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登場人物が全員ENTPのシンデレラ

こんにちは!のりだよ〜◼️ヽ(´▽`)/
それでは、登場人物全員ENTPシンデレラのはじまりはじまり〜

ENTPシンデレラ

むかしむかし、シンデレラと呼ばれている娘がいました。シンデレラは優しいというより、子供のように純真でやや自己中な心を持っていました。シンデレラは、継母とその連れ子である二人の義理の姉と日々レスバに明け暮れており、継母血族3人タッグにコテンパにされてこき使われてたりしていました。

ある時、王子様が舞踏会を催すことになりました。(この家は舞踏会の招待状が来るぐらいには上級国民です)勿論、舞踏会とは踊ることが主目的の場所ではありません。踊りながら相手とディベートを行い、敗者は顔を赤く染めて勝者に殴りかかり、勝者は敗者が守衛に拘束され城の外に叩き出される様を見て微笑む、という血で血を洗う武闘会なのです。そして、最後まで勝ち残った女、あるいは男が、「国で最も賢い者」という栄誉と共に王子様と結婚し、諸外国との外交でしのぎを削る役割を担うことになるのでした。

二人の義理の姉は着飾って出かけました。シンデレラも行きたかったのですが、ディベート力が最弱だったので連れて行ってもらえません。一人になると、悲しくなったシンデレラは、この感情はあくまで一時的なものに過ぎず、寝れば収まる程度の物でしか無いのだと、俯瞰的立場に身を置くように心がける事で自身を慰めていました。

すると、シンデレラの名付け親である仙女が現れました。何だかんだでシンデレラに愛着のある仙女は、魔法の杖を振り、舞踏会へ行けるように、素敵な支度を整えてくれました。美しい論理武装が出来るようになるドレス、闘志を高めてくれる豪華な馬車。そして、揚げ足取りを避けるガラスの靴。おしまいに仙女は1つ注意を与えました。「12時を過ぎれば馬車もドレスも靴もお前も元の粗末で明晰さを欠く愚物に戻ってしまうから、必ず12時までには舞踏会を出るようにしなさい!」その言葉に対して、シンデレラは「多分、ご注意を守りまーす!」と元気よく曖昧に約束して、大喜びで舞踏会へ出かけました。

さて、舞踏会に着いた論理の美しいシンデレラは、たちまちみんなの注目の的となりました。次々と有象無象達を言葉で薙ぎ倒すシンデレラに王子様も魅了され、踊りに誘って愛についての掛け合いを楽しみました。そうして夢のような時間を過ごしているうちに、シンデレラは時の経つのも忘れてしまいました。

気がつくと、時計が12時を打ち始めています。シンデレラと王子様との談論は佳境でしたが、彼女は仙女との約束を思い出し、慌てて駆け出しました。その拍子に、美しいガラスの靴が片方だけすぽっと勢い良く脱げて、王子様の顔面に直撃しました。「んぐっっっ」重さのある靴が王子様の顔にめり込み、痛みに呻きます。走りながら振り返ったシンデレラは、その様子を見て吹き出しそうになりましたが、何とか我慢して走り続けました。こうして王子様が引き留める間もなくシンデレラはお城から逃げ出しました。

王子様は何とかしてシンデレラを探し出そうと、おふれを出しました。「ガラスの靴がぴったり合う人を自分の結婚相手にする」というのです。勿論、王子様は痴呆ではないので、靴が合うことはシンデレラを見つける為の足切りにしか過ぎません。しかし、それを知るのは王子様とその側近だけです。そのため、何人かの靴が合わなかった人々は、踵やつま先を切り落としてガラスの靴を履き、脂汗を流しながら王子様との面会を求めました。「横幅がぴったり、という解釈ならば、これで条件は満たすはずだわ!」この屁理屈が現実に即していないことは明らかです。王子様は【文字通りの足切り】の報告を聞くたびに辟易とした態度を取っておりました。「まるでこの国が、ほんの少しだけイカれているみたいじゃないか」

そしてシンデレラの義理の姉たちの番になり、姉たちは何とかしてガラスの靴を履こうと無理をしましたが、無駄でした。そこへシンデレラが進み出て、王子様の使いに「それは私の靴なので履かせてー!」と言いました。義理の姉たちは、最弱風情が何を言うの、と大笑いしましたが、使いはシンデレラにも履かせてみました。するとガラスの靴はまるであつらえたようにぴったりでした。

シンデレラはもう片一方をポケットから取り出して履きました。使いは「その靴を携えて早く名乗り出てくれたのならば、余計な仕事をせずに済んだのに!」と思いました。ただ、シンデレラも余計なことはしたくなかったので、使いが来るのを待っていました。弱い立場の人間というのは、この手の雑務の押し付け合いで、わりを食うものなのです。

使いは「この方こそ王子様の探しておられた女性です」と言って、シンデレラをお城へ連れていきました。王子様はたいそう喜び、数日後にシンデレラと結婚式をあげました。そして、魔法による地力の底上げが無ければ期待される外交業務をこなす事は出来ないと自覚する心優しいシンデレラは「鳩に目玉を抉らせる刑の恩赦と引き換えに、私の代理として外交に携わって!」と、今まで自分を冷遇していた義理の家族を許し、外交の場で彼女達を矢面に立たせる代わりに、そこそこ良い身分を保障しましたとさ。

めでたしめでたし。


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