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藤浪晋太郎(阪神)|超選手分析! #10

今回は読者の方からいただいたお題、『藤浪投手が新人で勝てた理由と現在勝てない理由(成績が良かった時と悪かった時でどう違うのか)』について考察したいと思います。

1.スランプの始まり

改めて言う必要もないのですが、藤浪晋太郎投手は長いトンネルから抜け出せないままでいます。

2013年のルーキーイヤーから三年連続で二桁勝利をマーク。プロ入り3年目の2015年には、最多奪三振のタイトルを受賞。日本球界屈指の存在と言っても差支えのない投手となりました。その順風満帆なキャリアに影を落とし始めたのが2016年。7勝11敗という成績に終わり、キャリア初となる負け越しでシーズンを締めくくる事になりました。

翌2017年シーズンからは本格的にスランプの兆候を見せ始めます。

元々、制球力は高い方ではなかったのですが、それでも活躍していた期間(2013~2015年)の与四球率はワーストだった2015年でも約3.71と及第点(MLB平均3.2程度)の出来でした。しかし、2017年は、それを大幅に上回る約6.86にまで悪化し、2013~2015年の4年間での平均が2.67だったK/BB(695奪三振÷260四球)は0.91(損益分岐点は1.5)にまで下がってしまいました。

今年はここまで21試合に登板して(9月11日現在)3勝をマーク。やや復活の兆しを見せていますが。与四球率は7.45、K/BBは1.30と根本的な部分は解決していません。

何が原因でそうなっているのか、自分なりに考察していきます。

2.大きすぎる体

投手は長身の方が有利と言われていますが、藤浪投手の197cm95kgという体格は流石に規格外すぎるのかもしれません。

藤浪投手の身長はMLB平均の約187㎝を10cmも上回っており、MLBでも長身の部類に入ります。一方、NPBの平均身長は約180cmでMLBよりも7㎝低くく、MLBでも長身に部類される投手がNPBのストライクゾーンで投球しなければならないという状況、そもそもこれが不利なのでは?という身も蓋も無い考え方も出来ます。

180cmの投手と197cmの投手で、ストライクゾーンの広さが変わるわけではないので、180cmの投手よりも17cmも身長が高い藤浪投手がストライクを取ろうと思うと、より体を上手く使う必要があります。

ストライクゾーンの定義「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。」

3.制球難になる原因

「体が大き過ぎるから狙った所に決めにくい」、この影響は確実にあると思われますが、それだけが原因ならそもそもプロ入りしていないわけですので、投球動作からもスランプの原因を探って行きます。

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