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森下暢仁(広島)|超選手分析! #2

⒈ 直近5年間の新人王争い

今回の「超選手分析!森下暢仁投手編」を進めるにあたって、まずは過去5年間(2016年~2020年)におけるセ・パ両リーグの新人王受賞者をご覧ください。

入団2年目の野手(2名)→田中和基外野手(2018年 楽天)、村上宗隆内野手(2020年 ヤクルト)
入団1年目の野手(3名)→髙山俊外野手(2016年 阪神)、京田陽太内野手(2017年 中日)、源田壮亮内野手(2017年 西武)
入団3年目の投手(2名)→高梨裕稔投手(2016年 日本ハム)、平良海馬投手(2020年 西武)
入団2年目の投手(1名)→高橋礼投手投手(2019年 ソフトバンク)
入団1年目の投手(2名)→東投手(2018年 DeNA)、森下暢仁投手(2020年 広島)

このような内訳になっています。もしかするとお気付きの方もいるかもしれませんが、

入団1年目投手が通用しにくくなっています。

これ以前の5年間(2011年~2015年)では、セ・パ両リーグ共に新人王の受賞者が入団1年目の投手で占められていたのを考えると、対照的ともいえる結果になっています。また、2011年~2015年の新人王は全て右投げの投手だった事も付け加えておきたいポイントです。

そんな感じで一時期は新人王レースを席捲した"右投げルーキー"ですが、2016年以降はパタリと新人王を取れなくなりました。

そんな「右投げルーキー受難の時代」に颯爽と現れたのが、2020年度セリーグ新人王の森下暢仁投手(広島)です。

今回の「超選手分析!」では、そんな森下暢仁投手に焦点を当てていきます。

2. 森下暢仁とは

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1997年8月25日生まれの23歳。丑年の乙女座で、動物占いは「愛される狼」(勝手に調べました)。

大分商~明治大学~広島カープ(2019年ドラフト1位)という経歴。

最速156km/hのストレートを軸に、カーブ、カットボール、チェンジアップを持ち球にし、そのすべての球をカウント球と決め球に出来るのが強み

入団1年目の昨シーズンは18試合に登板し10勝3敗。防御率1.91はリーグ2位の好成績。入団1年目の投手が二桁勝利と防御率1点台を両立させたのは1966年の堀内恒夫氏以来、54年ぶりの快挙です。また、防御率1点台自体も森下投手を含めて13人しか達成していません。

3. 森下暢仁の強みとは

森下投手が入団1年目から活躍できた1番の理由、それはズバリ「縦回転フォーム」を採用している事です。

この「縦回転フォーム」という表現がどのような意味で使われているかと言いますと、背骨の回転方向が「縦」だという事です(厳密には斜めなので便宜的な表現です)。

森下投手の投球動作を用いて説明いたしますと(写真は明治大学時代)

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腕の振り始めにあたる箇所です。ここから背骨が斜めに傾き始めます。

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