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投手を見る上で重要な7つのポイント|お股ニキ式野球勉強法 #2

はじめに

これからみなさまに記事を読んでいただくにあたり、一つ断っておきたいことがあります。それは、この記事に書いてあることだけが「投手を見る目を養う方法ではない」ということです。これから紹介するものは、ボールの軌道や変化、回転、配球などを「テレビのセンターカメラ目線」に最適化したものであり、あくまで1つの見方・視点だと了承した上でお読みいただけると幸いです。

①ボールの回転、質、制球

まず何よりこれが重要です。投手は結局のところ、自分が投げたボールで勝負するわけですから、ボールの質や変化・威力、軌道というのは、投手を見る上で絶対に外せない最重要要素です。

試合の映像で良いボールだと思ったら、主観だけに因われないようにデータを確認します。変化量や速度、回転軸のデータ、対左右の成績、ゴロやフライ率、空振り率、コース別の成績などからボールの質を総合的に判定します。徐々にボールの質とその傾向の理解が進み、映像とデータが一致してくることでしょう。

しかしながら、現状NPBでは一般のファンに公開されているデータには限りがあり、ボールの回転や質などのデータを確認するにはMLBを見るほかありません。

「普段メジャーを見ないから、何を見たら良いかわからない…」

そんな方々におすすめなのが、NPBからMLBに移籍した日本人投手、メジャーからNPBに来た外国人投手を見ることです。大谷選手(エンゼルス)はもちろん、菊池投手(マリナーズ)や澤村投手(レッドソックス)、有原投手(レンジャーズ)など、まずは数年前まで日本で活躍していた投手のデータを見てみることをおすすめします。また、メジャーから日本に来た外国人投手のデータと日本に来てからの投球映像を比較してみても、全く同じボールを投げているわけではありませんが、参考になると思います。

②ボールの軌道が打者のスイングとどう合うかor合わないか~軌道・結果シミュレーション~

映像から、ベース上での強さや変化の鋭さ、終速の速さや逆に来なさ、軌道を感じ取ります。ベース上でグワン(横スラやカーブ)、カクッ(スラットやスプリット)と曲がるとか、ズドンとか強く来るか、ヒュルヒュルヒュル・・・と弱いか、ベース上で速いか、遅いか・・・などです。これらは主観的ではありますが、どうしても避けることはできません。

それと同時に、打者のスイング軌道とボールの軌道がどう合うか、はたまた合わないかを脳内でイメージ、シミュレーションをします。例えば、近本選手(阪神)の少し外から巻き込んでくるスイングは、田口投手(ヤクルト)のオーバースローからのカッターやフォークには合うけど、中川投手(巨人)や大江投手(巨人)の横スライダーは難しそう?などです。

そして、それを1球ごとに答え合わせします。1試合を見るだけでも数百球のシミュレーションと答え合わせを繰り返すことができるわけですから、全て集中するのは難しいですが、長い年月をかけていけば膨大な経験と蓄積が可能となります。野球は投手が投げたボールが打者のバットのスイングの軌道にどう当たるか、はたまた当たらないかで結果が決まるので、この視点から野球を見ることは非常に重要だと考えています。

また、テレビ画面は二次元ですが、勝負は当然三次元です。そのため、奥行きも重要なポイントとなります。時々、球場に行って横から見ると、球が来ている感じや逆に来ない感じなどを直で感じ取ることができます(逆にスラットとスプリットは横から見てもよくわからないです)。例えば、高橋投手(巨人)のスライダーは横から見るとなかなか来ないのに浮き上がりもしない不思議な軌道で、とても打者が打ちにくそうなボールでした。

横から見ていても急にボールが来なくなったなとか、ミットの音が小さくなりだしたら先発投手の危険信号です。交代の準備を考えなくてはなりません。監督やコーチはベンチから日々こういうことを繰り返しているのだと思うと、本当に大変だろうなと思います。

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