会計担当者の在宅勤務(NPO)
緊急事態宣言が延長され外出自粛が続く中、スタッフの在宅ワークを実践するNPO法人が少なくないようです。以下、会計担当者の在宅ワークに伴うリスクと必要な対策について考えてみました。
1.組織管理
在宅ワークの導入により、法人運営が平常時とは異なる状態になります。組織内の情報伝達や業務上の相談・決済の流れ、担当業務の範囲など、事前に具体的な取り決めをしておかないと、一人合点による間違いや決済権限の逸脱が生じかねません。
(1)在宅ワーク時の労務管理や業務報告について、法人の方針・ルールが明確に示されています?
(2)在宅ワークの「誰」が「何の業務」を行うかを内部で共有できていますか?
(3)事務上の判断を要する場合、問題のレベルの大きさに応じ、法人内部の適切な人にメールやSNSなどで相談又は報告を行うように決めていますか?
2.情報セキュリティ
在宅ワークで特に重視されるのが、法人の情報の保護です。特に会計担当者が扱うデータには、個人情報を含め重要なものが多く、外部に流出したり、壊れる、消失するなどのトラブルを発生させない注意が不可欠です。
(1)書類を自宅に持ち帰る際、「持出記録簿」などに記録管理できていますか?(法人の状況によって、申請書形式や記録簿形式など決める)
(2)自宅で使用する個人のパソコンは、バージョンなどを最新状態にし、ウィルス対策などを行うことで、外部からの侵入を防御できていますか?
(3)在宅ワークで取引先や関係者と電子メールで送受信する際、メールアドレスを法人・個人のどちらにするかなど、法人内部のルール決めができていますか?
3.会計担当者の事務所不在に伴う問題
会計担当者が在宅ワークによって事務所に不在になることで、他のスタッフに不便を感じさせ、もしくは混乱を生じさせることが懸念されるため、事前の対応措置が必要です。
(1)会計担当者が事務所の不在の間、事務所出勤者が「必要な書類を、必要なときに探し出せるファイリング」状態になっていますか?
(2)法人の重要書類原本は常に事務所の定位置に保管され、在宅のために持ち帰るときは、コピーしたものですか?
(3)会計担当者の事務所不在に伴い、スタッフの立替金精算、利用者からの集金などに対する対応方法が法人内部で了解され、共有されていますか?
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