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100人に1人のあなたへ 同人で長編を連載する


ツイッター、バズってしまいました。

ツイッターでバズったときって良いことばかりじゃなくて、たいていクソみたいなことが付随するんですけど、今回はそれよりずっとメリットが大きかった。 
「オリジナルの絵で」フォロワーが増えたんです。
これまでなかなか注目されなくて、40p以上の一通りの完成原稿を作らなきゃ読む読まないのステージに上がれなかったのが。4枚の完成原稿で、「これ読みたい!」って思ってもらえて、もう一つのネームで「この人の漫画、面白いんだ!」って思ってもらえたんです。だからフォロワーが200人以上増えた。これほどのチャンスはありません。

なにがチャンスなのか。そもそも僕は何がしたいのか?

オリジナル長編「死を纏うステルビヤ」を完成させることです。
この、600pは超えるだろう、作画カロリーも超絶高いだろう、その割に買い手が少ないだろうオリジナルを。完成させて、公開することが、僕の最大の目的です。

600p。月20p描いたとして、30か月。3年近くかかります。
その間無給って、生活できないし、今後のキャリアというか人生設計どうすんの感がすごい。「商業誌で連載獲って原稿料と印税もらう方向にどうにかするしか実現する方法ないでしょ?」とよく言われます。

でも実際のところ、僕はそうは思わないんですよね。

ここで商業ってしょせんは~みたいなことを言い始めそうになりましたが、僕はジャンプSQで佳作を獲った後2回読み切りが載ったのと、あと原作企画をやってたのに出版社からプロジェクト凍結食らって泡と消えたくらいしか商業経験がないので、それで借り物の言葉をべらべら喋るのは底の浅さがばれてしまうのでやめます。

僕が話したいのは、「同人誌でも、暮らすだけならできるかもよ?」です。


100人に1人のお客様

極端に言えば、オリジナルについては読んだ100人のうち1人が700円出して買ってくれればそれで十分なんです、僕の場合。
僕がオリジナルを発表したときの閲覧数が大体2万〜6.6万。(ニコニコ静画とpixivの閲覧数を足した数字です、重複があると思いますが、Twitterの閲覧数を引いているので大体あってるはず)中央値を4万とします。

その4万人の中の400人が、700円(委託の場合書店の取り分が付いて1000円弱だろうけど、僕の手元に入るのは700円です)出して1冊を買ってくれたら、とりあえず売り上げ28万円。印刷費抜いて22万として、2カ月に1回発表すれば月あたり11万円。

僕は漫画以外の収入が月10万円あるので、それと合わせると月21万円。


・・・・・・暮らせますね。貯金もできる。今のウチの家賃を考えると。

勝算はあるの?

現時点でどういう感じなのよと。その「100人に一人」はできてるの?と思われると思います。
結論から言います、できてません!
https://pixiv.net/user/1927644/series/28325
去年5月に出した「怪獣人間の罪」は閲覧数が2万強、一方実売数は、紙と電子合わせて120冊くらいです!

…。
いや、たしかに足りませんが。
でもこれ、埋められる差ですよね?
そして、その差を埋められる!って主張できるくらい、僕の技術って上がってますよね。っていうか宣言します、上がってます。このように。

https://twitter.com/nozubeya/status/1165890346762424321?s=20

少なくても、たった4枚の、ストーリーの分からない絵で、1000RT2700いいねとは初めてなんです。もちろん元ツイがバズったからですけど、でも多分いままでの絵をただツリーしてたら「これ絵が下手すぎて編集者が見放してただけだろw」って一蹴されてたと思います。
今までは画力がネックで、そもそも読んでもらえてなかった可能性が高いんだけど、今回の反応でわかった、俺の絵改善されてる!ダメな絵だと何かの拍子で注目が集まっても評価されないと思うから、多分なんかのラインを超えられた。じゃあとにかく頑張って品質を維持するしかない、その腹をくくれるなら、駆けあがってって目標ラインを達成できる可能性は十分にあります。


いや、もちろん貧乏ですよ

同世代に比べれば絶対貧乏だし、将来どうすんの?って絶対言われる。わかってる。
でも、いいんじゃねえか?だって好きなことやってるし。と思うんですよね。
だって、同人誌で、自分だけで好きなように描くという状況なら、それは本当に「好きなことをやっている」状況でしょう。
コンペとリテイクの嵐でなんにもしてないのに歳を食ってしまった、とか、経験あるけど本当にしんどいもんね。それでまわりに「好きなことやってるんだから文句言うな」とか言われたら最悪ですよ。

だから、とことん好きなことをやる。

100人に一人じゃダメだもっと広く受けるようにって言って手を加えだすと、多分今期待してくれてる人の望む「僕が力を張り巡らせた、全力の作品」じゃなくなっちゃうから、きっと読み手を失望させる。そして僕自身も、自分が納得行ってない変え方をした物語に真剣に取り組めず絵の質が落ちるだろうと。

なにより、「何をすればウケるか」なんて、本当は誰にもわかるはずない。自分の中の「面白い」より「多分こうした方がウケる」を優先したとき、もしそれでウケなかったら?納得行かない原稿に体力と時間を奪われた上得るものが無かったら。恐ろしい。

でも、とことんやりたいようにやった結果ウケなかったなら、そりゃがっかりはするだろうけど、やりきったっていう満足は残る。僕が一生大切にできる宝物が詰まった本が一冊手元に残るから。


正直「怪獣人間」は本当にぎりぎり黒字、成功したとは言えないし、どの編集に見せても「あの最後はダメだよ」って言われる。でも、そうじゃなきゃいけなかった。

一年前発表した「怪獣人間」は、怪物に生まれた少年が、人間に凌辱されて殺された少女の最後の夢、「人間を皆殺しにして」を叶えてしまう物語。
これは絶対に妥協しちゃいけなかった、半端な終わりは許されなかった、だからやった。

読んでくれた人、買ってくれた人の中には、本気で感動してくれて、あのふたりのことを考えてくれた人もいた。たとえそれが商業的には「売れない」「やっちゃいけない」ことだったとしても、そうすることでしか救われない思いが必ずあって、きっとそれは、力不足でも誰かに届いた。


それをする為に僕の筆はあるから、だからまあ、それで貧乏になるのは納得づくということで、
最低限家賃を払える位はやれればなと!思います!

同人ならではのチャンスってのもあるだろうしね

「その時の流行にあったものか」というのは制御できないもので、実際「10年前なら流行ったかも」「発表して10年でヒットした」はよくある話。でも、商業漫画は連載してるまさにその時代に人気が出ないと打ち切られてしまう。だったら、今全部公開しておけばそのうち評価される時流が来るのではとか、思うんですよね。僕がこの漫画、全10話のつもりなんですけど、全部描いたら2年位?ネット公開したりDL販売なら絶版にはならない。この漫画を描き終えた後も僕はモノを描くことを続けるから、そのたびにまた再評価のチャンスが訪れるんじゃないかとか。そういう気の長いことを考えてます。

蛇足

…といいつつ、「それ面白そうやん、うちでやらん?」って言ってくれる編集さんは大歓迎なので、気兼ねなくご連絡ください、ていうかこちらからも営業かけます。…多分とっくに誤解されてると思うけど、僕文中で一度も「編集者はいやなやつ!きらい!」とは言ってないからね。


長くなったけど要は!「俺は俺の描くものの価値を信じてるから、曲げないでやっていきます!今回いろんな人に見てもらえる機会が得られてよかった!頑張ります!



さらにさらに蛇足
FANTIAとFANBOXやってます!!!!イエーイ!!!


野図部屋 (nozubeya)|ファンティア[Fantia] https://fantia.jp/fanclubs/6170 #Fantia #ファンティア

いえ、その…あの…変なテンションでついでに言いましたが…。

こちらで受け取った支援金は、3Dモデルを買ったり機材を買ったり、いろんな形でありがたく使わせていただいているので…ほんと…よければ…おなしゃす…なんかほんとちょうしこいてすみませんした……


おわり


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