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九州踊る!物語 その9【長尾編】

宮崎県三股町に住み始めて5ヶ月。
家族8人と、犬1匹、鶏20匹と一緒に暮らしています。

私は、大阪生まれの大阪育ち、大阪市内の京橋周辺に住んでいました。遊ぶのは10代はキタ、20代からはミナミ・ウラ難波で飲むような生粋の大阪人です。在学中は居酒屋のホールを4年間経験、踊るように走り回って串カツとお酒を運び、接客にやりがいを感じていました。卒業後は、大阪・京都でコールセンターのオペレーターを、その後オペレーターの育成職と販売企画職として働く、ごく普通の社会人でした。

7年来の片思いが実って結婚。2016年、夫の転勤をきっかけに京都府舞鶴市にIターンしました。京都府舞鶴市に住んだのが4年間。「京都」と言っても「海の京都」。気候や生活のイメージは北陸で驚きました。

第1子出産・退職し、仕事がしたいなと思っていたとき、たまたま出会ったのが地元のまちづくりチーム。かつて民泊のホストをしていたこともあることから、2017年に築130年の古民家を改装したゲストハウス「古民家の宿 宰嘉庵」を開業し、女将(おかみ)として運営を担うようになりました。ゲストハウスとしては高価格帯設定で、手厚いサービスが売りでした。2児の娘を順番に背負いながら、毎日全力で清掃・お客様対応に向き合い、期待以上を目指すのに没頭の毎日。アットホームな地域に密着した宿泊・観光体験を提供しようと試行錯誤した日々を振り返ると、改めて接客が好きだなと感じました。

コロナショックが直撃しながらも、2020年9月には2号店の「ゲストハウス 宰嘉庵 かなで」を開業しました。しかし夫の退職とコロナショック拡大もあり、事業を譲り、夫の「現在の」実家のある宮崎県三股町に家族で引越しました。夫も私と同じく関西出身ですが、夫の父方の実家が宮崎県で、結婚後のお正月・お盆の帰省は毎年三股、というぐらいの関わりでしたが、半ば勢いで宮崎県に移住しました。

三股町周辺の市町村を調べていく中で、以前の京都のまちづくりグループが視察に行った隣町・日南市に問い合わせたところ、NPBの田鹿さんと繋がり、PAAK Design株式会社を紹介していただきました。ちょうど新しい古民家の宿「PAAK Hotel 犀 -sai-」のオープン直前で、開業準備に携わる人を募集していたそうで、是非私を! と食らいつくようにスタートアップに関わることになりました。

2021年3月31日開業以降も、日々の運営に関わり、毎日バタバタとしながらも踊るように充実して暮らしています。現在は残念ながら目標より宿泊予約は少ないので、清掃・対応がない日は「コロナでもどうお客様を集めるか」を毎日毎日考え、売り文句を変更したり、新プランを考えたりしています。オンライン宿泊予約サイトを更新すると、それがお客様に届いてか予約がふっと入ってきたりします。それが嬉しくて嬉しくて。自分で企画したものが売れて、お客様が楽しんでくれて、あわよくば素敵なレビューが付く。それが私にとって一番のやりがいです。これまでの接客が好きという部分がつながって、時間を忘れて没頭する、踊るような暮らしができていると充実感を感じています。

今は、「クラフトコーラ作り体験」と「南国生まれのクラフトコーラ」の特典付きプランをいかにお客様に届けるかを考えています。さらに今年の夏には「クラフトビールのビールサーバー付き客室」を提供できるよう準備を進めています。地域資源を扱い、楽しい旅の思い出を提供する仕事に、夢中の毎日です。

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