2023年に読んだ110冊のなかから、個人的なベスト5をあげる

気づけば2023年ももう終わり。
私は毎年50〜100冊ぐらいは本を読んでいるのですが、記録を見たところ今年は110冊ほどでした。大学院も始まって時間が減ったのにも関わらず、割と読んだなあと自分でも思っています。

booklogの読書記録より。まだ読み途中の本もあるので着地は+3冊ぐらいになりそう。

上記のbooklogによる管理とは別に、本の感想や評価はNotionに残しており、自分の参考になったレベル(また読みたいレベル)に合わせて1〜5点で評価しています。

  • 5:多くの参考・学びになる箇所があった。自分の生き方や仕事に影響を与える本で、また時間をとって読み直したい。

  • 4:いくつか参考・学びになる箇所があり、部分的に読み返したい。まだ理解が追いつかない部分もあるが、読み直せばさらに学びになりそう。

  • 3:参考・学びになる箇所はあったが、読み返すほどではなさそう。

  • 2:読んでいてテンションが上がりきらなかった。飛ばしながら読んだ。

  • 1:著者の主張や文章が合わない。自分には必要なさそう。途中でやめた。

のような感じです。1-3の点数をつけたものは読後でダンボールにすぐに入れてしまい、ダンボールがいっぱいになったら古本として売る、ということを繰り返しているので、本棚に残っているのは4-5の評価の本のみ、という感じです。

ちなみに評価の割合については、評価5が10%、評価4は37%、3が21%、2が27%、1が5%のような感じでした。つまり半分以上の本は買った後すぐにダンボール行きになっているようです。

さて、という前置きはここまでにして、評価5をつけた本のなかでも、今年読んでよかったなという本を5冊ドンとあげます。
ちなみに今年読んだというだけで、今年に発売されているわけではないのはご了承ください。

ちなみに急にAmazonアソシエイトを持っていたことを思い出したので、下記アフィリエイトリンクになっております。なんか誰かに影響与えたのがわかると嬉しいので、というだけの理由・・・

超一流になるのは才能か努力か?

タイトルもストレートでいいですよね。
結論、才能じゃねえーよという話なのですが、勇気づけられると同時に背筋が伸びる本。

まずは基本前提として、何かのスキルをつけるにはコンフォートゾーンから抜け出すための練習と、その量、あとは質が重要で、逆にそれだけしっかり重ねれば、ある程度のことはできるようになるということが書かれています。
天才と呼ばれていた人で練習をしていなかった人はいないし、逆に天才だと呼ばれた人が何もできなくなってしまったこともある。結局は量が基本にあり、あとの細かいセンスのようなものは軽微であるということをいろいろな事例を元に説明してくれています。

この本を読んでからというもの、「自分には才能がない」とか「素質がな〜」とかの言い訳を考えられなくなりました。
逆に言えば『お前ができてないのは、やってないからだ』というぐうの根も出ない火の玉ストレートを投げ込まれる気持ちになるのですが、それはそれでやる気が出ます。

エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの法則」

未来の不確実性が高くなっていくなかで、いままでのバックキャスティングの方法論ではなく、エフェクチュエーションという方法が注目されています。
もともとの論文は2009年に発表されたもので、それをわかりやすく解説してくれた本です。

未来の目標に対して何が必要かを考えるアプローチではなく、自分たちは何者なのか?をアップデートしながら、仲間を増やしていくような感覚でこの方法論を捉えました。

僕はいままで新規事業をやっていくなかで、事業計画やビジネスを進めていくためのスキームに対して、なんだかもやもやすることが多かったのですが、この本を読んでからというものすごくスッキリしました。
というのも、自分がいままでもやもやしていたことの実態と、自分が知らないうちにトライしてきたことが、この本に書かれていたからです。つまり、自分はフレームワーク自体は知らなかったものの、エフェクチュエーションを一部で実践していたということになるのかも。

じぶん時間を生きる TRANSITION

一見すると、移住の体験本みたいに見えなくもないんだけど、結局自分って何がしたいんだっけ? それに対して、どうやってできるんだっけ?みたいな人生の本質と向き合える本なような気がしています。

他人と比較して生きる、から、自分の尺度で生きる。具体的にいうならば、他の人とのやりとりで生まれたToDoをこなす生き方から、自分の内的な感覚を頼りに、やりたいことに集中し、それ以外を捨てるという生き方への変化。

p. 252

今年は会社を作ったこともあり「自分って何がしたいんだろう?」という問いを常に投げかけていた一年だった気もします。そのなかで生まれた頼りのないひとつの解に対して、背中を押してもらえたような感覚になりました。

一方、じぶん時間を生きながらも、自分と家族の生活を守る(生活レベル的な意味で)ということはバランスを作っていかないといけないんだろうなと思うこともあり、短期的ではなく中期的な人生のテーマをもらったような気もします。

TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術

身も蓋もないようなことを言うようだが、企業も個人もすごく熱心に働いているのに、こんなにも何にも達成できてない場所は日本以外にない。仕事内容がそもそも必要なのかを断ち止まって考える時間さえ取らず、ただ働き続けているからだ。

p. 6

最初の数ページでこの話がでてきて、耳が痛くなる。笑

いかに「仕事していることがえらい」という宗教観が、暇なことや退屈であることをつらい思いにさせているか、ということが学べる本です。

前の佐宗さんの本もそうなのですが、個人的に今後の働き方と自分の幸せのバランスを考えていた一年だったので、いかに休息をとることがトータルで見たときの成果にも繋がるかといういろいろな事例も、自分の仕事観の背中を押してくれました。

たしかに8時間労働って、肉体労働の限界であって、知識労働の限界ではないし、そもそも連続して働く必要もない。急にやらないといけない仕事がでてくるのもなんだかおかしい。
いかにクリエイティブに生きるか、そのための仕事以外のことをするかという内容は、これから会社をどうするか、自分の人生をどうするか考える上ですごく参考になる内容でした。

失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書

これだけ、毛色が違うのですが。

もともと新規事業開発支援とかをしていくなかで、机上の空論でえんやえんやアイデアを捻り出していく時間がとてつもなく勿体無いし無駄だなということを身をもって感じておりまして「結局これプロトタイプ作った方が早くね?」となることってすごく多かったんですね。
そういった経緯もあっていま大学院では、Design ThinkingやRapid Prototyping & Agile Makingみたいなことを学んでいるのですが、それは置いといて。

体系的にプロトタイプのことが学べる日本語の本ってないのかなあと思っていた矢先に知った本で、ほんとうーーーにいい本だと感じています。
関連する論文の情報なども小出しにしてくれており、著者がプロトタイプについて研究・理解したことを包括的にまとめてくれている、まさに教科書という感じです。

考えうるプロトタイプの種類や、どんな場面に使えそうかという対応表だけでも、学びになることが多い。何かしら手を動かしてプロダクトを作る人や、新規事業開発に携わっている人、起業を考えている人などに全力でおすすめします。

※ただタイトルの「失敗から学ぶ技術」は個人的にちょっとミスリードな気もする。


こうやってまとめてみると、読みやすい本が多いですね。来年もたくさん学びがある年になればいいな。

このnoteを書くにあたって、今年はどんな本を読んだのかなーと振り返ることもでき、年末感がでてきました。

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