組織・人マネジメントにおける自身の考えを改めて書いてみる

Stockmark Advent Calendar 19日目の記事です。
stockmark Customer Success Unitの清水が担当します。
割とマネジメントについて語らさせていただく場を頂いているのですが、今回はラフに自身が何を意識しているのかをまとめてみたいと思います。
割と今までマネジメント論を話す機会はあちこちであったのですが、敢えて参考文献などではなく、自身の思考遷移に特化して書いてみます。


簡単な自己紹介

2012年からSaaS業界に所属しており、正直今のようなSaaSという言葉自体浸透していない時代だったと記憶しています。マネージャーになったのは2017年。当時私が所属していた会社は今でこそ300人を超える企業になりましたが、私がジョインした時点で30人ほどの会社でした。
その為、メンバーの距離感も近く何か問題が起きてもその場で解決できる事がほとんど。仕組立った考え方などとは無縁の状況でした。
そんな中2017年にマネージャーとなり、現在は転職し現在に至ります。
2017年から現在に至るまでの失敗談、反省を踏まえた現在のスタンスについて書いてみたいと思ってます。
※前職でマネジメントについてブログ書いた事があるので抜粋しながら

マネージャーとして最悪のスタート・・・

今考えればゾッとするようなマネジメントを実施していたなぁと思いますが、マネージャーなり立てで気張っていたのもあり、実施していたのは、正論パンチ。実現可能性や対象者の特性などを鑑みる事なく実施していました。どういう動機かはっきり覚えていないのですが、マネージャーは即時決定をしなければいけない。という考えに囚われてしまい、周囲が全く見えていなかったと反省の日々でした。。

マネージャーなり立ての考え方

改めて「マネージャーとは何か?」から振り返る

実は上段で着任したマネージャーは会社で最も大きな売上、利益を持っている事業部の部長を任せていただきました。正直、課長経験もないままの着任に不安が大きかったものの、誰にでももらえるチャンスではないと思い自分を奮い立たせたのを覚えています。
ただ、やっぱり荷が重かった。。2019年に自ら課長への降格を打診し、一からマネージメントとは?を考える事にしました。
当時の担当役員からはマネジメントにおける推薦本を本当にたくさん提供いただきましたが、正直理解はできるものの、現場で体現する事ができる想像ができるものではなかったです。
改めてシンプルに「自分がメンバーだったらどういう環境で働きたいか?」を考えました。

そもそもマネージャーのミッションとは?

まずは関わるメンバー個々人の成長が必須。個々人が成長する事で組織の成長は掛け算で成長していく。最終的には自律分散型組織に成長していく。
実現可能性はさておき、目指すべき先としては明確でした。

メンバーはどういう環境で働きたいか

ここはいたってシンプル「楽しい!」と思える環境。(急に稚拙ですが)
結局多くの時間を費やす仕事を「やらされ仕事」になってしまってはパフォーマンスも落ちてしまいます。つまり重要なのは、所属するメンバーが当事者意識を持って、納得感を感じて、「仕事が楽しい!」と思える環境にしないと大きな成果は出ないと考えました。

具体的に実施してきた事

一言に「楽しい環境」と言っても抽象度が高いので具体的にどんな事を実施してきたかつらつら書いてみます。

1.所属メンバー個々人の価値観を知る
→楽しい充実した環境は個々人によって異なる。マネジメントは個々の価値観に合わせて実施する事が必要

2.所属メンバーの将来について議論する
→仕事は基本忙しいもの。ついつい無意識に目的を忘れて作業になってしまう事はよくある事。常に自分の目指している先と今の仕事が一直線上にあるのか。常に未来の自己実現に対して積みあがっているのかを自己管理してもらう事が必要

3.自身の強み・弱みを発信してもらう
→人には得手不得手がある。不得意な事を得意な領域に引き上げるのは難易度高め。自分の強みを理解し、しっかり強みを伸ばしてもらう事。また強みを伸ばす事で自身が発見できていない新しい領域へのチャレンジの糧となる

4.納得感のない事に、理由はわからなくても発信する約束をする
→心理的安全性の担保。本来はメンバーと会話せずとも醸成すべき環境だが、自己開示の意味も含め約束事とする。

5.勇気を振り絞って発信した事はいかなる理由があっても感謝を述べる
→たとえどんなに稚拙な発言だったとしても、発信は自身の現在地を周囲に知ってもらう手段でもある。その現在地の開示は恐怖との闘いでもあると思うが、開示してくれた事に最大の賛辞を伝える。

6.上司部下ではなく、同じミッションを持った役割分担の関係を築く
→限界はあるものの、縦の関係は開示領域が狭まってしまう。同じミッションを持ち、違う役割を持つだけの違いとし、それぞれの役割の中で組織ミッション改善の最善策を常にブラッシュアップする必要がある

つらつら書きましたが、個々人の考えを捻じ曲げて歩調を合わせるのではなく、会社というステージで自分が一番好きな事、熱中する事をそのまま仕事に結び付け、将来の自己実現を自身で勝ち取ってもらう事が「楽しく熱中できている」状態と考えています。

7.思考停止ワードを逃さない
→自身もまだまだだが、ついつい今まで考えた事のない領域に会話が及ぶと、「考えておきます」「確認しておきます」という言葉を使ってしまう場面は多い。「具体的に何を考えるのか」「具体的に何を確認するのか」それに伴ったネクストアクションは?まで追求していかないと論理思考が磨かれていかない。ファクトや経験談から考えられるものばかりではなくなる状態でも、いかに定石・理屈を考えられるかは訓練あるのみ
※ちなみに「〇年後マネージャーになりたい」も実は思考停止。なぜならマネージャーといっても、リーダー?課長?部長?そうなる事で何を実現したい?ここまで言語化して初めて「目指したい先」が具体化すると考えている為

私のマネジメントにおける意識している事

ここまで過去変遷を経て、自身なりのマネジメントのスタイルを構築してきましたが、根底にある自身の考えも少し添えておきます。
先日CSチーム内で価値観ポーカーを実施しました。

私の価値観の結果は下記です。
人生において大切にしている価値観。というお題だったのですが、割と仕事をイメージしてチョイスしました。
自身の特徴としては、グチャグチャに取っ散らかっていて、日々変化を求めて刺激を感じ、お決まりの判断ではなく少し遊び心を添えながら仕事をしたいと考えてます。
(公平性は文脈違うので触れないでおきます)
自身のマネジメントの中で一つ野望として持っているのは、「イノベーション」です。この根底にある考えが、上記のマネジメントで実施している事の動機になっています。
過去のトップダウンマネジメントは決して全て悪かったとは思っていません。ただ、どこまで言っても私の想定できる範疇の思想、思考に留まりイノベーションは置きづらいと思っています。
改めてマネジメントを考えた時、私自身が楽しむ意味でも、イノベーションを起こせる組織はいつも意識するようにしています。
それはメンバー時代言われた事だけ実施する事よりも、自身の提案が組織の施策につながり、今まで獲得できなかった成果につながった時、貢献欲求を満たせ、また同じ感情になる為に前向きに頑張れる為、今の私のマネジメントのスタンスが確立でき始めているのかな。と考えています。

また、良く上記の考え方を「優しい」と解釈される事がありますが、個人的な心理としては、優しさは全く感情として持っていません。ある意味自身としては厳しいのかな?と自己評価しているのですが、考える事を強要し、自身でコミットしてもらう事がゴールになる為、できるだけ責任を持ちたく無い人からしたらきつい考えなのではないかな?と思っています。
※実際過去には「決められた事だけやりたい」と言われた事もあります

まとめ

本当に思ったままつらつら書いてみましたが、まだまだ書き足りない、端折りすぎてるところもありますが、きりが無いのでこのあたりでまとめます。。
まず前提として、これが正しいマネジメントだ!とは微塵も思っていません。マネジメントを実施する人の特性、おかれている環境。諸々相まってマネジメントスタンスは決定されると思います。

ただ、私が一つだけ共通でマネージャーがこだわるべきなんだろうな。と思っているのは、「個々人の価値観・考え方を否定しない」事だと思います。
背景として、個人の価値観の相違を「能力不足」と捉える事例を各所で見てきましたが、あくまで特性の話であり、その対象者には自信が持ち合わせていない強みを持っているケースが大半です。その強みを発見し、ミッションを提示する事で、そのメンバーの自身の強みは自覚的になり、組織に必ず好影響を与えてくれると考えています。
それを見定め、引き延ばす事がマネージャーの唯一の存在意義なのかな。と考えています。私もまだまだ未熟で日々勉強ですが、マネジメントに苦しんでいる方は一事例として一読いただけたら嬉しいです。


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