見出し画像

プロ野球が100倍楽しくなる打者の見方|お股ニキ式野球勉強法 #3

打者を見る目を養う勉強法

私は、多くの野球人が「投手脳」「野手脳」のどちらかに分かれると思います。両方を兼ね備えている人は少なく、同じ野球と言っても投手と野手、捕手では別競技の感覚すらあると感じています。野手出身の人は投手のことは完璧にはわからないですし、逆もまた然りです。

野手脳か投手脳かでいうと、私は完全に投手脳となります。とにかく投手と捕手が理想通りのボールを投げて、配球をして、完璧に抑え込んで、何も起こさせなかった時こそ脳汁が出るようなタイプです。それが楽しいから野球を見ていると言っても過言ではないでしょう。打者がポップフライを打ち上げたり、平凡なゴロが転がったら当然処理してくれるものとして目線を切りますし、エラーがあったらショックを受けます。野手の人には、あらかじめシフトで打球が飛んできそうな位置にいて欲しいです。

そんなわけで「投手脳」の私ですから、打者目線の感覚は乏しい一方、投手目線で「この打者打ちそうだな」「こういうスイングだからこういう感じ/打球になりそうだな」といった推察はできます(打撃フォームを数箇所見ると打てるか打てないか、ある程度わかるポイントがあります)。

また、投手・捕手からの目線とはなってしまいますが、その打者の球種別、左右別の成績や打球方向、フライ/ゴロ比率などの傾向からスイングの質を推測することも(確実とは言い切れませんが)できると思います。また、こういう球質のボールはこういう打者のスイングに合うとか合わないといった傾向論を徐々に身につけていくのも良いでしょう。一例として、シュート変化量の多い伸びる4シームを投げる右投手は、左打者の方が打ちにくく、右打者に一発を浴びる傾向があります。これは、左打者はバットのヘッドがどうしても下がって出るために(投手から見てバットの先端が右下に下がりやすい)、シュートしながら右上に浮きがっていく右投手のボールはバットの上をボールが通過して空振りやファールになりやすい一方で、右打者はバットに近づいていくためです。

前の記事で書いたとおり、近本選手は左投手の一般的なカットやフォークには合うと書きましたが、その後もDeNA坂本裕哉投手から先頭打者ホームランを放っています。このような感覚が大事なのだと思います。このバッターには●●を投げれば抑えられる/打たれる、抑えるためにはこのピッチャーに変えた方が良い、などの判断にも繋がります。左右に因われすぎない継投に繋がるとさらに面白いです。

ここから先は

4,811字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?