BUCK-TICKとわたくし

まぁなんか書いておこうと思ったわけ。まさに今から書くわけだけども、それほど大した中身はないし、感動したりとかどうこうみたいな話もない。音楽的な深堀とかそういうライナーノーツみたいな話もない。ただ記録という感じ。書く前からわかってるんだ、そんなこと。

で、バクチクとわたくしの一番最初の出会いというと、これがまぁわからない。多分だけど図書館でCD借りたんだと思う。自分が小〜中学生くらいの時の音楽に接する場所といえば基本的に図書館だった。AVコーナーみたいなやつがあるでしょう、あなたのお近くの図書館にも。最近はとんと足を運ばないので、今でもあるのかどうか知らんが。

で、図書館に行っては目ぼしいCDを2枚ずつ(貸出上限が2枚だった)借り、聴いては返す、気に入った曲があればカセットテープにダビングする、ということをやっていたわけ。多分その中にバクチクもあったと思う。わからんが。

だからどのアルバムをとか、どの曲を、とかは全然覚えてない。ただはっきり覚えているのは、わたくしがギターを始めて、初めて買ったバンドスコア(バンド向けの楽譜)がバクチクのアルバム「Six/Nine」のだった。なんでだろね。全然わからん。

多分だけど図書館で借りたんじゃねーかなぁ。わからんが。いや図書館で貸すなよSix/Nineを。そもタイトルがシックスナインやぞ。回収騒ぎ起こしてるんやぞ。流石に図書館じゃなかったかもしれない。ツタヤかどっかかしら。

まぁなんか聴いてたんだと思う。聴いてないアルバムのスコアは流石に買わない。で、買いました。で、それを一人で弾いたりしてたわけ。中学3年生当時、わたくしはいわゆる学校の軽音部みたいなところに所属していたのだが、バンドを組めていなかった、にも関わらず夏季合宿に参加して、一人でSix/Nineの曲をずっと弾いていた。バンドは組めてなかったんだけどスタジオ借りる時間もあって、一人で「唄」のリフとか「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」のリフとか「限りなく鼠」のリフとかを弾いていた。何の時間なんだろうね。

バクチクの曲のよいところ。弾くのが簡単なんですよね。当時わたくしギター買って1年とかあるいは1年も経ってないくらいだったと思いますが、Six/Nineの曲はだいたい弾けたような気がする。弾けたというのはもちろんギターパートのみだが。非常に簡単。ちょこっと練習すれば大体弾ける。なのでよかったんですよね。

ただあの、すごい簡単は簡単なフレーズばかりなんですけど(そもそも今井さんがそんなに難しいフレーズ弾けない/弾く気がないんじゃないかと思ってる)バクチクの曲って聴いてて全然しょぼくなくて。ギター簡単だな〜と知ったうえで改めて聴くと「構成がすごい」「音作りがすごい」「アレンジがすごい」とかそういうところでめっちゃ聴かせてくるというのがわかった。

あと当時はあんまわかんなかったけど櫻井さんてそんなに声高くないじゃないですか。だからこの手の重めの音楽でよくあるハイトーンのパーン! みたいなのもないんですけど、全然聴ける。問題ない。まぁワァオ! オォイ! とかは言うけど。櫻井さん。

そういった経緯もあって、わたくしがバクチクで一番馴染みがあるのはSix/Nineなんですね。「鼓動」とかも弾いてましたね。「密室」とかも弾いてました。さすがに「Somewhere Nowhere」はやりませんでしたが(櫻井さんが迷子になる曲。「どこだ! ここはどこだ! アッ… わかったぞ! こっちだ!」とか言う)。中でも「密室」は特に好きで、当時はカセットテープレコーダーを駆使してオケを自分で作って一人で歌って録音してそれを家族に聞かれたりもしましたね。恥ずかしい思い出あるあるじゃねーか。

あとそうですね、バクチクのよいところ。新しい音楽のジャンルとかにすごく貪欲なんですよね。「ヒロイン」とかがそうですが、ドラムンベースとかハウスやらなんやら新しいものをどんどん取り入れていったのがやはりおもしろかったというか、リミックスアルバムなんかも出していて、それに参加しているミュージシャンもコアなテクノ畑の人だったりとか。オウテカなんかが世に出るきっかけにもなったとかとか。本当かどうかは知らんが。

わたくし中学生くらいの時はもうほとんど筋少しか聴いてなかったのですが、そのあとでテクノとかトランスとかも普通にというかむしろ好んで聴けるようになったのはバクチクのおかげも結構あるのではないかなと思っています。あとリミックスの自由さ、原曲の要素こんなに無くていいんだ、みたいなところ。わたくしほんの少し自分で曲を作ったりもしたのですが、音楽を作るという時の心構えみたいな。なんかすごく自由でいいんだ、バンドだけどバンドサウンドなんかこだわらなくていいんだ。具体的に言うとドラムセットが幾つあってもいいんだ。そりゃそうだよな、だって今自分は一人で音楽作ってるし、やろうと思えばできるんだもの、という感じのところ。そういうのはすごくバクチクに習ったところがある気がしますね。

(逆に言うと「バンド」に強いこだわりがある人などはそういった音楽制作を本当にしない、潔癖的なまでにやらない、ということも知っているので、上記のようなところが割と驚きの対象になったわけ。例えばですがルナシー(バンド名)のルナシー(アルバム名)のブックレットの最後の方には「シンセ使ってません」みたいなこと書いてんだよわざわざ)

そういう意味では筋少なんかもジャンルレスというか、パンクに始まりメタルやプログレ、なんなら音頭までやっちゃいますみたいなバンドなんですが、どっちかというと方向性が過去に向かっている感じなんですよね、取り込むジャンルの方向性が。バクチクは逆に未来、というか今、という感じでしたので、音楽の振れ幅として「未来・過去・今」という感じでとても自由な、自分が割とジャンルレスな聴き方ができるようになったのも彼らのおかげかなという感じがある。

アルバムとしては「darker than darkness」もとても好き。あとは「COSMOS」とか、そこらへんの時代が一番聴いていたところです。その後はちょっと疎遠になったというか、あーやってんな〜と思いながらシングル曲などを見かける、という感じ。テクノテクノしていた時代を経て、なんか最近(もはや最近でもないが)やたらストレートなロックンロールな曲もあってそういうのもよかった。「極東より愛を込めて」とか「残骸」とかですね。相変わらずリフはめっちゃシンプルで、というのは変わらず。そいや突然のB-Tトレインとかもおもしろかったですね。筋少もそうだったけど電車好きだよな。なんでだよ。

だからさぁ、なんだ、まとめるとバクチクについてライブとか一度も行ったことないくらいの距離感で接してきたのですが、こう振り返ってみると結構な影響受けてんなと思いました。生まれ変わるとしたら今井寿になりたいとは思っていたが。あの人のギターの弾き方好き。

はい、そんな感じでしょうか。なんでまぁ30年近くはバクチクの曲を何かしら聴いていたわけです。だからねぇ、その人がもういませんよと言われてもよくわかんねーんだよな。

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