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性教育の大切さについて ~ 性と恋愛 意識調査2023から ~

国際協力NGOジョイセフが2年に1度行っている、大規模な「性と恋愛-日本の若者のSRHR意識調査-」。2023年の調査では、より多くの15-29歳の日本の若者(5800人)を対象に行われ、興味深い結果が得られました。

私が注目したのは、セクシュアル・ヘルスについてのテーマである。
このテーマで私が挙げる論点は、日本の性教育の遅れについてだ。
今回のジョイセフの調査結果を見ると、「性に関してどこで情報を得てる?」という質問に対して、「ネットやSNS」と回答している方が全体で半数を超えた。また、男性だけに絞って回答を見ると、1位の「ネットやSNS」に続いて、「アダルトビデオ・サイト」と回答する人が多いことが特徴的であった。

これらの事実はひどく問題視するべきであると考える。

まずは大体の人の主な情報源が「ネットやSNS」であることについて。ネットやSNSで情報を得ることも確かに一つの有力な手段である。しかし、そこには注意すべき問題が二点ある。一つは、やはりネットやSNSの情報は、出処が曖昧であったり、デマが混じっていたり、不確かなものが多い。それらの情報を安易に鵜呑みにしてしまうのは非常に危険である。そして二点目、ネットやSNSでは、その構造的に“調べないと”情報を得られないという点にも注意すべき必要がある。つまり、性に対する関心を持った能動的な行動が求められ、関心を持たない人にはいつまでもそれらの情報は届かない。また、能動的な行動をネットやSNSで起こしたとしても、それらはまた個人の興味関心に沿った偏った情報だけが届きがちである。
以上のことは「アダルトビデオ・サイト」を情報源とする場合にも同様なことが言える。それらから得られる情報はしばしば作り込まれたファンタジーが混在している。実際に真似してみては、相手の身体を傷つけてしまう危険性も十分にある。

こうした背景からも、ネットやSNS、アダルトビデオ・サイトで情報を得るということは、歪んだ性知識を身につけてしまうことに繋がる危険性がある。

日本ではいまだに性に関して、極端にタブー視する風潮が強い。
私自身、学生時代を振り返ると、性教育を学校で受けた経験はほぼ無いに等しいように思える。強いて言うならば、保健の授業であろうか。とはいっても、ただただ用語を教えられるだけで、内容は曖昧なものであった。学校側が性知識について深く教えることをタブー視していたような雰囲気があったように思える。そのため、私自身も当時それらの知識について若干避けていた節もあり、また少し軽蔑していた節もあったように思える。しかし、今になって思うのは、加害者にならないためにも、被害者にならないためにも、自分の身を守るために全員が真面目に知る必要、教える必要があると実感する。強制的に「正しい知識」を教える性教育の大切さについて改めて考えさせられた。

(レポ:学生ボランティア ちほり)

引用・参考文献
・国際協力NGOジョイセフ(JOICFP), 性と恋愛 2023【セクシュアル・ヘルスについて】,https://www.joicfp.or.jp/jpn/column/sex-and-love-surv2023-04/ (2024.1.14閲覧)


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