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NPUG愛媛 第三回 “理想の働き方=生き方”をデザインする!

“やりたいことを思い切りやれるのも、妻の支えがあってです。しかし、明日妻が心筋梗塞で倒れると全く違う人生になるでしょう。私はそういう人を毎日のように見ています。だからこそ、今をしっかり生きることが大事なのです。(奈良原)”

“人生の課題を24時間強く思い続けることです。そうすれば自然にご縁や機会というものが目の前に現れます。どれだけ強く課題解決のためにやりたいことを思い続けるかが重要です。(石田)”

第三回のNPUG愛媛は、三重県から石田礼子さん、横浜市から奈良原裕さんをゲストとして迎えて、いつものマツヤマンスペースで8/31(土)に開催されました。ゲストのお二人はもちろん、参加者の方々も大変素晴らしい方々ばかりで否応なく大変盛り上がりました。

石田 礼子(いしだ れいこ)
株式会社 ニューズピックス コンテンツ・キュレーションチーム マネージャー
株式会社 中部システム ワークスタイルコーディネーター
2002年3月 立命館大学 卒業
2002年4月 株式会社 百五銀行 入行
2016年6月 株式会社 ニューズピックス 入社
2018年10月 株式会社 中部システムセンター(複業)
三重在住のフルリモートワーカー。普段は自宅やコワーキングスペースで仕事をし、地元で新しい働き方を広めるべく複業も行っている。個人では新しい働き方の実践者を集めたコミュニティを運営。2児の母。


石田さんによれば、理想の生き方の出発点は「課題」であるということ。今までの人生で色々な課題にぶつかってきましたが、その都度それを強く思い、そのたびに解決策を見つけ出してゆきます。もともと三重の地方銀行に入社して面白くない時期もありましたが、部署異動や特別研修などの機会をつかんで充実したものに変えてゆきました。その後結婚、出産も経験してやりがいのある会社人生を過ごしていましたが、東京で働きたい、とか新しいことにチャレンジしたい、という課題を認識するようになります。その時に「はまった」のがNewsPicks。通勤電車内だけでなく、駅のホームでも小一時間NPを利用する日々を過ごしました。

ある縁からNewsPicksより声がかかり、反対する周囲を押し切って転職。その際の家族会議での決め手になったのが、8歳になる娘さんの「なんでママがチャレンジしたらいけないの?」という“右肩上がりグラフを使った”一言だったそうです。NPでは好きなことを思い切りやっている反面、リモートワークであることから外界との接点が減る、運動不足になる、という課題に突き当たります。そこで、中部システムセンターでパラレルワークをすることに。そのほか、remowacaというコミュニティを立ち上げたり、NPのイベントを開催したり、俳句をしたりと多角的な生活スタイルを取ることができました。

以下、石田さんのスライドより(未使用部分)。
これからは正解がない、「みんな違ってみんないい」という多様性の時代なんじゃないでしょうか。そして既にそういった動きも出てきているように感じます。
もっと言うと 成功の定義も人によって違う そして 幸せの定義も人によって違う
結果、「みんな迷っている」。働き方を考える=自分の人生をデザインすること。大事なのは「決定権は自分自身にある」ということです。


奈良原 裕(ならはら ゆたか)
菊名記念病院 心臓血管外科 医長
1993年4月 三菱石油株式会社 入社
1999年4月 高知大学医学部医学科 入学
2007年4月 済生会横浜市東部病院 外科研修医
2010年4月 菊名記念病院 心臓血管外科 医員
2014年1月 菊名記念病院心臓血管外科医長
主任外科医として主に心臓手術を担当する傍ら、医療過疎地への日帰り診療支援やサンクトペテルブルク在留邦人への遠隔医療サービス、学童保育活動を行なっています。2016年5月から3年間NewsPicksでプロピッカーとしてコメントしてきました。

“僕に働き方って言われても、一日中窓のない手術室で一人だし、そこにいる人に話しかけても返事もないし。まあ麻酔がかかってますけどね。”で、会場は爆笑。このつかみネタは鉄板ですね。奈良原さんのお話しから私なりに感じたことは、「未来はどうなるかわからない。今を楽しくしっかり生きることが大事だ。しかし、そのためにはしっかりした芯を持っておくべきである。そうすれば将来振り返った時も理想の生き方、働き方になっているはずだ。」ということです。奈良原さんの場合は、命にかかわる仕事をしたい、そして信頼される人になりたい、というのがその芯ではないかと感じました。あの先生に命を預けたい、と言われることが最大の喜びとのことでした。

石油会社に就職し、関東の販売店への営業をしていたサラリーマン時代。昔からのあこがれだった医者になるため一念発起して27歳で退社して29歳で医学部に入学。その後外科医として病院で働きながら、その後また38歳で一念発起して、最も難しいとされる心臓外科医に転身。心臓外科医とは非常に難しい技術を要するうえに、たいへん体力を必要とし、続けていける人がとても少ない診療科の一つとのことです。上のどちらの選択も周囲の猛反対を押し切っての転身でした。49歳の今は、病院で医者をしながらも「いのちを紬(つむ)ぐ」という切り口での医療ビジネス起業に向けて準備中とのこと。それ以外もロシアへの遠隔医療サービス、子供たちへの医療体験教室、3年にわたるプロピッカーなど幅広く活躍されています。

10年前には緊急手術ばかりでブラック企業がかわいく見えるくらいのブラック状態の働き方だったところを、抜本的な業務改革で、かなり効率的かつ計画的に仕事ができるようになったとのことです(たぶん普通のブラック企業くらいに(笑))。忙しい毎日にこういう色々なことができるのも、こうした改革改善の取り組みをする実行力、気持ちの強さのたまものです。全ては、信頼される医者(人間)になりたいというのがゴールとして設定されているのだろうな、と感じます。

その後の質疑では、本当に活発な意見交換が行われました。以下、印象的なものを記載しておきます。

元明屋書店社長 小島さん
「働き方について若い君たちに伝えたいのは次の二つ。1.好きな働き方をしたいなら徹底的にインプットして個人のポテンシャルを上げよ。そうすれば周囲は何も言えない。2.家族とたくさんの時間を過ごせ。これは自分ができなかった大きな後悔である。」


キスケ 山路専務 「働き方の柔軟性と社員のエンゲージメントは反比例するのではないか?」
→石田さん 「NewsPicksには自由闊達を基本とする社是があり、これに共感する人で構成されているので大丈夫です!その意味では社是とか企業理念とかがすごく大事。」

中央会計 高岡さん 「一杯やりたいことがあるのに子育てに追われて全然時間が取れません!石田さんはどうされているのですか?」→石田さん「冒頭のコメントへ」

奈良原さん「医者になるときに師匠にお祝いに短刀をもらいました。いつもこれを磨いてそこに映る自分を眺めて自己研さんが十分か確かめよ、と言われました。松山に来る前にしっかり磨いてきましたよ!」

まとめ

理想の働き方をデザインする、というと我々のような企業に勤める人間や公務員の方々にとっては、残業削減のような小粒な話になってしまいます。しかし、お二人の話はさらに次元の高い話で、理想の生き方、学び方、楽しみ方といった内容だったと思いますし、会場の方々もそれを望んでいたように感じました。小島さんがこのイベントに参加して「愛媛の未来を感じた」と言われました。私もそう思います。愛媛で情報感度の高い人が集まり、そこに日本中、世界中からすごい人を呼んで化学反応を起こす。企画段階で稲見さんと話していた、我々自身の“理想の働き方”にも近づけたイベントになったと思います。

石田さん、奈良原さんのお二人は、まだまだ話したりなかった、という気持ちが残ったようです。しかし、お二人の言いたかったこと、そしてお二人の素敵な人柄、熱い思いは十分伝わったと思います。今後はKintoneなどを使ってその話足りない部分をシェアしたり、NPコメントを読み込んだりして補っていければいいかと思います。お二人からは「皆さんに会って愛媛が好きになった!」と本心で言ってもらいました。松山城、道後温泉、鯛めしなどもそうですが、なんと言ってもNPUG愛媛の参加者の皆さんこそが、素晴らしいローカルコンテンツということなんだと、私は確信しました。[おわり]

TATE NAGAFUCHI

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