以下小西洋之議員による菅野志桜里弁護士に対するツイートです。(1つ目のツイートを追記)
念のためスクショも
以上の投稿は誤った認識を前提にした誹謗中傷ツイートです。
私は「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」の全7回の公開されていた動画または議事録を全て見ています。
その検討会の内容・その中での菅野氏の言動は、小西議員の認識とは大きく異なっています。
しかしツイッター上には検討会の内容を確認した上でこの一連のツイートに反応している人が見当たらなかったので、小西議員の認識の誤りを事実ベースで示すべきだと考え、このnoteを書くことにしました。
当該ツイートから読み取れる小西議員の前提認識
小西議員のツイートには
とありますが、小西議員の認識は以下のようになります。
菅野氏は「直ちに解散命令をすべき」とする他委員(弁護士)の意見に反対した。(追記)
政府・宗務課による解散命令請求に関する法解釈の恣意的な曲解を、消費者庁の検討会では批判・追及されていない。
そしてそれを主張する弁護士もいたが菅野氏の反対により意見が封殺された。結果提出された報告書には政府の法解釈について言及ゼロであり、事実上解散命令が不可能とするものだった。
これは完全に誤りです。
検討会の趣旨・内容・議論の流れ・発言内容・報告書の中身、それら全てに対しての認識が間違っています。
ツイートの問題箇所
次項から詳しく解説していきますが、小西議員のツイート内の誹謗中傷以外の問題点は以下の通りです。
①むしろ菅野氏はそれを提言している。
②議事録を確認していない
(追記)
③政府・宗務課の法解釈を明確に批判している。
④そもそも③の事実が存在しないので完全な噓。
⑤議事録を確認していない。
⑥法解釈の部分を「追及」というのは検討会の趣旨とは異なる。そして「追及」はしていないが強い言葉で「批判」している。
⑦「追及」すべきとする弁護士は存在しない。
⑧言及している。政府・宗務課の解釈について明確に批判している。
⑨「事実上解散命令が不可能」とする報告書は存在しない。
菅野氏による反対・意見封じとも受け取れる議事録部分
・「直ちに解散命令をすべき」とする他の弁護士の意見に反対(追記)
・解散命令請求における法解釈に関して、他の弁護士に発言に菅野氏が反対
・政府の対応への言及を報告書に載せないようにした
とも受けとれる発言は以下の部分だと思われます。
小西議員のツイートは議事録を読んでの発言ではなく、人から聞いた話を前提としているため断言はできないですが、おそらくこの部分を指しているのだと思います。
ここだけ切り取ると確かに菅野氏は解散命令請求に関して消極的とも受け取れます。
しかしこの発言が出るまでの流れ・前後の文脈を確認するとそれは明らかに誤認とわかるので、時系列順に整理していこうと思います。
前述の菅野氏の発言に至るまでの経緯(第6回検討会まで)
まずこの検討会は消費者庁による「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」であって「統一教会対策検討会」ではありません。
霊感商法等の悪質商法を防止するためにどう法を運用するか・法改正が必要か・新法を作るべきかなどの議論が第1回から第6回の検討会で行われました。
その中で個別事案として統一教会による悪質な集金収奪行為をどう規制すべきかという議論が検討会の中心ではありましたが、それは統一教会を規制するためではなく、あくまでも統一教会「のような」悪質行為をどう規制するかという議論が中心でした。
また統一教会への解散命令請求について、統一教会は要件に該当するという議論もありましたし、消費者庁が利害関係人として解散命令請求を行えるのではないかという議論も行われました。
また第6回検討会では報告書とりまとめのためのフリーディスカッションが行われており、河上正二座長提出の「霊感商法・霊視商法の被害への対応について(メモ)」という資料を基に議論が行われました。
その資料の中には政府・宗務課による解散命令請求に関する法解釈の恣意的な曲解を批判する箇所がありました。
さらに議事録の中で菅野氏は検討会から解散命令請求・質問権の行使を検討会から提言すべきとし、それに紀藤弁護士は「賛成」した上でさらに消費者庁が利害関係人として統一教会に解散命令請求ができるのではないか、と発言しています。
この第6回検討会の後、河上座長・宮下修一座長代理に加え発言の多かった紀藤氏・菅野氏の4名で検討会のとりまとめ案を作成し、その後作られた報告書案をブラッシュアップしていったのが第7回検討会です。
この第7回検討会内で問題の菅野氏の発言がありました。
前述の菅野氏の発言に至るまでの経緯(第7回検討会)とその後の報告書内容
報告書案の文言などについて議論がされる中、解散命令請求と質問権の行使を提言する文言について紀藤弁護士が発言する部分があります。
要約すると
①質問権の行使を検討会で具体的に議論されたことはないので、少し唐突に感じるがこの書きぶりには感謝する。
②解散命令請求と質問権の行使は必ずしも連動するものではないので、この2つをより並列なものとして並べる文言にしてほしい。
という発言です。
この後、何人かの委員により発言があった後、菅野氏による発言があります。
「統一教会に関しては質問権の行使ののち解散命令請求をすべきではないか、だから解散命令請求を視野の先として質問権の行使の提言というニュアンスでいいのではないか」という意見です。
この後、何人かの委員により発言があった後、紀藤氏による発言があります。
紀藤氏は「解散命令請求と質問権の行使をより並列に見せる文言の方がいいのではないか」
菅野氏は「解散命令請求を視野の先として質問権の行使の提言という文言でいいのではないか」
と、やや意見が食い違いますが、対立・反対というような構図ではないです。
その後文言に関する議論が進んだのちに問題の菅野氏による発言があります。つまりこの発言は「解散命令請求を出すよう提言すべきだが、その前に質問権を行使するか否かなど細かく踏み込んだ議論をこの検討会で重ねたわけではないので、質問権を飛ばして解散命令請求というニュアンスは強く出さなくてもいいのではないか」という内容になります。
その後報告書は原案通りの文言で提出されました。
さらに「消極的な対応には問題があり、運用の改善を図る必要があるとの指摘があった。」とありますが、「消極的な」という文言が足されており、より強い文化庁宗務課への批判的報告書となっています。
これが検討会の内容・菅野氏の発言・その後提出された報告書の中身です。
・紀藤氏との若干の意見の食い違い
・切り取ることで菅野氏がブレーキを掛けてるとも受け取れるニュアンスの発言
・報告書の一部文言に紀藤氏の提言が採用されず
これらを悪意ある解釈・切り取りをしたものが小西議員のツイートの前提にある認識なのだと推察します。
小西議員は「と聞いている」とツイートしているので、宗務課以上の恣意的解釈をする人の話を鵜呑みにしてしまったのだと推察します。
これらを踏まえて改めて小西議員のツイートを見ていきます。
ツイートの問題箇所(再掲)
①むしろ菅野氏はそれを提言している。
②議事録を確認していない
(追記)
③政府・宗務課の法解釈を明確に批判している。
④そもそも③の事実が存在しないので完全な噓。
⑤議事録を確認していない。
⑥法解釈の部分を「追及」というのは検討会の趣旨とは異なる。そして「追及」はしていないが強い言葉で「批判」している。
⑦「追及」すべきとする弁護士は存在しない。
⑧言及している。政府・宗務課の解釈について明確に批判している。
⑨「事実上解散命令が不可能」とする報告書は存在しない。
結論
以上のことから小西議員は検討会の趣旨・内容・議論の流れ・発言内容・報告書の中身、それら全てに対して誤った認識を持っており、議事録・検討会から提出された報告書を確認せず、誤った認識を前提に「菅野氏を弾劾しなければならない。」「法律家としての良心を売った」「法律家としての基本的な能力を欠く」「このような人物をマスコミは使うべきではない。」「法律家としてあるまじき行為だ。」と国会議員の立場でありながら誹謗中傷を行っています。
小西議員による一連のツイートは「国会議員による悪質な誹謗中傷デマツイート」と言わざるを得ません。
小西議員には菅野氏への謝罪と発言の撤回をしていただきたいです。
ですが「と聞いている」とあるように、議事録外での出来事を耳にしツイートした可能性は否定できないので、そうであれば小西議員には釈明していただきたいです。
おわりに
統一教会問題は「宗教問題」である前に「人権問題」だと思います。
組織的に人権侵害行為を繰り返し行っている団体の問題です。
小西議員には「人権問題」というものを改めて考えていただきたいです。
「私が岸田総理に撤回させた」と手柄を誇り、事実確認を怠り誹謗中傷をする姿は、「人権問題」に取り組む議員の姿としてふさわしくないと思います。
統一教会問題を政争の具にしているからこそ「人権問題」であることを忘れ、このようなツイートをしてしまったとしか思えません。今一度真摯に統一教会問題に、「人権問題」に取り組んでいただきたいと思います。