ここ数日の話

アイドルを辞めて数日が過ぎました。

事務所の人とメンバーとの打ち上げがワンマンから数日後にあり、その際に事務所の人から
「大丈夫?リストラされたサラリーマンみたいになってない?」と聞かれたとき、
「仕事やめたら、カメラを始めようとか、旅行に行こうとか、やりたいことがたくさんある方のサラリーマンなので大丈夫です。」と答えた。
(そもそも自分の意思で辞めたからリストラではない。)(事務所の人は悪気があって言ってるわけではないのです。)
カメラや旅行は例えだけど、いつかアイドルを終える時が来たらやりたいことは沢山あった。

20代の一番遊ぶぞ〜〜!っていう時期をライブや練習に費やして来た。それが無駄だったとか、もったいない事をしたとは一切思ってない。すごく大切な時間だったと思う。踊ってみたをやっていたときから、昔自分がしていた事を「黒歴史」という人もいたけど、わたしにとってはシンプルに歴史なだけだし、アイドルとして生きていた時間もシンプルに歴史なだけだなあと思う。
ただ、OLをして得た経験、セルフプロデュースをして得た経験、アイドルをして得た経験以外のシンプルに20代女性としての経験値が著しく低いなと感じ事も多いです。
遊び方も1人でできる遊びしか知らないし、(1人が好きなのでそれは別にいいんだけど、人と遊ぶときに毎回戸惑う)休みの日はひたすら家のことをして終わってしまうし、同世代の当たり前、についていけない事も多い。

当たり前のことだよ、と言われてしまうかもしれないけど、ここ数日で感じた事を書きます。

アイドルを辞めてすぐ、超特急のファンクラブミーティングがあり、2日間乗車しました。(超特急はライブに行く事を乗車と言う。)
2日間も乗車できたことがまず嬉しかったし、グッズに並んだり、生写真の交換をしたりライブの前後に友だちとご飯を食べて、次のライブの予定を立てたり、生写真を見て推しを褒め散らかしたり、あのグッズの予約しなきゃとか、あのライブのチケット取らなきゃとか、ライブの感想とかそういう話をするのがものすごく楽しくて、「私がライブをしている間に世の中の人もこんな楽しい事をしていたのか…!」と感動した。
アイドルのうちもライブに行かせて頂けていた、とても稀なそういう事を容認してくれるありがたい事務所にいたけれど、こんなにしっかり推しの事をだけを考えられてライブもそれ以外も真剣に楽しめたのは初めてだった。大体自分のライブのこととか、前後のスケジュールの事とか、練習とか振り付けの事でいつも頭がいっぱいだったので、自然と全力では楽しめてなかったんだなと感じた。ほんとに頭のてっぺんから足の先までライブを楽しめた。それが嬉しかった。

日常生活でも毎日が自分の時間。
わたしは今、シフト制で二つの仕事を掛け持ちしながら、だいたい週2のレッスンと自主練をして過ごしています。
OLをしていたし、またOLになってもいいかなとは少し考えたけど、朝の満員電車やオフィス仕事がどうしても苦痛になりそうだったし、ダンスを続けていきたい事や自分が行きたいライブには絶対に行きたい事を考えると、OLに戻るという選択肢は早々に消えた。

アイドルをしていた時は、不定期に入るライブや練習のスケジュールで、プライベートな時間は確約されていないし、人と会う予定も全然立てれない。レッスンもライブも自分のライブ入ったら行けない。家にいることはほとんどなかった。
(こういう書き方をしたら、それが嫌だったみたいになってしまったけど、全く嫌ではなかったです。それ以上にライブをすることの喜びがあったし、辛いなとかも別に思ったことはなかったけれど、今そういう生活をしていると頑張ってたなあと感じます。)

もともと私はスケジュールをしっかり決めて過ごしたい人間らしく、一日のタイムスケジュールが可視化できる手帳とGoogleカレンダーの2つを使い、月の初めには次の月のシフトもある程度決めてしまう。
なんでそうしているかというと、寝たいから。
兎に角睡眠が大事。いっぱい寝たいんです。
不定期で入る予定があるとどうしても睡眠を削らないといけない日ができてしまう。
予定が見えない=何時間寝れるかがわからない
なので、非常に困る。睡眠が安定しないことで下がる幸福度は計り知れない…。
今は安心した収入と生活、睡眠時間をプライベートを手に入れて、幸せだなあと感じています。
(こういう書き方をするとアイドルが嫌だったとか窮屈だったみたいに捉えられてしまうかもしれないけど、アイドルとして得られた幸せとは違う幸せを感じているということです)

生活に追われて常に疲れていたので、(事務所に入ってからはかなり和らいだけど)休みの日も外に出る元気が残っていないので、家に引きこもることが多かったし(忙しいと家が汚れるので掃除したり家のことして1日がおわる)、安定しない収入にビビって休みができるとすぐ「シフト入れますか?」と聞いて休みを取ろうとしなかった。その頃はそんなつもりなかったけど、常に何かが不安で焦ってたし、やらなきゃ、頑張らなきゃ、と常に気負いしていたし、無関心が怖かったし、人の目も怖かった。と、今になって思う。(その頃はそれが当たり前だったのでそんなに気にしていなかった)

今日、たまたまシフトを外されて不意に休みが来た。水曜に休みなんてありがたい限りなのでゆっくり起きて家の事を済ませ、レディースデイで映画を見て、耳鼻科に行き1ヶ月分の花粉の薬を処方して貰った。前に買ったのに読む暇がなかった本をカフェで読み終えて、これからなかなか予定が合わなくて会えなかった友人と食事をする。

アイドルをしていた時も今も、ジャンルの違う幸せをしっかり感じて生きています。
 

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